Quantitative Tightening
先週末からのニューヨークの話題は、FRBが現在行っている量的引き締め(Quantitative Tightening)について何らかの変更が示唆されるのかどうか。
量的引き締め(Quantitative Tightening)とは、以前行われていたQuantitative Easing (QE)とは真逆の政策。
中央銀行であるFRBが自らの資産規模を縮小させることで金融引き締めを狙うものです。
量的引き締め(Quantitative Tightening)に似たような言葉で、Quantitative Easing Tapering (テーパリング;量的緩和の縮小)というものがありましたが、
Quantitative Easing Tapering (テーパリング;量的緩和の縮小)が資産増加規模を縮小させる(増加のペースを縮小させる)政策なのに対して、
量的引き締め(Quantitative Tightening)は、FRBの資産規模そのものを縮小させます。
具体的には、FRBが保有している国債、住宅ローン担保証券などが償還を迎えると、FRBはこれらの償還によって得た現金で同額の国債や債券を購入することはせずに、残高を「減るがままに」させます。
こうすることで、FRBの資産を徐々に減らしていく政策です。
FRBのサイト(『こちら』)に行くと、この辺、グラフで分かりやすく説明してくれています(ちなみに日本銀行もこのようなグラフをサイト内に作ってくれるとありがたいのですが・・)。
このグラフを再現したものが下図。
2017年10月から資産を縮小(4.5兆ドル→4.0兆ドル)させてきているのが分かります。
結果、市場に出回るマネーが5,000億ドル(55兆円)も減っていきますので、それなりの金融引き締め効果があったことが分かります。
この量的引き締め(Quantitative Tightening)について、『FRBが想定より早く打ち止めにして資産規模を高めに保つことも視野に議論している』と報じられました(先週金曜日、ウォールストリートジャーナル紙)。
はたしていったい、その通りになるのかどうか。
注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、今週火曜から水曜日にかけて開かれます。
こうした米国の情勢を見るにつけ、つい日本のことに目が行ってしまいます。
日本は、量的引き締め(Quantitative Tightening)とは全く無縁で、日銀による国債保有残高は着実に増加してきており、とうとう462兆円を超えるに至っています(『こちら』)。
FRBの資産残高(4.0兆ドル)を完全に抜き去っています。