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2017年6月27日 (火)

ザッカーバーグのハーバード卒業式スピーチ

フェイスブックの創業者、マーク・ザッカ―バーグ(33歳)。

ハーバード大学を中退していますが、先般同大学に呼ばれ、卒業生たちを前に、雨のなかスピーチを行いました(2017年5月25日)。

若者らしく元気良く話し始めますが、スピーチの終りの方で不法移民の高校生の話をするところでは感極まってしまう場面も・・。

いずれにせよ内容の濃い、素晴らしいスピーチでした。

32分間の動画は『こちら』

スピーチ全文(英語)は『こちら』

日本語訳は『こちら』

                Mark_zuckerberg_em_setembro_de_2014

                        CC BY 2.0 Wikimedia Commons

分かりやすい英語ですので是非上記動画をご覧になってみてください。

以下、とくに印象に残ったところを一部抜粋します 【翻訳は基本的には上記日本語訳サイトに従いました(ただし一部修正したところがあります)。なお青字部分は読みやすくするために私が勝手に付けた小見出しです】。

* * *

【完全なアイデアなんてない。とにかくまず初めよ】

But let me tell you a secret: no one does when they begin. Ideas don't come out fully formed. They only become clear as you work on them. You just have to get started.

しかし、秘訣をお教えしましょう。誰もそれを始めたときは知らないんです。アイデアはいきなり完成形でやってきたりしない。それについて取り組んでいるうちにだんだんクリアになってくるんです。とにかくまずは始めなくては。

【失敗する自由】

An entrepreneurial culture thrives when it's easy to try lots of new ideas. Facebook wasn't the first thing I built. I also built games, chat systems, study tools and music players. I'm not alone.

起業家文化は、多くの新しいアイデアを簡単に試せるようになっている時に栄えます。フェイスブックは僕が最初に作ったプロジェクトではありません。僕はゲームも作ったし、チャットシステムも作ったし、スタディツールも、音楽プレイヤーも作りました。こういうのは僕だけの話じゃないです。

JK Rowling got rejected 12 times before publishing Harry Potter. Even Beyonce had to make hundreds of songs to get Halo.The greatest successes come from having the freedom to fail.

JKローリングはハリーポッターを出版できるまでに12回も断られました。ビヨンセですら!”Halo”を作るまでに何百曲と作ったんです。大きな成功は「失敗する自由」によって生まれます。

【緩衝材としての経済的余裕】

Look, I know a lot of entrepreneurs, and I don't know a single person who gave up on starting a business because they might not make enough money. But I know lots of people who haven't pursued dreams because they didn't have a cushion to fall back on if they failed.

僕は色んな起業家を見てきて、その仕事じゃあ十分稼げないだろうから始めなかったっていう人は一人も知りません。しかし、それが失敗した時に致命的なことにならないようにする緩衝材としての経済的余裕がないために夢を追うこと自体をそもそも諦めてしまう人は沢山見てきました。

【自由、開放 vs. 権威主義、孤立主義】

This is the struggle of our time. The forces of freedom, openness and global community against the forces of authoritarianism, isolationism and nationalism. Forces for the flow of knowledge, trade and immigration against those who would slow them down.

これは僕らの時代の課題です。自由と開かれたグローバルコミュニティに対する、権威主義や孤立主義、そして国家主義との争い。知と交易、移住する人の流れを促進していく力と、それをスローダウンさせようとする力とのぶつかりあい。

【不法移民の高校3年生の話】

One day after class I was talking to them about college, and one of my top students raised his hand and said he wasn't sure he could go because he's undocumented.

ある日授業の後で、僕は彼らに大学の話をしました。そして彼らのうち最も優秀な一人が手を上げて、自分は不法移民だから大学に行けるかどうかわからないと言いました。

Last year I took him out to breakfast for his birthday. I wanted to get him a present, so I asked him and he started talking about students he saw struggling and said "You know, I'd really just like a book on social justice."

去年僕は彼を誕生日に朝食に誘いました。何かプレゼントをあげたかったので何がいいか聞きました。そしたら彼は苦労している学生たちのことを話し始め、社会正義に関する本が欲しいかな・・・と言ったんです。

I was blown away. Here's a young guy who has every reason to be cynical. He didn't know if the country he calls home -- the only one he's known -- would deny him his dream of going to college. But he wasn't feeling sorry for himself. He wasn't even thinking of himself. He has a greater sense of purpose, and he's going to bring people along with him.

僕はびっくりました。彼は人生についてシニカルになってしまっても当然な状況にいるんですよ。彼のことを唯一知っている故郷であるまさにその国が、彼の大学への夢を断ってしまうかもしれない状況にいる。でも彼は自分を悲観したりしません。彼は自分のことを考えてすらいない。より大きな目的感の中で生きていて、人々を巻き込んで行くのでしょう。

But if a high school senior who doesn't know what the future holds can do his part to move the world forward, then we owe it to the world to do our part too.

しかし将来どうなるかも知らない高校三年生が世界を前に進めるために自分の責任を果たしているなら、我々にだって、我々の責任を果たすことでその世界に対して借りを返す義務があるのではないでしょうか?

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2017年6月25日 (日)

NPO法人

先週木曜日に私が理事を務める『NPO法人』の第3期通常社員総会があり、総会終了後、理事会が開催されました。

総会ではNPO法人設立時(2014年)から理事の任にあった6名と監事1名が全員再選され、今年度(第4期)の事業計画、予算など6件の議案もすべて承認されました。

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詳しくはウェブサイト(『こちら』)に記載されることになりますが、代表理事を務めるのは設立時より辻哲夫さん(元厚生労働事務次官)。

理事は辻さんのほか安本和正さん(熊谷総合病院理事)、福田惠一さん(慶應義塾大学医学部循環器内科教授)、川口健一さん(東京大学生産技術研究所教授)、小森杜喜子さん(ラジオNIKKEI医学番組プロデューサー)、そして私の6名。

監事は梅田明彦さん(元りそな銀行副頭取)。

先日のブログ(『こちら』)でも書きましたが、ビジネスの世界にいた人たちは For Profit の組織運営(経営)の経験はありますが、For Non-profit の組織での経験は通常ありません。

その意味で、これまで3年間このNPOとかかわるなかで、学ぶことがたくさんありました。これからも微力ながら鋭意がんばっていきたいと思います。

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2017年6月24日 (土)

UDトーク

今週水曜日(21日)の勉啓塾講師は、スマホ(およびiPadなど)で使われる音声入力アプリ「UDトーク」を開発した青木秀仁氏。

1976年生まれの青木秀仁氏は元ミュージシャンでプログラマーという経歴の持ち主。

音声認識技術に精通しシステム開発に関わり、いままで多数のアプリをリリースしてきました。

たとえば「声シャッター」。

音声認識機能を利用したハンズフリー撮影を楽しめるカメラアプリです。

「ハイ、チーズ」など任意のかけ声でシャッターが切れるので、セルフタイマー機能を使わずに集合写真を撮ったり、ペットの名前を呼んで撮影したりすることができます。

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さて今回の講演のトピックスとなった「UDトーク」。

これはひとことで言うと、スマホなどで使われる音声入力アプリ。

「iPhoneやグーグルの音声入力アプリとどう違うのか」といった声も聞こえてきそうです。

たしかにたとえばiPhoneにも音声入力機能があり(スマホを買った時から内蔵されている)、私もかつてこのブログで書いたように『最近著』の10~20%くらいは音声入力を使って本にしました(『こちら』を参照)。

しかしこれからは、私は「UDトーク」を使うようにすると思います。

というのも今回講演で青木さんの話を聞き、実際に両方(UDトークとiPhoneの音声入力)使ってみて分かったのですが、「UDトーク」の方が切れ味がいい(認識率が高い)・・。

それに単語登録機能などもついていて、使い勝手が良さそうです。

日本語で話したものをフランス語や中国語などで表示させることも可能です。

以下は日経新聞に掲載された「UDトーク」の紹介記事(『こちら』)の一部。

* * *

『「会議で聴覚障害者と健常者の意思疎通が楽になった」。

TOTO人財部のダイバーシティ推進グループの担当者はスマートフォン(スマホ)を見ながら笑みを浮かべる。

同社は1月、全国約20カ所の事業所や工場で約50人の聴覚障害者を対象にスマホ向け音声認識アプリ「UDトーク」を導入した。

高い認識率で会話を文章に変換できるため、障害者が議論に参加しやすい。

従来は健常者が議論の内容を筆記したり、パソコンで入力したりしていた』

* * *

「UDトーク」については、NHK Eテレの「ろうを生きる難聴を生きる」でも取り上げられています(2015年12月5日;『こちら』)。

以下は上記NHKのウェブサイトからの引用です。

* * *

『企業から国立大学、自治体など、様々な現場が利用し、注目を集めているアプリケーションがある。

人の声を認識し、文字に自動変換する、「音声認識アプリ」だ。

これまで議事録作成などに使われてきた技術を、聴覚障害者とのコミュニケーション支援に応用したもので、2年前に開発された。

アプリが入った、スマートフォンやタブレット端末に向かって話しかけると、その音声がリアルタイムで文字になり、画面に表示される。

認識率が大幅に向上した為、以前のような変換ミスが格段に減り、ストレスなく使える。

さらに、文字となった情報は複数の端末で同時に見られるので、大人数での会話も可能だ。

都内の企業では、聴覚障害のある社員のために、朝礼や会議などで活用。

これまでは同僚の手を借りて、書き起こしてもらっていたものが、瞬時に文字に代わり、かつ、聞こえる人と同じ情報を共有できるため、好評だ。

番組では、音声認識アプリを活用している現場を取材、その可能性を伝える』

* * *

「UDトーク」は法人が利用する際には月額2万4000円がかかりますが、個人は無料。

『こちら』にアプリのインストール方法が記されています。

パソコンやスマホのキーボード操作が面倒くさいという方は「UDトーク」を利用してみては如何でしょう(注:パソコンに入力させるにはスマホやiPadで音声入力したものをメールで送信するなどの方法があります)。

「UDトーク」には通訳・翻訳機能(他言語での表示機能)もついています。

2020年の東京オリンピックに向けて訪日外国人が増えている折、道を聞かれる機会、 レストランなどで隣りあわせる機会も増えています。  

そんなとき、このアプリを使って、楽しく、心通う「OMOTENASHI」ができる・・・。

そんな使い方も出来ます。

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2017年6月21日 (水)

MBS、皇太子に就任

サウジアラビアの若き実力者、31歳のムハンマド氏(現在のサルマン国王の息子)が副皇太子から昇格して、皇太子に就任(『こちら』)。

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  Mohammed bin Salman CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons

これまで皇太子だったナエフ氏(Mohammed bin Nayef)はその任を解かれ、内務大臣などの全ての役職も剥奪されたとのこと。

ムハンマド氏(Mohammed bin Salman)は頭文字をとってMBSとも称されてきました(『こちら』)。

カタールとの対立を強め、イエメン内戦にも介入するサウジ(『こちら』)。

中東情勢は混迷の度合いを深めます。

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2017年6月20日 (火)

定年後 年金前

2011年2月に出した『定年後 年金前』という本。

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発売後1ヶ月ほどで4刷まで刷られました。

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そして3月11日、東日本大震災が発生。

製紙工場も稼働停止になりました。

いずれにしても日本中がたいへんで本どころではありませんでした。

最近になって、どういうわけか、この本がまた売れ始めたとのことで、6年ぶりになりますが下記の通り本日の朝日新聞(2面)に広告が出ました。

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実は最近定年後に関する本がいろいろと出版され、現在チョットしたトレンドになっているといった事情もあるようです。

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2017年6月17日 (土)

ホールフーズ・マーケット

1978年、当時25歳のジョン・マッキーは大学を中退していて、何か自分でビジネスをしたいと考えていました。

彼は友達のレネ・ローソン(21歳)とともに、地元テキサスで、セイファーウェイという小さな店をオープンすることにしました。

当時米国ではセイフウェイ(Safeway)というスーパーが流行っていましたが、2人が考えたのはこれをもじって、セイファーウェイ(SaferWay)とするというもの。

Safe(安全)よりも、「もっと安全(Safer)」という意味合いを込めて作った自然食の小さな店でした。

家族や友達から4万5000ドル(約5百万円)を借りての開業でした。

2年後の1980年。

ジョンとレネの2人は クレッグ・ウェラーとマーク・スカイルズという別の2人組と出会い、自然食品の店をスーパー・マーケットの形式にしてみようと考えるようになります。

これがホールフーズ・マーケットの出発点。

いまでは北米と英国に465店舗を展開するに至っています。

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Whole Foods Market Headquarters in Downtown Austin From Wikimedia Commons

昨日アマゾンはこのホールフーズ・マーケットを137億ドル(1兆5000億円)で買収。

アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは、

「ホールフーズは最高の有機野菜やオーガニック食品を提供し、多くの消費者に支持されている」

(Millions of people love Whole Foods Market because they offer the best natural and organic foods)

とコメント。

株式市場もアマゾンの動きを評価し、アマゾン株は2.4%上昇。

ホールフーズ株の方はアマゾンによる買収価格にさや寄せされる形となって29.1%も上昇しました。

買収に際してアマゾンをアドバイスしたのはゴールドマンサックスです。

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2017年6月14日 (水)

誰にも悪気はなかった話

上杉周作さんの今年2月22日付のブログ、『シリコンバレーのエンジニアが語る、誰にも悪気はなかった話』

いきなり目次から始まります。

第一章: ヒーロー童貞

第二章: 1億ドルのご褒美

第三章: 10億ドルのご褒美

第四章: 民主党と共和党

第五章: 住民の集会と金持ちの集会

第六章: エイボン校

第七章: セントラル校

第八章: 学区長

第九章: 最終兵器

第十章: チャータースクールの光

第十一章: チャータースクールの闇

第十二章: 四面楚歌

第十三章: 反省会

第十四章: 地に足がついている取り組み

おわりに: 議論の質を上げよう

* * *

著者自身が

『有料にすることも考えたのですが、そうするとお金のない若い人ほど読まなくなってしまうので無料にしました』

と書いている(『こちら』)ように、これは有料であってもおかしくないし、1冊の本として出版されても買う人は結構いるように思います。

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       (Photo from Mr. Shu Uesugi's Blog)

読むのに1~2時間はかかりますが、

(1)アメリカの社会が抱える問題、

(2)アメリカでの教育改革への取り組み、

(3)寄附(効果的な寄附の方法)、

(4)日本の社会が抱える問題

などについて、関心ある方は、是非読んでみると良いと思います(『こちら』で全文をお読み頂けます)。

* * *

ブログの冒頭、East Palo Alto のことが出てきます。

スタンフォード大学のあるPalo Altoに隣接するこの町は、シリコンバレーに住んだことがある人なら恐らくは誰でも知っているであろう、「やや問題を抱えた」地区。

平均住宅価格(ZILLOW HOME VALUE INDEX)を見てみると Palo Alto は、2.5百万ドル(2億8000万円;『こちら』)。

対する East Palo Alto は、いまは0.76百万ドル(8300万円;『こちら』)ですが、5年ほど前は0.27百万ドル(3000万円;『こちら』)。

数年前までは East Palo Alto は治安もあまり良くない地区だったのです。

(上杉さんのブログにも出てきますが、2005年、フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグはEast Palo Alto のガソリンスタンドで酔っ払いに銃を突きつけられたのだとか・・)。

* * *

さて、このブログでは、マーク・ザッカーバーグが、East Palo Alto に1.2億ドル(132億円)の寄附をする話から始まります。

そして実はその数年前にザッカーバーグは東海岸ニュージャージー州Newark市に1億ドル(110億円)を寄附していたと、話が続いていきます。

そして、読むのに1時間以上はかかるであろう「このブログ」の主題(第2章~第13章)は、ザッカーバーグによる寄附をきっかけとして推進されることとなったNewark市での教育改革の話です。

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ブログの表題である『誰にも悪気はなかった話』とは、

(1)ザッカーバーグは110億円を投じ、Newark市に教育改革をもたらそう努力した、

(2)これに応えて、市長や州知事たちも、恵まれない子どもたちがきちんとした教育を受けられるようにと熱意を持って教育改革に取り組んだ

(3)にもかかわらず、結果として上手く行かずに(どちらかと言うと)失敗してしまった

という話です。

詳しく読んでいくと、どこに失敗の要因があったのか、なんとなく分かる気がするのですが、これ以上ここで述べるのは控えますので、是非ブログを読んでみてください(『こちら』)。

* * *

ところで話は変わりますが、2005年のことです。

スタンフォード大学のビジネス・スクール卒業後25周年の同窓会が開かれました。

卒業後5年ごとに大きな同窓会を開いてきているのですが、25周年はとくに大きなイベント。

28~30歳位で卒業した人が53~55歳になり、なかには引退する人も出てくるからです。

このときの同窓会のテーマは Giving Back。

そろそろ自分たちも社会に対して何か恩返しをしようと、出席者全員で話しました。

そして出来たのが、Project Redwood(『こちら』)。

同窓会で全員が一堂に会して話し合い、そのままその会がプロジェクト(日本流に言えばNPO法人)の発起人集会(設立総会)となりました。

そしてその会でクラスメートのなかから理事を決めて、プロジェクト(事業)がスタートしました。

それから5年後の2010年。

卒業30周年の同窓会の際に理事たちによる事業報告会が実施されました。

感心したのは、Project Redwoodが設立されるや否や、実際にお金を使い始める前に、理事たち(全員がクラスメートです)が手分けして、類似のNPO法人、財団(たしかカーネギー財団も含まれていたと記憶しています)などを訪問。

NPO法人運営に際しての留意点などのヒヤリングをかけたとのことです。

ビジネス・スクールの卒業生たちが辿ってきたそれまでのキャリアは、 For Profit の組織運営(経営)。

それとは全く違った For Non-profit の組織となると、どうやって運営したらいいか分からないことだらけになります。

だとしたら、すでにこの分野で実績のある組織を運営している人たちを訪ねて徹底的にヒヤリングをかけようとの発想でした。

その甲斐もあって、Project Redwoodは10年以上を経過しても順調に運営され続け、結果も出しているように思います(『こちら』)。

上杉さんのブログを読みながら、そんなことに思いを馳せました。

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2017年6月11日 (日)

空飛ぶドクター

昨晩は、AFS時代の同期坂本医師と一緒に食事をしました。

坂本医師は先々週からイタリアに行っていたとのこと。

帰国後、地元福岡には帰らずに、そのまま東京で学会に出席。

地元に帰る前の晩に私との食事に付き合ってくれました。

     Drsakamoto

坂本医師については、日経電子版「日経BizGate」の「私の道しるべ」が特集記事を組んでいますのでご覧になってみてください(『こちら』)。

以下は「日経BizGate」に載っていた坂本さんのコメント。

『「空気を読む」という言葉が嫌いです。

周りに迎合することが美徳とされているのは日本だけで、海外に出ると本当に多様な考えや感じ方があることに気がつきます。

若い人にはとにかく一度海外へ出てみてほしいですね。

いろんなギャップに驚きますが、それが楽しみでもあるんです』

なお坂本さんは、『医師と行く 諦めていた夢が叶う旅』という本の著者でもあります。

           Photo_2

「今年はほぼ毎月海外に出かけていくスケジュールになっている」という坂本さん。

イタリアにはとくに足繁く出かけているようで、すでに24回目になるとのことでした。

* * * * *

ところで先週は私もパリに行っていました。

行っている間に、ノートルダム大聖堂付近で警官襲撃事件が起きましたが、その前の週(3日)にもロンドンでテロが起きる(6人が死亡)など、ヨーロッパではいつ事件に巻き込まれても不思議でないような状況。

また今回パリに行って、改めて「移民が増えたな」と実感。

中心部はそれほどでもないのですが、帰国日、空港に向う際に通った地区ではヨーロッパというよりも、むしろ中東やアジアの街角といった感じのところもありました。

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2017年6月 4日 (日)

若い異才 すくい上げる仕組みを

本日の日経ヴェリタス『Money Never Sleep』のタイトルは、『若い異才 すくい上げる仕組みを』。

Gunosyの共同創業者、関喜史さん(29歳)と先日面談しました。

関さんいわく、

『私は現在「未踏ジュニア」プロジェクト(経産省後援)で、プログラミングが得意な17歳以下の子供たちに接しているが、日本には優秀な子供たちがたくさんいる。

こうした子供たちをすくい上げる仕組みが必要だと思う』

ちなみに「未踏ジュニア」については『こちら』をご覧ください。

以下は本日の『Money Never Sleep』の一部(全体の20%くらいです)。

全文については是非日経ヴェリタス紙をご覧ください。

* * *

『全ての科目をそつなくこなし協調性にも富む――。

そんな人材が社会に出て上層部を形成しているのがいまの日本だ。

コンピューターは専門部署に任せていると言う経営者も多い。

しかしこれからの時代、それでは取り残されてしまうだろう。

一つの分野に秀でていれば、たとえ他は至らなくても目をつぶる。

学校でも会社でもそういった意識改革が必要だ。

プログラミングの世界では有能な人のコードの生産性(プログラム・コードを書くスピード)は普通のプログラマーの100倍にもなるという。

そこでは旧来の生産性の概念はもはや通用しない。

理研のAIユニットは一部では「最後の希望」とささやかれる。

我々に残された時間はそんなに多くない。

日本の逆転を託せる人材を発掘し、育てる仕組みが必要だ』

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2017年6月 3日 (土)

David Einhorn vs. GM

David Einhornについてはリーマンショックやユーロ危機のときに、このブログに書いてきました(『こちら』『こちら』)。

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さて6月7日に行われるGMの株主総会。

これを目前にして、「David Einhorn vs. GM」 のプロキシー・ファイト(Proxy Fight;委任状争奪戦)がどうなるかが、現在米国のマスコミを騒がせています(たとえば『こちら』)。

David Einhorn の主張はどういったものなのか。

昨日Einhornは、Bloomberg TV の 『Bloomberg Daybreak: Americas』に出演して、インタビューに答えました(『こちら』)。

15分間の動画ですが、プロキシー・ファイトや種類株などについて興味ある方、GMやテスラの株価についてDavid Einhornがどう考えているかを知りたい方は、ご覧になってみると面白いと思います(インタビューは英語で、日本語の字幕はありませんが、分かりやすい英語です)。

David Einhorn は種類株の利点を、ソフトクリームのバニラ・チョコレート・スワールにたとえて説明します。

     Vc_4    

『バニラ(たとえば配当)の好きな人にはバニラを。

チョコレート(たとえばキャピタルゲイン)の好きな人にはチョコレートを。

株主に選択を与えよ。

スワールにして出すのではなく、株主に好きなようにミックスさせよ』

ひとことで言うと、こういうことなのでしょうが、種類株は成功する場合とそうでない場合とがあります。

選択の幅があり過ぎると分かりづらくなってしまうからです。

はたしてGMの株主はDavid Einhornの提案にどう答えるのか。

7日の総会が注目されます。

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