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2018年3月 3日 (土)

鉄は国家なり

『鉄は国家なり』。

これは、かつてNHKが放送していた「その時歴史が動いた」の第278回のタイトル。

2007年のことです。

さて・・・

『一国に製鉄業がなければ、それはもはや国じゃない』(原文は:IF YOU DON’T HAVE STEEL, YOU DON’T HAVE A COUNTRY!)

こう昨日ツイートしたのは、米国のドナルド・トランプ大統領。

『こちら』が、そのツイートです。

その結果、何が起きたのかというと、アメリカの株、とくに自動車株が下がりました。

2週間ほど前ですが、2月16日。

このときに

『ウィルバー・ロス商務長官が鉄とアルミに関税を課すことを提案する』

との話が伝わると、株式取引時間中にGMやフォードの株が下落を開始しました(下図)。

Ford_gm_2

(グラフの出所はブルームバーグ、『こちら』の記事)

結局、この時から昨日までに、株価は次のように下がりました。

GM  42.2→37.4 (▲8.90%)

Ford 10.8→10.4 (▲0.96%)

Fiat Chrysler 22.6→20.0 (▲0.88%)

(注:GMの下げがきついのはバフェットやヘッジファンドのデイビッド・アインホーンが売却しているとのニュースもこの間に伝わったため)

関税によって米国に入ってくる鉄やアルミの価格が高くなれば、自動車製造コストの上昇に繋がります。

関税によって守られる業界と、逆に厳しいことになる業界・・・。

米国の経済界や働く人々の反応は割れていますが、ネガティブな意見の人の方が多いようです。

『米国の鉄鋼業界などに勤めるのは20万人の人たち。

対して自動車業界など負の影響を受けるのは、650万人の労働者たち。

米国の労働者にとって決してプラスになる政策ではない』

といった反応とか、(上記の数字とは違いますが)

『マイナスの影響を受けることになる鉄を「消費する」業界に勤める人たちの数は、鉄を「供給する」側の人たちの16倍もいる』

といった反応です。

選挙のときに投票することになる有権者の数が重要なのか、それとも、鉄は国家なりとのビスマルク時代からの価値観が優先するのか・・・

トランプの昨日のツイート、 

IF YOU DON’T HAVE STEEL, YOU DON’T HAVE A COUNTRY!

に続くのは、いったいどんなツイートなのでしょうか。

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