試行錯誤
『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』を読むと、アマゾンはいろいろなことを試しながら、ときには失敗もして、大きくなってきたことが分かります。
今ではアマゾン最大の収益の柱となったクラウド・サービス(AWS)。
本からは、AWSもこうした試行錯誤の過程を経て、巨大な事業へと育っていったことが窺われます。
* * * *
本には書かれてありませんが、例えば、旅行代理店事業のケースを見てみましょう。
2001年、アマゾンは オンライン旅行代理店業務(OTA;Online Travel Agent)のExpedia とチームを組み、さらに 2006年には同じくOTA(Online Travel Agent)のSidestepとアライアンスを締結。
ちなみにこの2つの提携はいずれも上手く行きませんでした。
そこで、2015年4月。
アマゾンは単独でOTA(Online Travel Agent)事業に進出すべく、「Amazon Destinations」を設立。
旅行代理店としての一歩を踏み出します。
しかし半年後の10月には、この事業から撤退してしまいました(『こちら』)。
Expedia などの OTA 専業相手に、勝ち抜いていくだけの力が備わっていなかったのかもしれません。
まぁ、これは恐らくは上手く行かなかった方の事例なのでしょうが、いずれにしてもアマゾンは trial and error を繰り返し、失敗の経験さえも次の事業展開の際に活かして成長してきたのです。
* * * *
さて、現在アマゾンは日本で貸金業登録をしていて、「Amazon Lending」と呼ばれる小規模、短期の融資サービスを、Amazonマーケットプレイスに参加している法人販売事業者を対象に提供しています(『こちら』)。
アマゾンは、このように今では銀行に近い領域にも進出し、さらにはこれから先、「アマゾンは保険の分野にも関心を持っているのではないか」、と考える人も出てきています(『こちら』)。
* * * *
書店から始まり、ついには高級車のBMWさえも売るようになったアマゾン(『こちら』)。
これからも成功・失敗の試行錯誤を繰り返しながら、
本 → モノ → サービス
と事業領域を拡大していくものと思われます。
| 固定リンク
コメント