日銀によるETF購入
6月は何とか2万円台をキープした日経平均株価。
下は日銀によるETF(指数連動型上場投資信託受益権)の購入額を表にしたもの。
データの出所は日本銀行のウェブサイトの該当ページ(『こちら』)です。
表の右側は『設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF』の購入額。
その左隣はそれ以外のETFの購入額。
単位はすべて『億円』です。
日銀は年間6兆円のペースでETFを購入すると決めています(『こちら』)。
ですから先月の数字はこれに沿ったもの。
むしろ購入額の3,904億円は、6兆円÷12か月=5,000億円 よりは少ない数字。
ちなみに今年に入ってからの半年間(1~6月)のETF購入額は2兆9445億円で、年間購入額6兆円にほぼ沿ったペース。
日銀が積極的に日本株を買った結果、いまや日銀は17.1兆円もの日本株を保有(日経新聞6月24日)。
アドバンテストの16.6%、ファーストリティリングの15.0%の株式が日銀によって保有されています(日経新聞6月24日)。
現在も日銀が積極的に購入している長期国債の方は、日銀が購入を止めて、その後、何もしないでいれば(保有している国債が償還されていくことで)日銀による保有額は(徐々にですが)逓減していきます。
しかし株式は国債のように債券ではないので、償還というものがありません。
日銀が買ってしまった日本株は、たとえ日銀がこれから先ETFの購入を止めたとしても、ずっと日銀によって保有され続けます。
これを元の正常な姿に戻すには、保有している日本株を売るしかありません。
仮に毎年6兆円の規模で売り続けたとしても解消するには3年近くかかる計算。
日本の株式市場はあまりに歪な姿になってしまいました。
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