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2018年11月 8日 (木)

エンターテインメント業界の今後(その3)

中間選挙では全米50州のうち38州で、州知事も選ばれます。

クラスメートのダッグ(ノースダコタ)はどうだったのかな、と思って見てみたら、彼は非改選組でした。

南隣のサウスダコタではクリスティ・ノームが同州初の女性知事に選ばれました。

父親はカウボーイ、彼女も牧場の仕事をしていたとかで(『こちら』)・・・。

やはりアメリカは広いですね。

南北ダコタなどの山岳諸州(The Mountain States) は、シリコンバレーや、ニューヨーク、そして私が5年間住んだ中西部とも、またちょっと違う感じがします。

さて、ビル・グッテンタグ氏の講演、その3です。

(1)Facebookが抱える問題

ロシア疑惑などで露呈したが、Facebookが抱える問題は深刻だ。

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NY Times が『シリコンバレーはあなたの友だちではない(Silicon Valley Is Not Your Friend)』と題する記事を書いたが、

成長すること、それ自体が目的化してしまっていて、成長の結果、テクノロジーが世界に何をもたらすかといった視点が忘れられてしまっている(Growth becomes the overriding motivation — something treasured for its own sake, not for anything it brings to the world)。

(2)GAFAはどこもエンターテインメントに注力している

グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンはいずれもエンターテイメントの分野に巨額の投資をしている。

しかしこの業界の面白いところは、money はもちろん重要だが、money が必ずしも success を意味しないところにある。

(3)エンターテイメントの世界ではOTTがますます重要になっている

OTTとは、Over-the-top media services のことで、Amazon Video (Amazon Prime)、Hulu、Netflix、Sky Go、Now TV などネットを通じた配信サービス(通常サブスクリプション方式)。

OTTは他方式に比べ、データマイニングが容易にできる。

(4)ハリウッドは基本的に risk-aversion だ(リスクを回避する傾向にある)

ヒット作の続編を作りたいと言って、拒絶されることはほとんど無い(always green-lighting sequels)

「スター・ウォーズ」、「スター・トレック」、「X-MEN」などのフランチャイズ映画は、テントポール映画(テントポールは「テントの支柱」という意味)とも呼ばれ、スタジオの屋台骨を支えている。

(5)映画製作ビジネスは巨費を使うようになっている

break-even するには、5億ドル(560億円)の収入が必要

(6)海外で収入を上げることが、映画ビジネスにとって重要になってきている

米国の市場は伸び悩み。

勢いよく伸びているのはアジア。とりわけ中国。

市場規模は現状1位が米国、2位中国、3位日本。

いずれ中国が米国を抜く。

ハリウッドは中国市場を完全に意識して映画を製作。

その結果、中国政府が好まないものは作らない。

つまりSelf-censorship(自己検閲)が行われてしまっている。

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