アメリカのシリコンバレーで起業する人々の半分は移民
『NEXT WORLD―未来を生きるためのハンドブック』を読んでいましたら、『アメリカのシリコンバレーで起業する人々の半分は移民』との記述(本書100頁)。
本当かと思って調べてみると、ありました。
2007年にVivek Wadhwa たちが行った調査結果。
これによると、シリコンバレーで起業されたテクノロジー関係の会社の52%で、創業メンバーの中に移民がいたというもの。
(In a 2007 survey we conducted, first-generation immigrants were on the founding teams of roughly 52% of all tech companies in Silicon Valley. 詳しくは『こちら』、もしくは『こちら』をどうぞ)。
例を上げてみましょう。
『ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか』の著者でもあるピーター・ティール。
ドイツ人の両親のもと、ドイツで生まれ、彼が1歳のときに両親とともに米国にやってきました。
31歳の時にマックス・レヴチンたちとともにペイパルを創業。マックス・レヴチン自身も、ウクライナ生まれ。米国へ政治亡命した両親とともにシカゴへやってきました。彼が16歳のときです。
実はピーター・ティールやマックス・レヴチンを初めとして、ペイパルの創業メンバーは全部で6人。
うち4人はアメリカ生まれではありません。
残りの2人、ユーパンは中国出身。
ルーク・ノッゼックはポーランド。
南カリフォルニア大学の卒業式で「起業家は起きている時間はすべて働け(work hard, like, every waking hour)」と力説したイーロン・マスク。
テスラ・モーターズやスペースXを創業した彼は南アフリカ共和国の出身。
(南カリフォルニア大学の卒業式で演説するイーロン・マスク)
このほかにもヤフーを共同創業したジェリー・ヤン(台湾)、グーグルのセルゲイ・ブリン(6歳のときに両親とともにソ連から米国へ移住)、ユーチューブのスティーブ・チェン(台湾)など次から次へと出てきます。
両親とともに米国に移住してくるケース、あるいはサンマイクロを共同創業したビノッド・コースラ(インド)のように米国の大学院で学ぶうちに起業するようになるケースなど、いろいろあるのでしょう(ちなみにビノッド・コースラは私がスタンフォードに通っていた時の同級生)。
こうした人たちはもともとリスクテイカーである(だから起業した)と見ることも出来ますし、シリコンバレーは世界中からタレント(才能ある人々)を集めているからと、説明することも可能でしょう。
一方で、移民や亡命に対して極めて保守的な政策(簡単には移民や亡命を認めない)を取っている日本。
どうしたら国を活性化させ、競争力強化を実現させるか・・・米国シリコンバレーの成功にひとつのヒントがあるかもしれません。
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