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2015年7月12日 (日)

Money at Stake

金曜日(米国時間)、CME日経平均先物は2万円台を回復してクローズ(20,085円)。

土曜日、ギリシャ議会はチプラス政権の改革案を承認(『こちら』)。

日曜日(12日)のEU首脳会議でどう決まるか分かりませんが、欧米の市場を見る限り、これから先、EU側も歩み寄り、ギリシャのユーロ離脱はいったんは回避されることが予想されます(あくまでも予想ですが・・)。

更にいま(日本時間12日午前8時半、入ってきた情報(『こちら』)だと、ギリシャにもっと歩み寄らせろとの声がEU側に強いとか・・。

仮にギリシャが535億ユーロのBailout Money (EU側からの支援額)を引き出すことに成功すると、これで(2010年の1080億ユーロ、2012年の1720億ユーロに続き)、3度目のBailout(下図参照)。

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   (上図はWSJより。クリックすると大きくなります)

その結果、どうなるかというと、Money at Stake (今後交渉の対象となりうるEU・IMF側からの貸付金)の額は、535億ユーロ分、増えることになります(108-35+172-11+53.5=287.5(単位:十億ユーロ))。

【1】ギリシャとしては、まずは535億ユーロというニューマネーを得たうえで、これから先(たとえば今年の年末近く)、債務の元本削減(hair-cut)や金利引き下げ・返済期限延長交渉に臨むという計算なのでしょうか(つまり EU側にとっての Money at Stake を増やしてしまう)?

【2】それとも12日のEU首脳会議による決定事項は、こうした債務の減免にまで踏み込んだものになるのかどうか。

おおかたの予想は、【1】に対してはイエス。【2】は、ノー。

仮におおかたの予想通りとなった場合、ギリシャ問題はいったんは収束(そうなれば週明けの株式市場にとって上昇要因)。だとしても、それは問題の根本的解決にはほど遠く、再びどこかの時点で、より大きな問題となって噴火してしまうことが予想されます。

今回の騒動、仮に3度目のBailoutが実行されたとすると、これから先の債務減免交渉を前提に、とりあえずEU側にとっての Money at Stake を増やすことに成功したチプラスの勝利ということになりそうですが、さて・・・。

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