日本が学ぶべきシリコンバレーの精神
ほぼ月に1回のペースで日経ヴェリタス紙に「Money Never Sleep」という名のコラムを書いています。
明日発売の日経ヴェリタスに掲載される「Money Never Sleep」のタイトルは、「日本が学ぶべきシリコンバレーの精神」。
シリコンバレーの日本人起業家の話です。
冒頭はこんな感じで始まります。
「シリコンバレーで起業する日本人が増えてきている。
そんな起業家の先駆けとも言える坂本明男さん(70)が日本に帰国した際に東京で会った。
坂本さんは1968年にNECに入社後、96年に退社して、シリコンバレーでホロンテック社(ネットワーク負荷分散装置の開発)を設立。
この会社はすぐに世界9ヶ国に拠点を有し、従業員数も200名を超えるようになった。
その後、2001年にはネット・マーケティング・ツールの開発を手掛けるオーラライン社を、
そして2002年にはデータベース・セキュリティ開発のアイピーロック社を立ち上げるといった具合に、
20年間にわたって次から次へと会社を創業し、成長させて、大企業などに売却してきた」
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坂本さんは現在、日米双方の複数の会社の役員を務めています。
シリコンバレーから車で40分ほど行ったところにある海辺の町アプトスと東京の双方に自宅を有し、1年の半分は日本、残り半分は米国といった生活を送っているとのことです。
(アプトスの海岸;From Wikipedia;By Prg - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=26165299)
そんな坂本さんの話には日本の我々にとってヒントになることがたくさんありました。
例えば(以下再びコラムからの引用):
「シリコンバレーの人たちは、これから先、2年から5年間で成功が見えない会社はさっさと諦めて、新しい会社を起こしたり、別な会社に入社したりする。
『自分がいま勤めている会社は成功できない』(持っているストックオプションの価値がなくなる)
―こう判断した場合には、新しい職場に移ることが当たり前で、それが出来ない人はいない。
もちろん逆に、会社が突然破産するとか、会社を首になることもある。
このため多くの人が必死に就職活動をするといった経験をしているが、『みんなそれをたいしたリスクとは思わない』と言う」
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実際に坂本さんと会って話したり、メールのやり取りをするだけでも、彼が大変なアイデアマンであることが分かります(日米合わせて50件ほどの特許を取得してきたとのことです)。
現在でも特許になる可能性の高い新製品のアイデアやビジネス・プロセスが浮かんでくるとのことで、次のように言います。
「日本人の多くは、調査会社で調べたらビジネスにならないと言われたとか、他の人に聞いたら、そのようなマーケットは存在しない、そんなの流行らないと言われたとか…。
自分の意思が弱すぎると思います。
私は、調査会社は自分が教育する。
他人に聞いて、10人中6人以上が面白いというアイデアはむしろ陳腐で遅すぎる。
10人中1人か2人しか面白いと言わないアイデアでも、世界中ではすでに20人くらいが同じアイデアを創造して、会社を起こすか、製品開発を始めようとしている。
こう考えて、私はこれまで会社を創業してきました」
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まだまだ興味深い話が多い(例えば捨てる経営とスピード経営について)のですが、ここでご紹介させて頂くのはコラム全体の半分くらいにさせてください。
全文については是非とも日経ヴェリタス(明日発売)の紙面にてご覧になって頂ければと思います。
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