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2015年7月 9日 (木)

むかし話

ある村にギリシャさんとドイツさんが住んでいました。

不幸にもギリシャさんは癌になってしまいました。

以下2人の会話。

* * * * *

【ドイツさん】 あなたが癌になったのは生活習慣病が原因。

毎日ウーゾ(注:ギリシャ産のお酒)ばかり飲んで運動もしなかった。

それに比べ、私なんか、毎朝起きて運動していたから、こんなに元気。

この村の住民は全員健康が原則。

だからしっかりこの薬(抗癌剤)を飲みなさい。

【ギリシャさん】この薬(注:「緊縮財政」との名がついている)、5年間も飲み続けたけれど、いっこうに体は良くならない。

むしろ薬の副作用の方が強すぎて、どんどん体力が落ちていくの。

いまではこうして点滴や輸血に頼って生きている状況。

これ以上、飲み続けても…。

【ドイツさん】何を言っているの。

この薬は私のおカネで買ってあげたもの。

点滴や輸血のおカネも私が出しているの。

あなたが反抗するので、とりあえず点滴と輸血は止めます!

【ギリシャさん】点滴と輸血を再開してくれなければ、死んじゃいます。

とりあえず点滴と輸血をお願いします。

そのうえで、どの程度の薬の量だったら、さほど苦しまずに飲めるか、具体案を提出するようにします。

【注】(以下の独り言はドイツさんには聞こえませんでした)

「いっそのこと、この村を抜け出して、どこか別の治療法を探そうか。

はるか東方のジバングという国では緊縮財政とは真逆の放射線療法が効いて、身体が良くなったという話も聞いたな…」

【ドイツさんの独り言】この村は全員健康が原則だけど、病人がいると国から補助金が出る。

補助金(安いユーロの為替)が出るから、ギリシャさんには村にいて欲しいけれど、ギリシャさんはこれだけ身体が悪くなっているのにまだウーゾを飲んでいる。

いっそのこと村から追い出してしまおうか…。

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