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2016年6月29日 (水)

総会の季節

数年前までは6月のこの時期(28日~30日)は株主総会が集中していました。

今ではトヨタ(6月15日)、日立(6月22日)など、6月最後の週を避ける企業も出てきています。

今日私が出席したのは同じ総会でも、株主総会ではなくNPO法人の社員総会。

『医師と団塊シニアの会』 と呼ばれるNPO法人なのですが、縁あって理事の末席を汚しています。

私は医師でもなく、団塊世代でもないので、会のメンバーとしてはやや異色なのですが、違った立場から意見を言うようにしています。

お蔭さまで当NPO法人も第2期の社員総会を迎えることが出来ました。

ウェブサイトは、『こちら』

ご興味のある方は覘いてみてください。

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2016年6月26日 (日)

Auld Alliance

メルマガ6月号を発行しました。

* * *

【第4号(6/26発行)】  

みなさん、こんにちは。 

英国のEU離脱で市場は大きく揺れました。 

離脱が確定した先週金曜日、私は11時25分頃からオフィスで為替相場を見ていました。

すでにサンダーランド地区で離脱派がかなりの差で勝っているとのニュースが流れた後で、

為替が円高に大きく振れ始めていました。

約2時間、13時30分頃まで刻一刻と流れるニュースの画面と為替のチャートを見ていて、

結局ランチに行きそびれてしまいました。

しかし歴史的瞬間を(市場の動きを通じて)目撃出来たような気分になりました。

英国のEU離脱については、今となっては、それこそ、これを解説するたくさんの情報が氾濫していますので、

ここではこれ以上述べませんが、ひとつだけ。

Auld Allianceという言葉をご存知でしょうか。

これは"Old Alliance" を意味するスコティシュ語(スコットランドの言葉)で、

「フランスとスコットランドの同盟」

を意味します。

詳しく知るには Auld Allianceという言葉で検索をかけると、Wikipediaに説明が出てきますが、

要は昔からスコットランドとフランスは仲がいい。

ともに協力してイングランドと戦ってきた歴史があるからです。

第2次世界大戦中の1942年、フランスのド・ゴール(後の大統領)はスコットランドの首都、エジンバラで演説し、

「スコットランドとフランスのアライアンス(同盟)は世界最古の同盟だ」

と持ち上げました。

1995年には両国同盟成立「700周年」(!)を祝う式典が、フランスとスコットランド双方で催されています。

今回の国民投票でもスコットランドでは、EU残留派62%、離脱派38%という結果。

フランスに心情的に近いスコットランドならではの

『(イングランドとは距離を置き、むしろ)EUに残りたい』

という結果が出ていました。

そもそもスコットランドには英国から独立したいと思う人たちがたくさんいます。

一昨年には英国からの独立を問う住民投票も実施されました。

このときの結果は、独立反対派が55%を獲得し、独立には至りませんでした。

しかし今回、英国のEU離脱が決まった結果、

スコットランドが再び英国からの独立を企て、

フランス(やEU)との絆を深めようとすることも予想されます。

場合によっては、スコットランドは英国から独立した上で、EUに加盟するといった道を選ぶことになるかもしれません。

さて、英国のEU離脱問題はこの辺にして質問の方に移ります。

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目次  

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… 1. Q&Aコーナー  

①【投資】「ソロスがマーケットに復帰、 

             株式相場下落にベットするポジションを取り、 

             金などにも投資しているようですが、どう考えますか」 

②【その他】「ベンチャー投資の世界で実際に失敗した例を

            見ていると思いますが、どういったベンチャーが

            失敗するのか教えてください」 

③【その他】 「インフィニティとはどういう会社ですか。 

             なぜ未公開の会社の投資をしようと考えたのですか。 

            人を採用する予定は? 

            またなぜファンド形式にしないのですか」   

… 2. 世界各地からの便り  

   【フランス・ニース】

    路上のコイン駐車と電気自動車への充電設備が併設 

… 3. 今月のトピックス: 

    「10年後を見据えた投資とは?」  

… 4. お知らせ

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なおこのメルマガは諸般の事情により今月号をもって最後とし、来月より休刊とさせていただきます。

読者の皆様におかれましては、来月以降はチャージされることはありません。

ご愛読ありがとうございました。

なお復刊の予定はまだ立っておりませんが、1年半後くらいに装いを変えて、内容も新たに、さらにパワーアップして復刊させたいと考えております。

復刊になりましたら、私のブログでお知らせいたします。

なお上記6月号は『こちら』にご登録頂くことにより、今からでも購読可能です(6月分のみチャージされます)。

4月、5月のバックナンバーも(それぞれ有料になりますが)購読可能です。

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2016年6月25日 (土)

Brexit の株式市場への影響

24日の終値。

フランスと日本の市場がともに前日比約8%下落。

英国や米国は約3%の下落でした。

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グラフの数字は対前日比の下落率(%)です。

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2016年6月23日 (木)

Brexit

「先週1週間欧州にいました」と言うと、多くの人から聞かれるのが「Brexit はどうなりますか」との質問。

私の答えは「正直、分からない」というものなのですが、ひとつだけ言えることがあります。

それは、Brexit がどうなるかの情報は欧州にいたほうが圧倒的に多く入手できるということです。

もちろん日本の新聞も刻一刻と情報を伝えてくれますし、欧州の新聞を日本で読むこともできます。

私は聞きに行ったわけではありませんが、本日、東京・汐留で行われたイアン・ブレマー氏の講演では、「イギリスのEUからの離脱は6割の確率で無いと考えている」と氏が発言したとの話も伝わってきます。

ネットでは例えばBloomberg には Brexit Watch Indicators なるページがあって(こちら)、ここには、Today’s Brexit Likelihood Score とか Brexit Poll Tracker なる情報も記載されています。

このように日本にいても情報は結構集められるのですが、それでも1週間欧州にいて感じたのは圧倒的な情報量の差です。

卑近な例では、ホテルで寝る前にテレビのチャンネルをひねると、Brexit に関する情報がじゃんじゃんと飛び込んできます。

例えばある日のCNNでは英国の漁村を回って漁師の人たちに次から次へとインタビュー。

彼らの口から出てくる発言は一様に「イギリスはEUから出ていくべきだ」というもの。

EUのもとでは規制が厳しすぎて、彼らがやりたい漁業が出来ないというのが、その理由のようなのですが、こういった切迫感ある話は日本にいるとなかなか伝わってきません。

いずれにせよ、いよいよ本日23日、英国で国民投票が行われます。

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2016年6月21日 (火)

ソフトバンクのアローラ氏、突然の退任

ソフトバンクのアローラ副社長、突然の退任(『こちら』)。

彼が持つソフトバンク株9.5百万株(『こちら』 の8頁);本日の終値で557億円相当)はいったいどうなるのだろう。

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     (上図は当社株主総会参考資料8頁)

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路上のコイン駐車と電気自動車の充電設備

欧州に出張し先週末帰りました。

日本の都会でよく見かける路上のコイン駐車。

これと電気自動車の充電設備とが一緒になり、路駐しながら充電できます。

(日本でも市役所や区役所など公共スペースでの充電設備は良く見られるようになりましたが)。

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共用の貸自転車は日本でも多くなりましたが、ここでは30分間無料。

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自転車道が整備されているところも比較的多く、この道路では右側(灰色)が車道、左側が歩道、まん中が自転車道です。

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2016年6月18日 (土)

アートの世界を極める投資家の眼力

日経ヴェリタスにほぼ月1回のペースで連載している「Money Never Sleeps」。

第13回が 明日発売の同紙に掲載されます。

ほぼ月1回のペースで連載しているものです。

こんな感じで始まります。

*  *  *  *

単なる偶然なのかもしれない。 

ファッション通販「ゾゾタウン」の前澤友作スタートトゥデイ社長(40)の財団が、クリスティーズのオークションでバスキアの絵画を落札した。 

このニュースが全世界を駆け巡った、まさにその時、私はクリスティーズ出身のアレクサンドレ・カレル氏(32)と六本木のグランドハイアットでコーヒーを飲みながら会話を楽しんでいた。 

「日本の投資家は現代アートの世界でも注目の的だ」  

スマホに送信されてきたこのニュースを私に見せながらアレクサンドレは投資家から見た現代アートの世界を語り始めた。  

彼は母国フランスで17歳のころから絵画の売買に携わり始めた。 

最初は100ドルといった少額のものが中心だった。 

絵画の売買をしていくうちに彼の名は次第に知れ渡るようになり、22歳の時にオークションハウスのクリスティーズに入社。 

現代アートのスペシャリストとして活躍し、クリスティーズ社内では、フランス現代美術部門のトップにまで昇りつめた。  

そして6年間クリスティーズで現代アートのオークション、買付け、プライベートセールスなどに携わった後で、2012年、スタンフォード大学のビジネススクールにやってきた。 

28歳の時だ。  

ビジネススクール卒業後、彼は起業し、今度は自分の事業として現代美術作品の買付けや販売を行なうようになった。 

得意分野は日本の現代美術、それも海外でGUTAI(具体)と呼ばれる吉原治良、白髪一雄、田中敦子らの作品だ。  

切っ掛けは今から11年前、2005年に東京で開かれたエスト・ウェストオークションズだった。 

21歳の若さでアレクサンドレはこのオークションに参加。 

彼がまだクリスティーズに入社する前のことだ。 

オークションには白髪一雄の「Ouka」と題する1988年の作品が出品されていた。 

アレクサンドレが70万円でビッドしてみたところ、なんと、ほかに誰もビッドする人がいない。 

幸運にも彼は現代日本美術を代表する著名作家の作品を破格の値段で落札することが出来た。 

ちなみに白髪のこの作品は、今では2億円は下らないだろうと言われている。

*  *  *  *

続きはヴェリタス紙面でお楽しみください。

それにしてもこのところ海外からの来客と会うことが多いのですが、若いにも係らず、みんな多彩な経験を積んでいて、頼もしく、かつ羨ましく思います。

アレクサンドレにしてもビジネススクールに入る前に6年間クリスティーズに勤務し、社内ではフランス現代美術部門のトップにまで昇りつめていました。

これだけの経歴を持っていると大学院入学選定過程における Admissions Officer へのアピール度も高いと思います。 

これに比べると、入社してから階段を一つ一つ登ることになる日本の大企業では、20代というと「若手社員」と一括りで形容されてしまいます。

人は大きな権限と責任を与えられることで成長していくことを考えると、はたして日本のシステムは若い才能が開花するのに適しているのかどうか。

才気溢れるアレクサンドレと話していてそんなことを考えてしまいました。

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2016年6月12日 (日)

自分の意思で広島に行きたい

日曜日にもかかわらず郵便ポストに届いていた封筒の中身は、明日発売の「PRESIDENT」誌でした。

実は先日同誌のインタビューに答えたので、編集者の方が掲載号を送ってくれたのでした。

パラパラと頁をめくってみると、門田隆将さんの一文が目に留まりました。

『「オバマ広島訪問」はなぜ感動を呼んだのか』と題する文です(雑誌14-15頁)。

以下、抜粋します。

『広島テレビ社長の三山秀明氏(69歳)が、この「オバマへの手紙」と、森重昭さんが発掘した米兵12名に関する英訳記事を携えてホワイトハウスを訪ねたのは、2014年5月のことである』 

『この時、広島側には、2つの戦略があった。1つは、2016年におこなわれる日本でのサミットを「広島」で開催してもらうこと、もう1つは、たとえ広島開催でなくても、サミット終了後、オバマ氏に広島を訪問してもらう、というものだ。 

しかし、ここでオバマ大統領の強い意思を広島側は知ることになる。 

「私は自分の意思で広島に行く。サミットという場が広島になることは望まない」 

これは、日本側にとって大きな驚きだった。サミットの開催都市として、いわば“強制的に”広島を訪れるのではなく、自らの意思で広島に行く―それこそがオバマ氏の願望であることを知るのである』

ぜひ雑誌で全文(といってもたった2頁ですが)をご覧になってみてください。

なお蛇足ですが、私のインタビュー記事は78-79頁に掲載されています。

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2016年6月11日 (土)

プライマリーディーラー

日銀が保有する国債の残高は300兆円を超える(『こちら』)。

日本経済がデフレから完全に脱却し成長軌道に乗れば、いずれ政府の債務も減っていくはずだ。

そうすれば、日銀保有の国債残高もやがては減少していくはず・・。

しかしこうした政府・日銀の「出口」に関する見通しは画餅ではないか。

であれば、むしろ日銀が保有する国債を、政府への「無利子・無期限の預け金」に切り替え、事実上、消却したらどうかとの案が出始めている。

例えば英国の元FSA長官、アデア・ターナー氏は、6月7日付の日経の経済教室に寄稿し、この種の施策を提案。

一定の枠組みのもとに規律ある消却を行うべきであり、さもないと「いずれは無節操なマネタイゼーションを実施することになる」と論じた。

こうした消却論には賛否両論があるだろう。

しかしそろそろ出口戦略を考え始めないといけない段階に来ていることは確かだ。

「黒田バズーカ第一号」が放たれたのが、2013年4月4日。

あれからもう3年以上も経過している。

その間、日銀が保有する国債残高は3.5倍に膨れ上がった。

リスクだけが増加して戦況は改善しないにも関わらず、出口を考えずに更に突っ込むというのは如何なものだろうか。

さて、そうした中で三菱UFJがプライマリーディーラーの資格を返上するとのニュースが入ってきた。

現在のマーケットでは銀行が落札した国債は、より高い価格で日銀に転売されることが多い。

であるから、なにも今すぐ資格返上する必要はないのかもしれない。

しかしこの三菱UFJの動きによって、黒田日銀が6~7月の金融政策決定会合でマイナス金利の「深堀り」を決定しづらくなることだけは確かだろう。

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2016年6月 5日 (日)

オレンジ郡への留学生たち

2週間ほど前ですが、「覚えているかい? その昔、グアテマラから来ていた留学生だよ」といったメールが来ました。

私が高校時代AFSで米国に留学した際、隣り町の高校にグアテマラから来ていた留学生がいました。

その彼(アーノルド)からのメールでした。

44年ぶりの、突然の連絡。

アーノルドはこう提案してきました。

「当時カリフォルニア州オレンジ郡の高校にAFSで留学に来ていた人たちで来年にでも同窓会をやろう」

私が通ったCorona del Mar ハイスクールには私を入れて4人のAFS留学生が来ていましたが、オレンジ郡全域へと範囲を広げると、かなりの数の留学生になります。

出身国だけを並べてみても:

(中南米) グアテマラ、エクアドル、ブラジル、コロンビア、アルゼンチン

(欧州) オーストリア、ベルギー、英国、スペイン、ドイツ

(アジア・太平洋) タイ、オーストラリア、日本(私)

(中近東) ヨルダン、イラン、レバノン

どうやって調べたのか、アーノルドはあっという間にこれらの留学生のコンタクト先を調べ上げ、メールリストを作成、企画は着実に進みつつあります。

それにしても44年という月日の間にはいろんなことがありました。

イランから来た留学生にとっては当時はまだパーレビ国王が支配していた時代でした。

イラン革命が起き、ホメイニーが亡命先のフランスから戻ったのは1979年のことです。

コロンビア、グアテマラなどでもこれまでに内戦があり、

レバノンでは現在でもヒスボラや親シリア、反シリアなどの諸勢力が争っている状況・・・。

フェイスブックで検索をかけてみると、彼らAFS留学生の中には母国から米国やカナダに移り住んでいる人たちが結構いました。

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2016年6月 1日 (水)

リーダーに必要なのは弱者の心の痛みを理解し、弱者に寄り添えること

広島のオバマ大統領を見て、8年前と7年前に書いた自分のブログ記事を改めて読み直してみました。

まず8年前。

【08年1月8日】

挫折を繰り返しながらも、夢を追い続けている方への一文です。

* * *

彼のミドル・ネームは、『フセイン』だ。

アメリカ人が好む名前ではない。

そして彼のラスト・ネームは、ビンラディンのファースト・ネームである『オサマ』と韻を踏む。

ケニヤから留学してきた黒人の父親とカンザス生まれの白人を母親に持つ彼は、外見的には父親の容姿を引き継いだ。

彼は幼い頃に図書館で見た『ライフ』誌の中に、自分の肌を脱ぎ捨てようとした黒人男性の写真を見つけ、衝撃を受けた。

図書館から自宅に戻り、洗面所に行き、鏡の前に立ってみた。

次第に彼は気がつき始める。

『アイ・スパイ』に出てくるビル・コスビーがいつも女の人に振られてしまうことや、『スパイ大作戦』の黒人男性がいつも地下で活動していることに。

学校で。

『あなたのお父さんはどこの部族の出身か知っている?』

という先生の問いにクラスの子供たちが笑った。

10歳の彼はやっとの思いで『ルオ族』と答える。

するとクラスの男の子がサルの鳴き声のような声で『ルオ、ルオ』と繰り返し、女の子は彼の髪の毛を触りたいと言い出した。

『君のお父さんは人を食べるのか』と聞いてきた子もいた。

彼が2歳の時、彼の父親は、彼と彼の母をアメリカに残し、ケニヤに帰っていった。(父親はその後再婚した)。

彼の母はその後インドネシア人と再婚し、彼が6歳の時、一家はインドネシアに移り住んだ。

彼は10歳になるまでインドネシア現地の学校に通った。

(その結果、彼は今でもまずまずのインドネシア語を話す。)

彼がまだ10代の頃、彼の二番目の(インドネシア人の)父親と母親は離婚してしまう。

そして彼が34歳の時に彼の母親は他界した。

彼の言葉だ。

『私は日々、自分の娘たちの中に、好奇心旺盛な母の姿や、母の喜びを見出している。 

母を失った悲しみが、今もどれほど深いかをここで述べることはしない。 

ただ分かっているのは母ほど心優しく、寛大な人を私は他に知らないということ、それから私の良いところはすべて母譲りだ、ということである。』  

『私はさまざまな弱者の絶望と混乱を目のあたりにしてきた。 

ジャカルタやナイロビのストリートで暮らす子どもたちは、シカゴのサウスサイドで暮らす子どもたちと同じように、将来への希望を失っている。』

2000年の下院選で惨敗した彼はこうも述べている。

『私は自分の選んだ道に疑念を抱き始めた。 

役者やスポーツ選手が直面するに違いない葛藤に見舞われたのだ。 

特別な夢を何年も追いかけ、ウェイターやウェイトレスをしながらオーディションを受けたり、マイナーリーグでどうにかヒットを打ってきたあと、ふと気がつく。 

才能や運がなければたどり着けない世界のまわりを、自分はただうろうろしているだけではないのかと。』

アイオワ州の民主党党員集会で圧倒的勝利を収めた彼はあと数時間でニューハンプシャー州の予備選結果を迎える。

バラク・フセイン・オバマ。

彼を大統領候補に選ぼうとしているアメリカという国の凄さに私は改めて驚愕する。

挫折を繰り返しながらも、夢を追い続けている方へ。

彼が書いた『マイ・ドリーム』と『合衆国再生』という本はどちらも勇気を与えてくれる本です。

* * *

次に7年前のブログです。

【09年2月3日】

以下は、ある講演会で日本の外務省の方が話されていたものです。

大統領選挙中のオバマ氏が地方でスピーチをしていた時の話。

オバマがイラク戦争の問題点を挙げ、自分が大統領になればイラクから撤退すると話していた時、聴衆の一人の婦人が思わず立ち上がって、涙を浮かべながら、こう訴えかけました。

『オバマさん、あなたは私の息子がイラクで犬死にしたと言うんですか。』

会場は静まり返り、しーんと凍りついたようになります。

はたしてオバマは何とコメントするのだろうか・・

すると、オバマは壇上から降りて、そのご婦人のところに歩み寄ります。

そして彼女を抱擁して、こう言います。

『I am proud of your son.』

ご婦人はオバマの腕の中でボロボロと涙を流し、泣き崩れました。

ハーバードのロー・スクールを優秀な成績で卒業した後、シカゴで社会奉仕活動をしていたオバマ。

シカゴに5年間住んだ私は、彼が活動したであろうシカゴの地区(貧困層が多く住む地区)を知っているだけに親近感が湧いてきます。

アメリカ人がオバマに期待するのは、彼が弱者の心の痛みを理解しているからです。

* * *

上の2つのブログ記事の間にリーマンショックが起きました(08年9月15日)。

オバマが大統領に就任した日(09年1月20日)のダウ平均株価は7,949ドル。

昨日ダウは17,787ドルとなり、2.23倍になりました。

米国経済は復活し、昨年12月の利上げに続き、いままた2度目の利上げが視野に入ってきました。

2011年12月14日には米軍がイラクから完全撤収しました(その後、ISが台頭するなど中東情勢の混乱は続きますが・・)。

キューバとの国交回復を果たすなど外交面でも一定の成果を上げました。

そしてオバマは広島を訪れた最初の大統領となりました。

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