反グローバル主義で失うもの
『先進国の労働者にとっては、
ヒト、モノ、カネが国境を越えて移動するグローバリゼーションは、
他国からの低賃金労働者の流入を意味する
(仮に労働移動がなくとも低賃金労働の製品が輸入されることで
自分たちは外国にいる労働者との競争にさらされてしまう)。
実のところ彼ら先進国労働者は同時に消費者でもあるので、
良質なものを安価に買えるというメリットも享受するのだがこれは見えにくい。
外国人労働者によって自分の生活が脅かされるというデメリットのみを大きく感じてしまう』
以上は、本日発売の日経ヴェリタス紙に掲載されているコラム「Money Never Sleeps」の一文です。
今回取り上げたテーマは、先進国で進行する「反グローバリズム」。
ヒトやモノが海外と自由に行き交わなくなると、いったいどんなことになってしまうのか、そのことに警鐘を鳴らす意味合いを込めて書いています。
ところで、第15回目となるこのコラム、これまで出来るだけ世界各地の人たちの話をご紹介したいと考えて執筆してきました。
今回は、かつて米国での高校時代に一緒だったイランからの留学生ミミ(英語のニックネーム)を取り上げました(6月5日付のブログ(『こちら』)を参照)。
つい先日彼女から近況報告と題するメールを受け取ったのです。
彼女からの連絡は実に44年ぶりになるものでした。
『米国の高校を卒業した後、私はテヘランに戻り、現地の大学を出て結婚しました。
しかし1979年にイラン革命が起きるとイランにいられなくなりました。
私の父がパフラヴィー朝の皇帝(シャー)の下で軍の幹部を務めていたからです。
私たち家族は命からがら米国に逃げてきて、以来ずっと米国で暮らしています。
7年前のことですが、私は30年ぶりに祖国を訪れました。
テヘランの街はすっかり変わっていました。
革命政府は、通りの名前さえも変えてしまっていたからです』
ミミと私とはAFSという交換留学制度で米国に1年間留学した際に一緒でした。
アメリカン・フィールド・サービスと言われるこの組織の出発点は、第一次世界大戦中にパリにいた数人のアメリカ人によって組織された野戦衛生隊です。
戦争の悲惨さを目の当たりにした彼らは相互理解こそが平和に資すると信じ、高校生の交換留学制度を組織化したのです。
グローバリゼーションに問題がないわけではありません。
しかし、だからといって各国が孤立主義、分断主義的な政策を推し進めれば、他国に関する理解が希薄になり世界はより危険になってしまいます。
今回のコラム「Money Never Sleeps」は次の一文で結んでいます。
『ヒトやモノが海外と行き交う、その当たり前のことの大切さに世界の人たちが気づくことを願って止まない』
今回のコラムではミミのほかにも興味深い方が登場します。
今週の日経ヴェリタス紙で全文をご覧になって頂ければ幸いです。
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