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2018年1月14日 (日)

AWS

企業が新しいことを始めようとするとき、貴重な資源をそこに割いていいのだろうかという疑問が生じます。

「オンラインショッピングの海外展開を加速しなければならないのにエンジニアの採用が滞っているいま、なぜ、この事業を始めなければならないのか」

AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の構想がアマゾン取締役会に提出されたとき、取締役のジョン・ドーアはこう質問しました。

「この事業も必要だからだ」

というのがこのときのジェフ・ベゾスの答え(以上『ジェフ・ベゾス 果てしなき野望』103-104頁)。

このようにして始められたAWSですが、その後、爆発的な勢いで発展していきます。

AWSの対前年度で見た売り上げの伸び率は

2014年 49%

2015年 70%

2016年 55%

アマゾン全体の利益に対するAWSの利益の割合は

2014年 3.7倍(AWS以外の他部門合計は赤字だった)

2015年 83%

2016年 74%

ちなみに2017年の1~9月の9ヶ月で見ると、

2017年3/4  2.5倍(AWS以外の他部門合計は赤字だった)

この間のAWSの実績をグラフにしてみると:

Aws_2

                 (単位は百万ドル)

クラウド事業がここまで爆発的に成長し、アマゾンの収益の巨大な柱になるとは、これを始めた2006年には到底予想できなかったと思われます。

日本でも急速に発展していて、2013年に約2万社だった国内のAWS利用企業は現在十数万社。4年で5倍以上になったとのことです(『こちら』)。

これだけの勢いで急拡大するのはなぜか。

利用者サイドの視点で語ったものとして、みずほ銀行のシニアデジタルストラテジストの話が参考になります(『こちら』)。

それにしてもAWSの2016年のOperating Income 3,108百万ドルという数字。

IBM全体の2016年のIncome from continuing operations before income taxesが12,330百万ドルということを考えても、AWSがいかに大きくなっているかが分かるというもの。

2017年のAWSは9ヶ月で2,977百万ドルのOperating Income 。

仮にこのままの勢いで12か月が終わっているとすると、(2,977÷9)×12=3,969百万ドル。

あと3週間ほどで2017年の年度決算が発表されます。

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