ホテル・リッツ
パリのリッツは、リッツ・カールトンのグループ・ホテルの1つと誤解されることが多いようですが、実は今ではまったくの別。
と言っても、源流は同じで、リッツ・パリは1898年にスイスのホテル経営者セザール・リッツらによって設立されました。
一方のリッツ・カールトンは、アルバート・ケラーが米国でのフランチャイズ権を購入することによって始められました(最初のホテルは1911年にニューヨークに設立)。
その後、両者は各々別の道筋を辿って現在に至っています。
現在パリのホテル・リッツはエジプトの実業家モハメド・アルファイドが所有(アルファイドの息子はダイアナ元英国皇太子妃とともに交通事故で亡くなっています)。
一方のリッツ・カールトンは現在ではマリオット・インターナショナルの一部になっています。
なぜこんなことを書いているかというと、日経の書評欄(8月12日付)で、ティラー・J・マッツェオがパリのリッツについて著した『ホテル・リッツ』の書評を読んだから。
これは仏文学者の野崎歓さんによるものでひじょうに興味深く読めました。
(アマゾンの書評欄の書評(『こちら』)もなかなか面白いです)。
ヘミングウェイ、チャーチル、ココ・シャネル・・・。
リッツを愛した人たちは数多く、それがゆえに1冊の本(それもノンフィクション)になってしまったということなのでしょうか・・・。
リッツには、一般のホテル(リッツ・カールトンを含む)で見られるロビーやコーヒーハウスは見当たりません。
このため宿泊客以外はほとんど入り込んできません。
お客さんには出来るだけアット・ホームな感じでくつろいで欲しいという配慮なのでしょう。
2012年、総額500億円という巨額な費用をかけて、リッツはリノベーションを実施しています(『こちら』)。
リノベーションは4年間という長期にわたり、この全期間、ホテルは完全に閉鎖していました。昨年6月にようやく改装を終えてオープンしています。
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