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2015年4月20日 (月)

ドル高の是正?

マーケットに上昇の「勢い」がある時には、相場は多少の悪いニュースをものともしません。一方で、良いニュースには敏感に反応して上げていきます。

そういった「勢い」がもはや感じられなくなった先週金曜日の米国株式市場。

ダウ平均は279ドル下げました。

この下落は、「ギリシャと中国空売り規制緩和に反応して」との解説ですが、ギリシャでは想定外のことはとくに起こっていないし、中国の規制緩和も中長期でみれば、必ずしもネガティブなニュースではないのですが・・。

「勢い」がなくなった相場というのは、ニュースの悪い方の側面をより強く意識するようになるようです。

なにが「勢い」を失速させているのでしょうか。

やはり企業業績に対する懸念なのでしょう。

とくに、最近の米国企業の投資家説明会でのプレゼンを見ていますと、ドルの独歩高が企業収益に与えるマイナスの影響が増してきているのがわかります。

そこから伝わってくるのは、米国経済界や産業界の「イライラ感」。

そういった「空気」が、米国の株式市場や為替市場に対して目に見えない形で影響を及ぼしているのかもしれません。

先週の会社四季報ONLINE『こちら』)にも書きましたが、たとえば、今年の2月にP&Gがニューヨークでアナリスト向けに行ったプレゼンテーション(『こちら』)には、下記のようなスライドが出てきます。

B1

C2

ほとんど全ての海外通貨が米ドルに対して弱くなり(上図1)、

その結果、今年度決算では税引後利益に及ぼす為替のマイナス影響が1,700億円にもなる(上図2)・・・。

これはP&Gの歴史上、最も大きな為替のマイナス・インパクトとなる(上図2)・・・。

なにやら、1ドル=80円に苦しんでいた時の日本の輸出企業の決算説明を聞いているような錯覚に襲われます。

こういった米国の経済界・産業界の声は、いずれはドル独歩高是正へと働くと予想されるのですが、さて・・・。

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