« 反グローバル主義で失うもの | トップページ | IoT (その2) »

2016年9月13日 (火)

IoT

昨晩は日経CNBCテレビ、日経ヴェリタストークに出演しました。

IoTについて。

IoTと言えば、アームを買収したソフトバンクのことが頭に浮かびます。

もしも私がM&Aアドバイザーだったならば、はたしてアーム買収をソフトバンクに提案したかどうか。

スマホ向けCPUの設計でシェア95%を誇るアームですが、アームはそもそも創業時、Acorn Computers、Apple、VLSI Technology の3社によるジョイント・ベンチャーの形を取っていました(『こちら』および『こちら』)。

アップルはアームの設立に係っていましたので、 iPhone や iPad 向けにアーム設計のCPUが提供されるのは当然と言えば当然。

ただソフトバンクがIoTでプラットフォーマーになることを目指すのであれば、スマホの先を見据えなければなりません。

自動運転などこれからますます機械は知能を持つようになりますが、例えば車載用半導体として現在市場で注目されているのはNVIDIA。

世界で80社の自動車メーカーに採用されていると言います。

NVIDIAの株価は今年の2月に比して2倍以上になりました(米国のナスダックに上場)。

今年の1月に発表された自律走行車向けの車載人工知能エンジン「Nvidia Drive PX 2」。

人の脳に近いプロセスを行うニューラールネットワークを用いたディープラーニング(いわゆる深層学習、機械学習)を特徴とし、1秒間に24兆回の演算を可能にしているといいます(『こちら』、なおこれはMacbook Pro150台分の演算性能に相当)。

もちろん「Drive PX 2」にはアーム設計のCPUも組み込まれているのですが(『こちら』、および 『こちら』)、コアの技術はGPU。

時代はCPUからGPU中心に変わると言う人もいます(まぁ、その中心がNVIDIA創業者のJen-Hsun Huang CEOなのですが・・)。

ということで、IoTということであれば、ソフトバンクはNVIDIAを買収しても面白かったかもしれません。

(もっとも現在のNVIDIAの時価総額が3.3兆円で、これはソフトバンクがアーム買収に際して支払った金額とほぼ同じ。

NVIDIAを買うのであれば、これにプレミアムを付けて買う必要があるので、買収金額はさらにその分、膨らみます)。

ところでiPhoneが登場する前のアームの最大顧客は任天堂でした(ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDS)。

NVIDIAの方もソニーのPLAYSTATION 3向けのプロセッサを開発する(2005年)など日本企業との接点を比較的強く持っていた会社です。

2000年代前半。この頃のアームやNVIDIAの成長を支えた(と言ったら言い過ぎかもしれませんが)のは、日本のゲーム機業界だったような気がします。

|

« 反グローバル主義で失うもの | トップページ | IoT (その2) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 反グローバル主義で失うもの | トップページ | IoT (その2) »