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2015年9月24日 (木)

20年後、企業価値を高める技術

日経CNBC『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

トピックは、「20年後、企業価値を高める技術」について。

まず挙げられるのは、人工知能でしょう。

日本では高度なコンピューターであれば、なんでも人工知能と形容してしまう傾向にありますが、本来は「機械が自ら学習(機械学習)して、自らをどんどん進化させていく」、そういったコンピューターを人工知能と言っています。

人工知能を語るうえで欠かせないのが、最近のディープ・ラーニング(深層学習)の進化。

ディープ・ラーニングとは、人間の脳のニューロン(神経細胞)やシナプス(神経網)の仕組みを模した手法で、コンピューターに、ものごとを学習させ、知能を発達させていく手法を言います。

2013年3月、グーグルはディープ・ラーニングを研究開発するカナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン教授が立ち上げたDNNリサーチ社を買収しました。

さらに2014年1月には、人工知能研究の最先端を走るデミス・ハサビス(38歳)が創業した英ディープマインド社を、フェイスブックに競り勝ち、推定4億ポンド(730億円)で買収しています。

これは企業買収という形を取りましたが、グーグルが欲しかったのはデミス・ハサビスの頭脳。

730億円を出して、デミス・ハサビスをヘッドハントしたと見る向きもあります。

そしてこの買収劇でポイントとなったのは、グーグルのラリー・ペイジCEOの熱意。

彼はデミス・ハサビスと会って

「君はグーグルに加わることで、グーグルの持つ豊富な経営資源(リソース)を利用できる。それは何も資金だけでない。すでにグーグルにいる人材や彼らの研究も含まれる」

と説得したといいます。  

デミス・ハサビスの述懐するところによれば、ラリー・ペイジによるこうした直々の説得は

「自分の会社をグーグルに売却し、自分自身がグーグルに参加することを決断するうえで “決定的な要因” となった」

とのこと。

まさに「天才(ラリー・ペイジ)が天才(デミス・ハサビス)を呼び込む」という構図が、ここに見て取れるように思います。

ところで話はそれますが、グーグルが上場したのは2004年。

今から11年前です。

このときグーグルの株を買っていれば現在13倍になっています。

アマゾンにいたっては18年前(1997年)に上場した時に買っていれば、現在282倍。

20年後の技術、イノベーションを見通して投資をするというのは、上手く見通すことさえできれば、極めて有力な投資戦略であることが分かります。

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