NVIDIA (1年間で3.8倍になった株)
NVIDIAの名前は、かつてオンラインゲームをやっていた人には馴染みのある名前だと思います。
ゲームをPCで楽しむ人たちの間では、NVIDIAのGPU、グラフィックボードはよく知られた存在でした。
自動運転との関連で私が最初にNVIDIAの名前を意識したのは、今から3年前の2014年。
同社主催の「GTC(GPU Technology Conference) 2014」が3月24日~27日に米国カリフォルニア州サンノゼで行われ、デンソーの佐藤育郎氏と新原英樹氏がプレゼンを実施。
このときの模様が記事になりました(『こちら』)。
その後、自動運転車がラスベガスのCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)に登場(2015年1月、詳しくは『こちら』)、私もブログに書いたり、当時連載していた東洋経済の会社四季報オンラインに記事を寄せたりしていました。
そして1年後、つまり昨年(2016年)の1月になると、NVIDIAは、自律走行車向けの車載人工知能エンジン「Nvidia Drive PX 2」を発表(『こちら』)。
第一世代の「DRIVE PX」の次の世代となる「DRIVE PX 2」は、人の脳に近いプロセスを行うニューラールネットワークを用いたディープラーニング(深層学習と言われる機械学習)を特徴としていて、1秒間に24兆回の演算を実施。
これはMacbook Pro150台分の演算性能に相当するといいますが、これがランチボックスサイズの大きさに収まっているとのことでした。
これを知ってNVIDIA株の購入に走った人もいるかもしれませんが、実は株価はこのニュースにはさほど反応せず、従来と同じように 27ドル~30ドルのレベルを行き来していました。
株価が上がり始めるのは、2016年5月12日に第1四半期の業績発表(『こちら』)をした直後です。
このとき(5月12日終値)、35.57ドルを付けていた同社株価は翌日には40.98ドルで取引を終えました(1日で15%高)。
そして昨年11月10日には第3四半期の決算を発表(『こちら』)。
このときも決算の数字は株価を一日で15%ほど押し上げ、ニュースになりました(『こちら』)。
しかし、それから3ヶ月後の今年2月22日。
野村証券のアナリストRomit Shah氏がNVIDIAの株式について、買い(Buy)から売却(Reduce)に recommendationを変更(『こちら』)。
Romit Shah氏はプライス・ターゲットも100ドルから90ドルに落としました(『こちら』)。
NVIDIAの株価はこれによって下落しますが、昨年の5月と同様に今年も5月がやってきます。第1四半期の業績発表です。
5月9日、NVIDIAは業績を発表(『こちら』)。
このときの数字は1日で18%ほど株価を上昇させました(102.94→121.29)。
ちなみに昨日は136.00ドルで取引を終えています。
昨年5月12日は35.57ドルでしたので、約1年間でNVIDIAの株価は3.8倍になったことになります。
* * * * *
これらのことから言えることはどんなことでしょう。
【1】情報は出来るだけ早くキャッチする
【2】優れた製品も決算の数字に反映されなければ株価にも反映されにくい
【3】優れた製品は(「すぐに」とはいかなくとも、遅かれ早かれ)決算に反映される(のが一般的)
【4】アナリストの見解に踊らされない → その道のプロ、アナリストの意見は貴重であり、私は出来るだけ多くのアナリストのレポートを謙虚な気持ちで読むようにしています。しかしそれが正しいかどうかを判断するのはあくまでも自分です。
【5】株価が上がり過ぎたから買えないということはない → 昨年の9月12日、「いま注目している銘柄は?」とテレビで聞かれて、私はNVIDIAと答えました(『こちら』および『こちら』)。このときNVIDIAの株価は7ヶ月前に比して2倍の60.75ドルになっていましたが、いまでは更にその2倍以上になっています。
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