世界のミシュラン三ツ星レストランをほぼほぼ食べ尽くした男の過剰なグルメ紀行
『世界のミシュラン三ツ星レストランをほぼほぼ食べ尽くした男の過剰なグルメ紀行』。
長いタイトルの本を、製作にかかわった海風社西森純三さんに献本して頂きました。
ちなみに西森さんの名は本書のあとがきにも出てきます。
版元はKKベストセラーズ。
本の帯には、
『ボクはフツーのサラリーマン。でも、胃袋に落とし込んだ総額6000万円!』
とありますが、どうしてどうして。
とてもフツーのサラリーマンには思えません。
いちおう前書きには満員電車に乗って通勤しているサラリーマンと書いてはありますが。
なにせ著者が幼少の時に毎週日曜日に朝食を食べに行ったというおじいちゃんの家。
この家がタダモノではなくて、住所が白金今里町14番地。
そう、現在のシェラトン都ホテル東京がある場所で、ホテルの敷地全部がおじいちゃんの家でした。
しかもその家を設計したというのが、関西建築家の父と呼ばれる京都帝大教授武田五一とその教え子で国会議事堂の設計に関与した吉武東里の両氏。
邸内にあった茶室はその後、大田区に寄贈され、区内の池上梅園に移築され、聴雨庵になったのだとか・・。
まぁ、そういった家にでも生まれなければ、28年間もかけて世界中にあるミシュラン三ツ星レストランをほぼ制覇するなんてことに至らないのでは。
しかも著者の人がらなんでしょうね、本書を読むと、とくに肩ヒジ張ることもなく、すんなりと素直に著者がその世界に入っていったことが窺えます。
また、この本は単なるグルメ紹介本、食べ歩きの本ではなく、いろんな面白い話が散りばめられていて一気に読み進ませてくれます。
その昔、人気のグループサウンズ、タイガース(沢田研二がボーカル)のドラマー「瞳みのる」が、その後、アイドルをやめて高校の(なんと!)中国語の教師となり、当時高校生だった著者と交流を深めた話とか、ちょっといい話、読んで少しためになる話が随所に散見されます。
そんな著者だけが語れる『日本のミシュランは世界に比べるとおかしいぞ』という話。
本書の最後の方、218~232頁にかけて書かれているのですが、これは一読の価値があります。
いわく
『日本の三ツ星選びに、ミシュランの「哲学」が感じられない!』
『東京版をはじめとした、日本各地の「都市版」の三ツ星の基準は、世界基準ではない』
『日本の三ツ星の基準は、フランス本社の歴史あるミシュランと比較して、基準があまりにも甘く、なおかつ不明瞭』
『軽いと言ってもいい。文化も哲学もあまり感じられない』
詳しくは本書に書かれているので、ここではこれ以上は書きません。
それに文化とか哲学といっても分かりにくいかもしれません。
しかし世界のミシュラン三ツ星レストラン119軒のうち114軒までを制覇した著者のこの本のなかにこそ文化や料理哲学が感じられて、とても楽しい本でした。
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