ノルウェーでは現在毎月10万円を国民に配る制度が開始されようとしている
最近読んだ本から幾つかを選び感想を載せてみました。
今回の表題は、昨日読んだ『City Journal』の記事の内容をコンパクトにまとめたもの。下記(4)の本の感想を書く際に思い出しました。
表題に関心ある方は途中を飛ばして一気に(4)まで進んでください。
(1)『サイロ・エフェクト』
著者のジリアン・テットが東京駐在だったときに何度か取材を受けました。
投資銀行、とくにM&Aを担当する部署はマスコミを極端に警戒します。
したがってマスコミの取材に応じることは基本的にあり得なかったのですが、私の上司が英国人で、Financial Times 東京駐在員だったジリアン(同じく英国出身)とは仲が良く、上司から頼まれ、やむなく取材に応じるというケースが多かったのです。
聡明で、パワー溢れるジリアンが文化人類学者としての視点から、縦割りの会社経営の問題に切り込んだのが本書。
ソニー、ニューヨーク市庁、UBS銀行など、いろいろな組織が登場しますが、どれも示唆に富む内容で興味深く、あっという間に読めてしまいます。
本書の編集に携わった方から送って頂きました。
50歳、60歳から起業する人が少しずつ増えています(少なくとも私の周りでは)。
本書ではシニア起業をした人たちの事例が豊富に取り上げられていています。
「森林インストラクター」など、この本で初めて知る職業がたくさんありました。
気楽に、どのページからでも読めるといった構成になっています。
(3)『東芝不正会計』
東芝事件をコンパクトにまとめています。
何が起きたのか、五月雨式のマスコミ報道ではなく、まとまった形で読んで理解するには便利な本です。
別の見方からすると、新聞や雑誌を丹念に読んできた方は、本書に特に新たな情報があるわけでなく不満に思うかもしれません。
せっかく本にするんでしたら、不正会計「前」の財務諸表と、「後」のそれを各年ごとにどう違ってくるのか、表にしてまとめて分析しても面白かったかもしれません。
(4)『自分の半径5mから日本の未来と働き方を考えてみよう会議』
編集者から送って頂きました。
図や表、データ類が豊富な本です。
こうした本を読んで、ファクト(事実関係)を幾つか押さえておくと、接待などの席上で、
「これは、こういうことなんですよ」
と説得力ある議論を展開できるかもしれません。
対談形式の本ですが、個人的には真っ向から違う意見の人が論じる本の方が(論点が鮮明になって)好きです。
年金の世代間格差のところはやや切り込み不足。政治の問題だと指摘しつつも、時代が変わったのだからどうしようもないと論じてみたり・・。これでは若い世代は納得しないように思いました。
もっと抜本的な解決策を論じて欲しかったというのが正直な感想。
例えば現在の「賦課方式」から「積み立て方式」に移行するとか、あるいはノルウェーでは現在毎月10万円を国民に配る制度が開始されようとしています(詳しくは『こちら』)。
ベーシックインカムの考えを実際に実現しようという試みなのですが、ノルウェーではこれにより社会福祉に関する官僚主義的な無駄を排したい(shut down its welfare bureaucracy)としています。
(5)『浜松ピアノ物語』
ピアノの製造に関する話がたくさん出てきます。
明治の時代、国産ピアノを作るのが如何にたいへんだったのか、なぜ浜松にピアノメーカーが集まったのか・・。
1985年のショパンコンクールでヤマハと河合が公式採用されたときの新聞記事なども掲載されていて、ピアノ好きには面白い本となっています。
ただし70頁~129頁は浜松地域のピアノ関連メーカーを50音順に列挙しただけなので、(浜松とは関係ない)一般の読者にとっては、あまり意味の無い頁が続く形になっています(その分、本書の値段は476円と安いので、まぁ良しとしようといった感じでしょうか・・)。
それにしてもヤマハの株価。
今年に入って日経平均(下図の赤線)が約1割下落する中、逆に2割も上げています(下図の青線)。
関心ある方は『こちら』の記事をどうぞ。
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