鉄は国家なり
『鉄は国家なり』。
これは、かつてNHKが放送していた「その時歴史が動いた」の第278回のタイトル。
2007年のことです。
さて・・・
『一国に製鉄業がなければ、それはもはや国じゃない』(原文は:IF YOU DON’T HAVE STEEL, YOU DON’T HAVE A COUNTRY!)
こう昨日ツイートしたのは、米国のドナルド・トランプ大統領。
『こちら』が、そのツイートです。
その結果、何が起きたのかというと、アメリカの株、とくに自動車株が下がりました。
2週間ほど前ですが、2月16日。
このときに
『ウィルバー・ロス商務長官が鉄とアルミに関税を課すことを提案する』
との話が伝わると、株式取引時間中にGMやフォードの株が下落を開始しました(下図)。
(グラフの出所はブルームバーグ、『こちら』の記事)
結局、この時から昨日までに、株価は次のように下がりました。
GM 42.2→37.4 (▲8.90%)
Ford 10.8→10.4 (▲0.96%)
Fiat Chrysler 22.6→20.0 (▲0.88%)
(注:GMの下げがきついのはバフェットやヘッジファンドのデイビッド・アインホーンが売却しているとのニュースもこの間に伝わったため)
関税によって米国に入ってくる鉄やアルミの価格が高くなれば、自動車製造コストの上昇に繋がります。
関税によって守られる業界と、逆に厳しいことになる業界・・・。
米国の経済界や働く人々の反応は割れていますが、ネガティブな意見の人の方が多いようです。
『米国の鉄鋼業界などに勤めるのは20万人の人たち。
対して自動車業界など負の影響を受けるのは、650万人の労働者たち。
米国の労働者にとって決してプラスになる政策ではない』
といった反応とか、(上記の数字とは違いますが)
『マイナスの影響を受けることになる鉄を「消費する」業界に勤める人たちの数は、鉄を「供給する」側の人たちの16倍もいる』
といった反応です。
選挙のときに投票することになる有権者の数が重要なのか、それとも、鉄は国家なりとのビスマルク時代からの価値観が優先するのか・・・
トランプの昨日のツイート、
IF YOU DON’T HAVE STEEL, YOU DON’T HAVE A COUNTRY!
に続くのは、いったいどんなツイートなのでしょうか。
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