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2016年9月29日 (木)

8年ぶりの減産合意

OPECによる「8年ぶりの減産合意」の割には、原油価格は5%程度の上昇で終わっています(昨日のWTI)。

Wti

      (過去2日間のWTI推移)

この程度の上昇で終わったのは、

(1)減産の中身が「現状の33.2million BPD から、32.5~33.0million BPD にする」という、ややマイルドな内容(詳しくは『こちら』)であったということ(BPDとは、barrels per day のことで日量換算のバーレルベース生産量)

(2)そしてそもそもOPECによる「世界の原油生産量に占めるシェア」が、ジリジリと低下傾向にあること

この2つの要因によると思われます。

10年前(2005年)、OPECは世界全体の原油生産量の42.9%を産出していました(このデータも含め、以下、数字はすべて『こちら』から取りました)。 

それが2015年は41.4%。

2015年の「世界の産油国トップ3」を見てみましょう(数字は千BPDです)。

1位 米国   12,704

2位 サウジ    12,014

3位 ロシア    10,980

この1年前、2014年の米国の産出量は11,723千BPDでした。

つまり 2015年の1年間で米国は 981千BPDほど増産したわけです。

今回のOPECの決定は、OPEC全体で700千BPD程度減産するというもの。

減産を機に油価が上昇しても、すぐに米国のシェールオイルが増産に入って減産分が帳消しにされてしまう、こんな展開が透けてみえます。

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