ソフトバンク・ビジョン・ファンド
2016年の世界中のベンチャーキャピタル(VC)の投資総額は1077億ドル(『こちら』)。
ソフトバンクが今年5月に立ち上げたビジョン・ファンドの規模はこれにほぼ等しいものです。
つまりベンチャー投資の世界ではビジョン・ファンドのサイズは超巨大、まさに異次元のサイズです。
よって(これだけ大きいがゆえに)ビジョン・ファンドの投資対象はベンチャーだけに限ることは出来ません。
必然的に上場会社なども含むものにならざるをえなくなります。
ビジョンファンドへの出資者と出資額を見てみましょう。
ソフトバンクグループ 280億ドル
サウジ政府系ファンド 450億ドル
アブダビ政府系ファンド 150億ドル
アップル・クアルコム・ホンハイ・シャープ 50億ドル
以上で合計930億ドル(『こちら』及び週刊ダイヤモンド9月30日号)。
ファンドは会計上ソフトバンクグループの連結対象になります(実質支配基準;『こちら』及び週刊ダイヤモンド9月30日号)。
さて、11月6日の上半期決算発表でソフトバンクグループは営業利益8,748億円を今上半期に計上しました。
そして、このうち1,862億円をビジョン・ファンドの評価益としました(下図)。
5月に立ち上げて9月末まで、実質4ヶ月間強でこれだけの評価益を上げるとは驚異的ですが、主因はNVIDIA株への投資。
ファンド設立前にソフトバンクはNVIDIAに投資していて、これを5月の時点でビジョン・ファンドに移管。
投資額はNVIDIAの発行済み株数の4.9%(推定)に当たり、当時の時価で40億ドルと推測されました(『こちら』)。
その後NVIDIAの株価は、9月末までの間に29%上昇(5月24日 138.35ドル→ 9月29日178.65ドル)。
このNVIDIA株価の上昇がビジョン・ファンドに約1,300億円の評価益をもたらしたものと推定されます。
つまり1,862億円のビジョン・ファンド評価益のうち約1,300億円がNVIDIA関連というわけです。
それだけではありません。
NVIDIAは9月末以降も株価を上げ続け、先週末現在216.96ドル。
現時点でビジョン・ファンドの評価益はNVIDIAだけで約2,500億円に膨らんでいるものと推測されます。
孫さんの嗅覚には相変わらず恐るべきものがありますが、これから先、ラジーブ・ミスラ(SBインベストメント・アドバイザーズCEO)たちが同じように嗅覚を発揮できるかどうかがファンドの成否を左右させます。
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