NVIDIAという名の米国の半導体メーカー。
自動運転とかビットコインとか、何かと話題になることが多く、私もこれまで何度かブログに書いてきました(たとえば『こちら』)。
そのNVIDIAですが、昨年9月末より株価が下落基調に転じ、とうとう12月のクリスマスイブには、ピーク時の半値以下になりました(292ドル→124ドル)。
現在は少し持ち直して159ドル。
そもそもなぜこんなに下がってしまったのでしょうか。
以前にも書きましたが、理由の一つはビットコイン価格の下落です。
ビットコインの採掘者、いわゆるマイナー(mining をする人)たちは、NVIDIAのGPUを搭載した高性能コンピューターを大量に使っていました。
しかしビットコインの相場が大幅に低落。
これではマイニング業務はもはやペイしない(採算に合わない)とばかり、彼らはマイニングを諦め、使っていたNVIDIAのGPUを中古市場で売りに出しました。
もう一つの理由はソフトバンクグループ「ヴィジョンファンド」による売却でしょう。
ヴィジョンファンドがNVIDIA株を買い集めたのは、今から約2年前の2017年5月(『こちら』)。
それも半端ない株数で、総額40億ドル(約4500億円)を投入。
瞬く間に、第4位の大株主(保有比率4.9%)に浮上しました(『こちら』)。
それが一転、昨年後半には売りに転じ、オプション取引(キャップとフロアを組み合わせたcollar 取引)を駆使して、年末までに全株を売却してしまいました(『こちら』)。
当然のことながら、これはNVIDIAの株価にとって相当の下押し要因となりました。
このように孫さんに見限られた形のNVIDIAですが、私はまだ持ち続けています。
ヴィジョンファンドのようなファンドは、裏にファンドに出資してくれている投資家がいるので、一定期間内にリターンを上げなければなりません。
これに対して、個人投資家には時間的制約がありません(もちろん人によって違いはあるのでしょうが)。
購入単価も違います。
私がNVIDIA株を買ったのはこの株について最初にブログに書いたころ。
つまり2016年8月~9月なので、ソフトバンクグループのヴィジョンファンドよりも約8か月も前でした。
この結果、購入単価は60ドル前後と、ソフトバンクグループがNVIDIAを購入した単価105ドルよりもかなり低い値段で購入できています。
したがって、もう少し落ち着いた形で持っていられます。
と言っても、NVIDIAのいる業界は、食うか食われるかの熾烈な競争が支配する業界。
競争相手のインテルは153億ドル(約1兆7千億円)を投じ、画像認識用半導体のモービルアイ(イスラエル)を買収しています(17年10月)。
いったいぜんたい誰が自動運転の覇者になるのか、現時点ではなかなか予測がつきません。
ところで、話は変わりますが、孫さんによるNVIDIA株のcollar 取引のプレゼンテーション。
なかなか面白かったです。
ご関心ある方は、『こちら』の動画の14分~27分くらいのところ(計13分間)をご覧になってみてください。
一瞬、ファンドマネージャーによるプレゼンテーションを聞いているような錯覚に襲われますが、プロのファンドマネージャーによる説明よりも、ずっと分かりやすく説明してくれています。