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2015年5月31日 (日)

三島由紀夫「日本は何もない無のるつぼ」

三島由紀夫が市ヶ谷で自決する3ヶ月ほど前に残した言葉。

「日本には何もないんだ。

日本にはオリジナルなものは何もないんだ。

だけど、その何一つないなかに、外からいろんなものを吸い込んで、吸い込んだ時点とはまったく別なものに変えて、はきだす。

その『何もない、無のるつぼ』の変成力こそが日本なんだ」

* * * * *

以前にこのブログで『日仏シンポジウム「ルーツとルーツの対話」』についてご紹介しました(『こちら』)。

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全部で4日間にわたる、このときのプログラムの全内容がネット上にアップされています。

そしてこのシンポジウムに参加した日本側12名、フランス側12名の方たちのスピーチを動画で見ることが出来ます(『こちら』です。赤字で記された、それぞれのテーマのところをクリックすると、各スピーカーのスピーチを動画で見ることが出来ます。日本語、フランス語を選択することが可能です)。

* * * * *

上段で記した三島由紀夫の言葉は、高橋睦郎さんがこのシンポジウムで語ったもの。

高橋さんは、「これは三島が残した一種の遺言であると理解した」とのことです。

高橋さんのこのスピーチは上記シンポジウムのサイトから「芸術と宗教」をクリックすることでたどり着くことが出来ます。

あるいは『こちら』をクリックして頂ければ直接行きつけます。

シンポジウムの動画記録には、高橋さんのほかにもAndré VAUCHEZ を初めとして、そうそうたるスピーカーが並んでいます。

 

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2015年5月29日 (金)

円安と原油価格動向

為替が124円を挟む展開を見せる中、日経平均は11日続伸。

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      (上のグラフは30分足)

円安のマイナス面は、輸入して調達してくる原材料の価格が上がり、(この種の業務を行っている)中小企業がたいへんになること。

さらに食料品、日用雑貨などのうち、輸入されてくる物の値段が上がり、消費者にとっても厳しいこと。

ところが昨年後半から今年初めにかけては、原油価格が急落し、円安のマイナス面を減殺してくれました。

しかし今回は違います。

足元、原油価格はじりじりと上昇。

円安のマイナス面が、一部の中小企業や消費者を直撃します。

「原油価格の動向」と題した今週のヴェリタストークではこの辺についてもお話ししました。

テレビを見逃した方は『こちら』でご覧になれます(パソコン、スマホでご覧になれます)。

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2015年5月28日 (木)

近未来の都市像に挑戦するハドソンヤード

ニューヨークという都市は驚くべきスピードで変わってきています。

911のテロで犠牲となったワールドトレードセンター。

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その跡地には1 World Trade Centerを初めとして、すでに3つの高層ビルが竣工済みです。

ちなみにそのうちの一つ、4 World Trade Centerは、日本の槇総合計画事務所が設計。

このブログでも紹介しました(『こちら』)。

1 World Trade Centerは104階建て。

シカゴのウィリス・タワー(旧シアーズタワー)を抜いて、全米でもっとも高いビルとなっています。

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そのニューヨークで、いま最も注目を集めているのがハドソンヤード。

30もの線路が入り込む巨大な列車庫のハドソンヤード。

この機能を維持したまま、線路と線路の間に建物の基礎を打ち込むことで、列車庫の上に覆いかぶさるようにオフィスビル、商業施設、公園などを形作るプロジェクトが進行中です。

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総工費は200億ドル(2兆4000億円)を超え、六本木ヒルズの総事業費4900億円の5倍近くに達する巨大プロジェクト。

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開発総延床面積は1700平方フィート(158万平方メートル)を超え、米国の歴史上、民間ベースで最大の不動産プロジェクトとなります。

(ちなみに六本木ヒルズの総延床面積は半分以下の76万平方メートル)。

詳しくは『こちら』をどうぞ。

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2015年5月25日 (月)

原油価格の底入れ?

日経CNBCテレビ、日経ヴェリタストークに出演しました。

「原油価格」について。

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下のグラフは過去6カ月のWTI推移ですが、3月18日に46ドルをつけた原油価格(WTI)は最近60ドル前後にまで上昇してきています。

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原油価格は底入れしたのでしょうか。

ここ2カ月間に上昇したのは何故でしょうか。

Baker Hughes の North America Rig Count を見てみましょう(『こちら』)。

これをグラフ化すると下図のようになります。

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すなわち北米で稼働しているリグ(原油掘削装置)の数が昨年10月に比して6割も減少。

これはシェールオイルの生産コストが高く、2か月前の40ドル台といった原油価格のもとでは、たとえ設備を稼働させて原油を掘削しても、変動費さえカバーできない・・・・

こういったところが出てきたからだと言われています(その結果、リグを稼働させず、原油掘削を行わない)。

原油のトレーダーたちはこういったリグ・カウントも見ながら、先物の売買をしていきますので、だんだんとWTIが上がってきたと考えられています。

それでは、これから先、どうなるのでしょうか。

とりあえず注目すべきは6月5日のOPECのミーティングです・・・・。

ところで、番組の再放送は27日(水) 21:15~。

現在駅の売店等で発売中の日経ヴェリタスにも冒頭4頁にわたって詳しい記事・解説が記されています。

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2015年5月24日 (日)

ワインを楽しむ上での8つのポイント

以前にこのブログで紹介したことがあります(『こちら』)が、ワインのラベルを写真に撮るだけで、そのワインがどんなワインなのかをスマホなどで知ることが出来るアプリがあります。 Vivino と呼ばれるサイトでアップストアで無料ダウンロードできます(『こちら』)。

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その Vivino から送られてきた記事で、面白いと思ったのが、『こちら』

「ワインを飲む人が犯しやすい最悪の8つの過ち(The 8 Worst Mistakes Wine Drinkers Make)」

と題する記事です。

この記事によると、過ちの「その1」は、ワインをグラスいっぱいまで注ぐ。

(しかし最近のレストランではワインをグラスで注文すると、ごく少量、グラスの底から2センチくらいまでしか注いでくれませんね)

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「その2」はワイングラスを ステム(脚)部分ではなくて、ボウル部分で持つこと。

しかしこれについては、『国際的に見ると公式な晩餐会マナーとしては、ボウル部分を持つのが正しいとされている』と、全く逆の意見もあります(例えば『こちら』)。

肉料理は赤ワイン、魚は白ワインというのはどうでしょうか。

上述のVivinoのサイト、「その5」には「こだわることはない」とありますが、みなさんはどうでしょうか。

私自身はというと、ワインに詳しいほうではなく、たいして飲むわけでもないのですが、気持ちの上では「欧州的な伝統と薀蓄の世界」よりも「カリフォルニア的な何でもあり」の方が好きです。

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2015年5月23日 (土)

トップガンの育成

今月(21日)の半蔵門懇話会(知財問屋)は、サイバーセキュリティについて。

講師は、ITpro にて 『西本逸郎のIT社会サバイバル術』 を連載中の西本逸郎氏。

最近「BadUSB」をはじめとする周辺機器やファームウエアの脆弱性問題が指摘されるようになっています(『こちら』)。

また米ソニーピクチャーズエンタテインメント(SPE)を襲ったような、大規模なサイバー攻撃も起きています(『こちら』)。

こうした点にどう対処するか。

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たとえば米ソニーピクチャーズエンタテインメントの件では、米国政府はいち早く北朝鮮の仕業だと断定。

報復措置として、既に実施していた経済制裁の強化を決定しました。

日本でも仮に同様な事例が発生した場合、(狙われた一企業だけに対応させるのではなくて)、政府として迅速な対応が取れるよう、予め対応策を考えておく必要があるように思います。

もうひとつ、国を挙げての対応が必要なのが「トップガン」の育成。

「トップガン」と言えば、映画になったアメリカ海軍戦闘機兵器学校(エリート戦闘機パイロットの上位1パーセントのパイロット達の空中戦技を指導)を思い出します。

しかしこの場合は、ハッカーからの攻撃に対処する一流の技術者を表す言葉。

高度なセキュリティ知識と管理能力を併せ持つエキスパートのことです。

日本国内にいる「トップガン」の人数はわずか10人とも言われており(後掲のNHK番組より)、東京オリンピックのある2020年に向けて、60人くらいを育成・確保していく必要があるとも指摘されています。

この辺についてはNHKが5月20日(水)に報道特集を組んでいました。

『こちら』で特集の内容をテキストと画像でチェックできます。

関心のある方はぜひご覧になってみてください。

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2015年5月22日 (金)

有機農作物

一昨日の勉啓塾は、『食の選び方』について(講師は水野葉子氏)。

水野氏は1995年にアメリカIOIA(国際オーガニック検査員協会)のオーガニック検査員講習会修了。

日本で初のオーガニック検査員となったとのこと。

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その後、1997年8月に日本オーガニック検査員協会を設立。

* * * *

そもそもオーガニックとは?

水野氏によると、『オーガニック=有機』と解していいとのこと。

それでは有機とは、と思って、Wikipedia を引いてみると、ありました(下記)。

「有機農業の推進に関する法律」(平成 18 年法律第 112 号;全条文は『こちら』)の第二条において、有機農業は次のように定義される; 

「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」 

農林水産省の「有機農産物の日本農林規格」では、 

有機農業で生産された農産物(有機農産物)は次のように定義されている(注:以下はあくまでもWikipedia上の記載。より厳密には『こちら』をご覧ください)  

【有機農産物】  

1) 有機農産物:農薬と化学肥料を使用しない田畑で3年以上、栽培したもの 

2) 転換期中有機農産物:同6ヶ月以上、栽培したもの  

【特別栽培農産物】  

3) 無農薬栽培農産物:農薬を使用せずに栽培したもの 

4) 無化学肥料栽培農産物:化学肥料を使用せずに栽培したもの  

5) 減農薬栽培農産物:その地域での使用回数の5割以下しか農薬を使わずに栽培したもの

6) 減化学肥料農産物:同化学肥料を使わずに栽培したもの。

* * * *

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というわけで、オーガニックのものは、それなりに値段が高い(上述のようなプロセスで作られるのですから、あたりまえと言えば、あたりまえ)。

選ぶか、選ばないかは、消費者しだいということになります。

ところで、実際にはオーガニックでないものを、『無農薬』などと表示して、売られていることがあるので注意が必要。(水野氏によれば、そもそも『無農薬』と表記してはいけないとのこと)。

その点、有機JASの認証を受けていれば安心です。

上の写真は東京・青山のナチュラル・ハウスですが、店内には有機JASの認証シールが貼られた野菜が並んでいました。

オーガニックや食品表示についてもう少し知りたいという方は、都政新聞による水野氏へのインタビュー記事(『こちら』)や、NHK:Eテレのプログラム(『こちら』)をご覧になってみるとよいと思います。

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2015年5月21日 (木)

サードウェーブコーヒー

ブルーボトルコーヒーの青山店。

オープンしてから2か月以上経ちますが、昨日初めて行ってみました。

私は、シングルオリジン(昨日はパプアニューギニア)のDrip(550円)を注文。

(以下は店内の様子)

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(お店はこの建物の2階。)

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美味しいコーヒーを味わいたいときは、この種のサードウェーブコーヒーに行き、一方で、手軽に安くコーヒーを飲みたいときにはコンビニに行く・・・。

そうなると、スタバやタリーズは、上と下の双方からスクウィーズ・アウト(squeeze out;締め出し)されてしまうリスクにさらされます。

はたしてスタバやタリーズはこうした流れにどう立ち向かうのか、興味があります。

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2015年5月20日 (水)

公営貸自転車

以前にブログでメルボルンの貸自転車の紹介をしました(『こちら』)。

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  (メルボルン市内に散見される市営の貸自転車)         

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  (30分借りて2ドル70セント)

日本でも公営の貸自転車が増えてきているとの報道を耳にします。

こちら(↓)は千代田区の貸自転車。

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この種の事業が採算に乗るのであれば大賛成です。

しかし、もしも税金が投入されるとなると、いったいどこまで税金で面倒見るべきなのかなどの議論が出てくると思います。

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2015年5月19日 (火)

アップルのティム・クックCEOのスピーチ

米国メリーランド州ボルティモアやミズーリ州ファーガソンなどで起きた事件。

こうしたニュースを耳にするたびに、米国が抱える人種問題の根深さを感じます。

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さて米国時間の17日(日曜日)、アップルのティム・クックCEOがジョージワシントン大学の卒業式で行ったスピーチ。

このスピーチは、ティム・クックが16歳の時に作文コンテストに優勝したところから始まります。

コンテストに優勝したことで、16歳のクック少年はウォレス州知事と会うことになります。

しかしクック少年にとって、それは名誉でもなんでもありませんでした。

州知事と会ったとき、少年は州知事と握手をしました。

しかしそのことは自分自身の信念に対する裏切りであるように思われ、これは正義に反し、間違っていることだと感じました。

あたかも自分の魂を売り渡しているように感じたのです・・・。

* * *

卒業式でのティム・クックのスピーチは、静かな語り口ではあるものの、こんな強い文章で始まります。

全体で20分間ほどのスピーチには、スティーブ・ジョブズとの出会いなども語られていますが、私には上述した冒頭のエピソードがひじょうにパワフルだと感じられました。

『こちら』で動画を見ることが出来ます。

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2015年5月18日 (月)

トークショーのお知らせ

先日のブログで紹介した『世界のエリートはなぜ哲学を学ぶのか?』

この本の著者、福原正大さんとトークショーを行います。

明日、19日(火)、新宿ブックファースト。

午後7時から8時15分まで。

参加には事前に福原正大さんの『世界のエリートはなぜ哲学を学ぶのか?』をブックファースト新宿店で購入しておくことが条件になるそうです(私の本の購入は必要ありません)。

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2015年5月15日 (金)

インタビュー記事

昨年12月5日に受けた著者インタビュー。

当時は 『残酷な・・』 という拙著が発売された直後で、いろいろな先からインタビューを受けました。

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BOOKSCANのこのインタビューについては未だ告知できていなかったと思いますので、遅くなりましたが、ご案内させていただきます。

『こちら』 (←クリックしてください) です。

Better late than never...。

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2015年5月14日 (木)

オープン・イノベーションがもたらすパラダイム・シフト

米国カリフォルニア州メンローパークを本拠地とする会員制DIY工房チェーンのTechShop(『こちら』)。

昨晩は、このTechShop共同設立者兼CEOのマーク・ハッチ(Mark Hatch)氏の講演ならびに若林恵氏(『WIRED』日本版 編集長)との対談を聞いてきました(六本木ヒルズのInnovative City Forum)。

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TechShopが最初にシリコンバレーのメンローパークにオープンしたのは、2006年。

今では全米8か所に拠点があります。(現在さらに11の拠点を開設準備中)。

TechShopとはいったいどんなものなのでしょう。

一言で言うと、月125ドルの会費を払えば、誰でも利用できるオープンな工場(工房)。

そこには総額約1億円以上の工作機械、溶接、加工、電子工作機器などが置いてあって、使い方も教えてくれます。

実際にサンフランシスコのTechShopを訪問した方のレポートが『こちら』で見れます。

会員のおよそ4割はentrepreneur(起業家)。

この工房で自分のアイデアを製品に落とし込み、見本(prototype)を作って、ベンチャーキャピタルやエンジェルにそれを見せ、出資を仰ぐ。

なかには起業などという大それたことを考えないで、成功を収めた人もいます。

Tinaさんは甥の誕生パーティーに子どもたち1人1人の名前の文字をのせたCupcakeを配ることを思いつきます。

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TechShopで学んだLaser Cutter を使って、子供たちの名前を切り出し、それをCupcakeの上にのせる。

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(注:上の写真はTinaさんのサイトからとったもの。Parker 夫妻と切り出してあります)。

これが話題を呼んで、TinaさんはこうしたCupcake用の文字盤の注文をたくさん受けるようになります。彼女が作った Online shop には注文が殺到。

雑誌でも取り上げられ、本の執筆も依頼されるようになり・・といった具合。

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この種の話はマーク・ハッチ(Mark Hatch)氏が書いた『The Maker Movement Manifesto』にたくさん出てきます。

アメリカで起きている「ものづくりのイノベーション」。

根底にあるのは、「ものを作るのは楽しいという、人間の本質的な欲求だ」とマーク・ハッチさんは言っていました。

近未来には多くの人々が大企業ではなく小さな会社で働くようになるとも。

さて・・。

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2015年5月13日 (水)

昨日(5月12日)の風景

昨晩の東京は夜8時頃からかなり激しい雨と風に見舞われました(私も結構濡れました)。

その少し前。

夕方6時半ころに撮影した都心の空です。

まだ雨が降り出す前、青の色が綺麗だったので思わずiPhone6のシャッターを押しました。

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* * * * *

話はがらりと変わりますが、昨年11月に発売となった拙著、『残酷な20年後の世界を見据えて働くということ』

東京・恵比寿(アトレ)の有隣堂ではWeekly Best Sellers のビジネス書部門4位、総合8位だったということで、Aさんが昨日撮ったという写真を送ってくれました。

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(上の写真は各部門ごとの順位。下段がビジネス書部門)

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(この写真は全体のランキング)

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2015年5月12日 (火)

フランスへ転校したAさんの子が0点をとった理由

福原正大著『世界のエリートはなぜ哲学を学ぶのか?』からの一節。

以下は、著者、福原さんが、友人である日本人とフランス人のカップル(夫婦)から聞いた話とのこと。

この夫妻は日本からフランスに移り住むことになり、小学校6年の娘さんはフランスの小学校に転校。

転校先の小学校の歴史テストで、「第二次世界大戦とはなにか」との出題がありました。

娘さんの答えは、「日本、ドイツ、イタリアとアメリカ、ソ連、フランスなどが戦った世界規模の戦争で1945年に終戦」。

この答えが0点とされ、母親が「なぜ0点なのか」と抗議にいくと、担任の先生にこう言われたのだとか・・。

「この解答には彼女の考え方が1つも入っていない」

日本人の私にはちょっと納得できないところですが、福原さんいわく、

「生徒それぞれの意見を求めるフランスの教育の尺度からすると、彼女の解答はなにも答えていないに等しいと評価されたのです」(前掲書47頁)。

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この本には「ところ変われば教育に対する考え方も変わる」として、様々な例が出てきますが、読んでいて、アメリカの高校にAFS留学していたときのことを思い出しました。

もう40年以上も前の話ですが、テストの解答が採点されて戻ってきた後、クラスメートの多くが、先生のところに交渉に行っていたのです。

「自分はこういうつもりで書いたのに0点はひどいじゃないか。少なくとも半分の点数(a half credit)はくれるべき」

この種の光景をたくさん目撃した私は、自分も権利主張しないと損すると考え、しばらくすると先生のところに交渉に行くようになりました。

その結果、意外とすんなりと半分の点数くらいはもらえたのを思い出します。

それともう一つ思い出したのは、ファーストネームで生徒に呼ばれる先生も多かったこと(一方、体育の先生は軍隊式で厳しく、生徒たちはみんなMr. で呼んでいました)。

福原さんの本の内容からそれてしまいましたが、国によっていろいろと違いがあることを思い出しました。

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2015年5月10日 (日)

Money Never Sleeps (第4回)

日経ヴェリタス紙の読者カフェ欄(61頁)のコラム、「Money Never Sleeps」の第4回が、今週号(5月10日発売)に掲載されました。
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          Nv68          

第4回のコラムはこんな始まりです

『「3月のその週ならまだどうするか、はっきり決めていない。あなたの都合の良い場所で会うことが出来るよ。モスクワでもいいし、ロンドン、ローマ、キプロスでもいい」

ロシアの著名なファンドマネージャー、グレブ・シェスタコフ(50歳)からこんなメールを受け取った。

彼はロシア国債など旧ソ連諸国の国債、地方債、社債の売買で成功を収めた。

17年前に「マネー革命」と題する日本のテレビ番組に出て、当時のロシア危機について語ったこともある。

現在ではモスクワに拠点を持ちつつも、家族はローマに住み、ロンドン、キプロス、フィンランドなどに居宅を構えている。

「キプロスだったら一度も行ったことがないので、どうせならキプロスで」

グレブのメールにこう答えて、私は中東ドバイ経由で、キプロスに飛んだ。。。』

        Nvg60    
宜しかったら続きをヴェリタス紙面でご覧になってみてください。

次回の「Money Never Sleeps」掲載は6月28日になる予定。

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2015年5月 9日 (土)

トヨタ・マツダ、包括提携

本日の日経新聞の1面トップは『トヨタ・マツダ、包括提携』の記事(『こちら』)。

今を遡ること1ヶ月以上前、4月2日の各紙に『トヨタ米戦略の切り札、実はマツダ「デミオ」』との記事が載りました(『こちら』)。

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(写真は4月1日ニューヨークモーターショー15において公開されたサイオン『iA』)

トヨタは、米国の20代~30代前半の消費者へのアピール力強化を企図。

このため、マツダからOEM(相手先ブランド生産)供給を受けて、小型乗用車サイオンのセダンタイプ『iA』を売り出すとの記事でした(『こちら』)。

分かりやすく書くと、デザインが好評のマツダ『デミオ』をベースとしたクルマの供給をマツダから受けて、トヨタ車として売り出すという話。

4月のこの記事を読んだときには、『何でもあり』の戦国時代に驚くと同時に、『さすが』と思いました。

このとき、「更に2の矢、3の矢もあるのではないか」との気がしましたが、やはり・・・、両社の『包括提携』となって、『続篇』が出てきました。

資本提携という『続々篇』も、これから先、考えられうるのでしょうが、さて・・・。

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2015年5月 7日 (木)

オバマ大統領がデイヴィッド・レターマンのトークショーに出演して

日本でいうと黒柳徹子さんの「徹子の部屋」とか阿川佐和子さんの「サワコの朝」が近いのでしょうか。

アメリカCBSのトーク番組「レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン」

日本の上記2つの番組との違いは、レターマンがもともとコメディアンであること、および番組が平日夜11:35から始まるということ。

レターマンは、他局(NBC)時代を含め、30年以上にわたってこの番組の司会を務めています。

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              (From CBS website)

今週月曜日のゲストはオバマ大統領。

あと1年8カ月で退任となる大統領と、すでに「この番組からは今年中に引退する」と意向表明しているレターマンが、Retirement Plans(退任後の生活)について語り合います。

(レターマン)「大統領でなくなったらどうするんですか」

(大統領)「あなたと2人でドミノ・ゲームでもしたらどうかと考えていたんですよ」

2分24秒のやりとりがYouTubeにアップされています(『こちら』)。

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2015年5月 6日 (水)

都会の中の自然(その2)

早朝の北の丸公園

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江戸時代、徳川の御三卿であった田安徳川家や清水徳川家が上屋敷を構えていた場所。

維新後、明治政府によって近衛師団の兵営地が設置されましたが、昭和30年代後半に建物等を撒去し、森林公園として造成されました。

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2015年5月 3日 (日)

2060年の人口と3776年の人口

英国の話ですが、ウィリアム王子(32)とキャサリン妃(33)の第2子(プリンセス)が昨日誕生しました。

チャールズ皇太子と故ダイアナ妃の間にウィリアム王子とヘンリー王子の兄弟が誕生し、キャサリン妃も第1子はジョージ王子だったことから、今度は女児を望む声が英国では多かったのだとか・・・。

プリンセスの誕生に、喜びに沸く英国民。

この状況がメディアで伝えられてきています。

* * * * *

さて日本。

ゴールデンウィークで家族連れが各地に出かけている模様がテレビなどで報道されています。

テレビに映し出される屈託のない子どもたちの笑顔。

これを見て、ふと思いました。

この子供たちが働き盛りになる頃。

その頃の日本はいったいどんな状況になっているのでしょう。

たとえば日本で今年生まれた赤ちゃんが45歳になるとき。

そのときの日本の45歳の人たちの人口は、(移民政策に変更ないとすれば)今年日本で生まれた赤ちゃんの「総数」を上回ることはありません。

つまりある程度の確度で、その時の日本の人口は推計できます。

国立社会保障・人口問題研究所によると、このとき(2060年)の日本の全人口は86,737,000人(出生中位、死亡中位のケース)。

もう少し厳密に言うと、78,563,000人~96,021,000人の範囲に収まります(同研究所著『日本の将来推計人口 (平成24 年1月推計)』 31頁)。

1億2千万人から 8千万人へ。

これが迫りくる現実の姿です。

ちなみに、このままのペースで人口減少が続くと、いったいどういうことになるのでしょう。

東北大学経済学研究科の吉田浩教授(加齢経済・財政学担当)の研究室で「子ども人口時計」を発表しています(『こちら』)。

これによると西暦3776年には日本の子どもの人口は1人になる。

あくまでも一定の前提のもとに計算されるシナリオですが、そうならないためにどうするか。

今年3月20日に「少子化社会対策大綱」が閣議決定されました(『こちら』)。

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2015年5月 1日 (金)

勉啓塾での講演

30年以上の歴史を持つ「勉啓塾」という名の勉強会(『こちら』)。

先日、ここで講演しました。

その時のPowerPoint のスライドの幾つかを下記にアップします。

講演にはこの2倍以上のスライドを使いました。

事情があってアップできないものも多く、スライドが飛び飛びになってしまって、話の流れなど分かりにくいかもしれません。ご容赦ください。

アップしたのは、次の頁です。

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