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2018年2月26日 (月)

変化のスピード

NHKEテレの『人間ってナンだ?~超AI入門』。

昨年3月から12月まで特番も含め、14回にわたって放送されました。

番組で解説を務めた松尾豊先生が、ニュースウィッチ(日刊工業新聞)の取材に応じ、

『情報技術者のピーク年齢は20代。30代で円熟し、40代はマネジメントにまわる』

にもかかわらず、その20代を大切にせず

『日本企業では20代につまらない作業をさせている』

とコメント(『こちら』)。

* * *

変化のスピードはどんどん速くなっていて、モタモタしていると中高年だけでなく、30代、40代の人も、そして企業も、時代に置いていかれてしまいます。

先日雑誌社の記者の人がやってきました。

『30代、40代も危機感を持っています』

現在65歳の人が42歳の時に Windows 95 が世の中に出ました。

このときパソコンなんか関係ないと思っていた人は、その後の変化についていくのにたいへんな思いをしました。

いまもしそれと同じことが起こっているのだとしたら―こう思うと30代、40代の方が危機感を持つのも当然と言えば当然。

* * *

冬の初めにコートを買ったのですが、

『お客様カードを書いてください』

と依頼されました。

最近ではこの種のカードでは必ずといっていいほど、メールアドレスの記入も要求されます。

しかし変化のスピードは速く、仕事のやりとりはメールからメッセンジャー、LINEなどへと移ってきています。

つまりメールの方はだんだんと見なくなっている(少なくとも時間をかけては見ない)のです。

私の場合、30代のベンチャー企業社長とのやり取りはもっぱらメッセンジャー。

60代のオーナー企業社長とのやり取りはLINE(この社長は娘とLINEで連絡し合っているうちにこっちの方が便利になったと言っていました)。

もちろんメールにも引き続き重要な連絡が来ることも多いのですが、メールの問題点は先ほどのお客様カードの例でも明らかなように、どんどんとプロモーション・メールが増えてきてしまっている点。

人によって違うのでしょうが、入ってくるメールの95%以上は、プロモーションなどの「あまり見たくないメール」。

そこで会社や自宅に来るメールは、Gメールにも転送させてGメールでまず見る(プロモーション・メールはフィルターでソートアウトしてくれるし、グーグルが重要と判断したメールは記号で教えてくれる)、こうしたことを習慣にしているのですが・・・。

カーナビも(以前にこのブログで書いたのでここでは詳しく書きませんが)、買った車に備え付けられているカーナビよりも、グーグルマップの方が切れ味鋭く渋滞情報を知らせてくれるようになりました。ですので、備え付けのカーナビはあまり見なくなりました。

ネットにつなぐブラウザも5~6年前からでしょうか、IEではなくてクローム。

アップルウォッチにスイカを入れたので、財布の小銭を使うことも格段に減りました。

* * *

時代の変化に流されないことも重要ですが、ダイナソー(Dinosaur)のようにはなりたくない・・と、まぁ、私なりのささやかな抵抗です。

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2018年2月17日 (土)

スマートシティへの競争

「日本人は、赤信号だと車が来なくても道路を横断しない」

こう語ったのはかつてサッカー日本代表の監督を務めたフィリップ・トルシエ。

しかしこれからの時代は、車が来ないのに赤信号で人間が待たされるのが、「そもそもおかしい!」ということになっていきます。

いまから2年以上も前ですが、2015年12月、アメリカ合衆国政府の運輸省は、Smart City Challenge を発表(『こちら』)。

全米の都市に「スマート・トランスポテーション・シティ」(賢い交通システムを持つ街)のアイデアを出させ、コンペ形式にして、優勝者には運輸省が40億円を与えるというものでした(1ドル=100円で計算)。

全米78の都市がこれに応募し、次の7都市がファイナリスト(最終候補)に選ばれました(『こちら』 のサイトに行くと、各都市のFinal Application がダウンロードできます)。

Austin

Columbus

Denver

Kansas City

Pittsburgh

Portland

San Francisco

アメリカらしいのは、政府のこうしたイニシアティブ(先導力)を受け、各都市が独自に民間ベース及びパブリック(州や自治体)ベースの資金を別途500億円ほど調達、スマートシティ実現に向けての動きが一気に加速し始めました(『こちら』)。

つまり連邦政府の政策が呼び水的な役割をはたしたのです。

コンペの結果は最終候補の7都市のうち、コロンバスに優勝が決まりました(2017年1月;『こちら』)。

コロンバスは合衆国政府からの40億円とマイクロソフト創業者の1人ポール・アレンの会社(バルカン社)からの10億円を得て、スマートシティの構築を進めると発表(『こちら』)。

ポール・アレンの会社が入ってくるというのもアメリカらしいですね。

さてこうしたスマートシティですが、スマート・トランスポテーション・シティで終わるものではありません。

カンザスシティ(Finalist に選ばれた7都市の一つ)が運輸省のSmart City Challenge Grant に応募した時のビデオ・プレゼンテーションが『こちら』ですが、これを見るとスマート・トランスポテーション・シティを超えたものを目指したいとの意気込みが感じられます(動画は英語ですがたったの3分間です)。

アメリカの都市には治安の良くない地域もあります。

このため現在、全米約90の都市では、拳銃の発砲があると、街に設置された機械がその音を探知して、即座に警察に通報が行くシステムが採用されています(『こちら』)。

カンザスシティ(KC)の上記の動画にも

82% of national shot spotter technology is deployed in KC

といった宣伝文句が出てきますが、これについては、いったいなんとコメントしていいのやら・・。

なおスマートシティの取り組みは中国でも進んでいます。

今年1月、アリババは人口3000万人の重慶市と協定を結び、AIを公共交通網の設計と管理に生かし、都市における交通渋滞を緩和、クラウドコンピューティング、IoTを進める計画を発表(『こちら』)。

アリババは河北省雄安新区、マカオなどでもスマートシティ・プロジェクトを進めています。

再び北米大陸に目を転じると、カナダのトロント。

ここでは、グーグルの子会社Sidewalk Labsがウォーターフロント地区の街づくりを開始しています(『こちら』で3分53秒の動画をご覧になれます)。

このようにスマートシティへの取り組みは世界各地で進展していますが、その行きつく先が政府による監視社会になってしまうと、人々の幸せには結び付きません。

監視するのが政府でなかったとしても、エマ・ワトソン主演の映画『サークル』のような社会もまっぴらごめん。

カンザスシティのジェームス市長はこんな言葉を残しています(『こちら』)。

“Every approach that we are taking is for one, single purpose, and that is to enhance the lives of the people who live in our city. This isn’t about technology. It’s not about streets; it’s about people. And everything that we’ve done, and everything that we've targeted will have an impact on the lives of people in our community.”

(これまでの私たちの取り組みはすべて、たったひとつの目的のためです。つまりそれはこの都市に住む人々の生活を向上させるということです。これはテクノロジーに関するものではありません。それは街の通りに関するものでもない。すべてが人々に関するものなのです。私たちがやってきたこと、そして私たちが目標としてきたことはすべて、私たちの地域社会の人々の生活に影響を与えるものなのです)

なお話は少しそれますが、5G(次世代移動通信)が普及するようになると、こんな世界になるという『この記事』も面白いものでした。

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2018年2月 4日 (日)

2009年からのお付き合い

フェイスブックを使い始めたのはいつからだろう、と思って調べましたら、2009年7月25日でした。

もう9年近くになります。

(注記:自分の開始日に興味のある方は『こちら』の記事に調べ方が載っています)。

現在22億人(Monthly Active Users)が使っているというフェイスブック。

世界の人口(赤ん坊や老人を含めて)が76億人ですから、フェイスブックはその約3割をカバーしていることになります。

日本では30代の44%がユーザー(『こちら』)。

そのフェイスブックの北米でのDAU(Daily Active Users)がわずかながら減りました。

Fb_3

 (上図の出所はフェイスブック社の決算説明資料より(『こちら』))

もっともこの数字はフェイスブック単独の数字。

フェイスブック社が提供している他のサービス、つまりインスタやワッツアップ、オキュラスを含まない数字です。

とくにインスタはDAUがすでに5億人を超え、わずか5ヶ月間で2.5倍になるといった勢いで成長しています(17年4月2億人→同年9月5億人『こちら』)。

しかもインスタの広告はユーザーの滞在時間も長い(よって広告効果が高い)と言われています。

さらにワッツアップに至っては現状まったく広告が載っていない(少なくとも私が使っているのには一切広告が出てこない)。つまりフェイスブック社としてまだマネタイズ(収益化)していないというわけです。

ということで、フェイスブックの会社としてのポテンシャルはまだまだ高いと思われます。

日本では若い人たちのフェイスブック離れ(『こちら』)と言われて久しいのですが、離れて逃げて行った先がインスタだとすると・・・。

なんのことはない、しっかりと「フェイスブック社」という大きな器のなかに収まっています。

いわば器の中で右から左に動いただけ。

フェイスブック社の「お客さん」であり続けているというわけです。

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