消費者を習慣化させる
『アメリカの小売は厳しい競争にさらされている。
消費者を習慣化させないと勝てない』
昔そう語っていたのはシアーズのAT(Assistant Treasurer)。
20世紀初頭、シアーズはカタログ販売で多くの消費者の行動パターンを習慣化させ、さらに1970年代以降はアジアで生産したものをPB(Private Brand)にして売るといった垂直統合にも乗り出します。
カードビジネスを発展させ、金融業にも進出。
また民間企業として世界で初めて円建て外債(サムライ債)を発行(79年3月)するなど、一時は飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
しかし米国ではその後、ウォルマートが急成長するなどして、小売業界の覇者が入れ替わっていきました。
そしてネット時代の今。
アマゾンが業界の覇者に躍り出ています。
多くの消費者がアマゾンでクリックして買い物をすることを習慣化させてきています。
さらにこの会社の凄いところは、主業のオンラインショップでは研究開発や投資を積極的に行い、それがゆえにこの部門はいまだに赤字(最近時(2017年1~9月)の決算)。
会社全体としては、AWSというクラウド事業(『こちら』を参照)で収益をあげて黒字にしていますが・・。
これから先、研究開発や投資が実を結び、主業で収益を上げるようになると、いったいこの会社の全体収益はどういうことなるのでしょうか。
たとえばレジがない「アマゾンGO」のシステムを、昨年買収したホールフーズ・マーケットの473店舗に導入したらいったいどういうことになるのでしょうか・・。
といった具合に、次から次へと想像力をかきたてられます。
2月1日の決算発表を前にアナリストたちがアマゾンの目標株価を上方修正するようになってきました。
1月10日、Piper Jaffray の Mike Olson が1400ドルに改定
1月12日、SunTrust Robinson Humphrey の Youssef Squali が1400ドルに改定
1月25日、D.A. Davidson の Tom Forte が1800ドルに改定
こうした修正を受けて一昨日の株価は1年前に比して68%高の1406ドルになりました(after hour trade)。
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