日本が学ぶべきシリコンバレーの精神
昨年の3月ですが、『日本が学ぶべきシリコンバレーの精神』と題するコラムを日経ヴェリタス紙のコラムに載せました。
以下、その一部を再掲します。
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『シリコンバレーで起業 する日本人が増えてきている。
そんな起業家の先駆けとも言える坂本明男 さん(70)が日本に帰国 した際に東京で会った。
坂本さんは1968年にNECに入社後、 96年に退社して、シリコンバレーでホロ ンテック社(ネットワーク負荷分散装置 の開発)を設立。
この会社はすぐに世界 9ヶ国に拠点を有し、従業員数も200名 を超えるようになった。
その後、2001年にはネットマーケティング・ツールの開発を手掛けるオーラライン社を、そして 2002年にはデータベース・セキュリティ開発のアイピーロックス社を立ち上げるといった具合に、20年間にわたって次から 次へと会社を創業し、成長させて、大企業などに売却してきた。
現在は日米双方の複数の会社の役員を務め、シリコンバレーから車で40分ほどのところの海辺の町、アプトスと東京の双方に自宅を持つ。
1年の半分は日本、残り半分は米国といった生活を送る』
『シリコンバレーの人たちは、これから先、2年から5年間で成功が見えない会社はさっさと諦めて、新しい会社を起こしたり、別な会社に入社したりする。
「自分がいま勤めている会社は成功できない」(持っているストックオプシ ョンの価値がなくなる)──こう判断し た場合には、新しい職場に移ることが当 たり前で、それができない人はいない。
もちろん逆に会社が突然破産すると か、会社を首になることもある。
このため多くの人が必死に就職活動をするといった経験をしているが、「みんなそれをたいしたリスクとは思わない」と言う』
『坂本さんによれば起業家に必要なのは、自分のアイデアは絶対に世界を動かせるという強い信念と、何があっても前に進めるという強固な意志だという。
「それにしても日本の大企業経営者は 捨てることができない。顕著な例が、機能が多すぎて不要なボタンがたくさんあ る製品群。
顧客候補へのアプローチも同様でB to Bのビジネスで1、2回セー ルスに行けば買ってくれる客かどうか分 かるはず。
私は2回ミーティングを持って、脈なしとあれば、アプローチをやめてきた。
会社経営には拾うことよりも捨てることのほうが重要です」
捨てることでスピードが加速される。
働く人が成功の見込みのない会社を諦め、
他に移ったり自ら起業したりするのも、ある種、捨てることに通じる。
日本がシリコンバレーから学べることはたくさんあるように思えてきた』
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さてそんな坂本さんが本を出しました。
シリコンバレー流の仕事術が書かれていて、面白くてあっという間に読めてしまう本です。
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