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2019年2月27日 (水)

実はかなりの円安になっていた日本

自分が言いたかったことを、ひじょうに上手く説明している文章を読むと嬉しくなります。

本日の日経夕刊「十字路」コラム(三菱UFJリサーチ&コンサルティング五十嵐敬喜さんの記事)がそれ。

著作権などの問題で、ここにそのままアップ出来ないのが残念ですが、「平成の30年間で、名目ベースでは円高になったが、実質では逆に25%円安になった」ことを分かりやすく説明してくれています。

ちなみに下図は日銀のサイトから取ったもので、青が実質実効為替レート(右側の軸;2010年を100とするもので、下に行くほど円安)。

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これは、この間の海外物価が2.39倍になった(日本はほとんど変わらず)ことによるもので、「日本製品に対する海外の人たちの購買力は年々高まり続けてきた」(五十嵐氏)ことを意味します。

にもかかわらず、日本の輸出がさほど増えないのは競争力の低下によるもの。

「実は大幅な円安が進んでいながら成果につながっていない現実を直視すべだ」と五十嵐さんは結んでいます。

日経が手元にある方は是非ご覧になってみてください。

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2019年2月26日 (火)

周産期のワクチン接種

私が理事を務める「NPO法人医師と団塊シニアの会」(代表理事 辻 哲夫)では、ワクチン接種が最大の予防であると考え、毎年ワクチンを考える講演会を開催してまいりました。

今回が5回目になりますが、 前回は、すでに定期接種化されているワクチンが、なぜ定期接種化できたのか、その社会的・技術的背景、ウイルスの特性、などについてお話しを伺いました。

その折ご参加いただいた方から妊婦さんとワクチン接種について多数ご質問をいただきました。

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今回は、そのような質問に応えるかたちで、妊娠の可能性のある方、妊婦また男性はどうしたらよいかなどについて、専門の先生に解説いただきます。

周産期のワクチン接種は、ここ数年で激増しており、環境が大きく変化しております。

また、予防接種の義務がなかった大人の男性の風疹感染が広がってしまったり、 多くの医師たちの努力の結果ようやく撲滅宣言ができたすぐあとに、外国人から「はしか」が感染し広がるなど、 過去には意識しなかった危険が広がっております。

ご関心のある方はぜひご参加ください。

また皆様のお知り合いにこの講演会をお知らせいただき、参加を募っていただければ幸いです。

参加ご希望の方は下記を印刷の上、FAXにてお申し込みください。

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2019年2月25日 (月)

NVIDIA と ソフトバンクグループ

NVIDIAという名の米国の半導体メーカー。

自動運転とかビットコインとか、何かと話題になることが多く、私もこれまで何度かブログに書いてきました(たとえば『こちら』)。

そのNVIDIAですが、昨年9月末より株価が下落基調に転じ、とうとう12月のクリスマスイブには、ピーク時の半値以下になりました(292ドル→124ドル)。

現在は少し持ち直して159ドル。

そもそもなぜこんなに下がってしまったのでしょうか。

以前にも書きましたが、理由の一つはビットコイン価格の下落です。

ビットコインの採掘者、いわゆるマイナー(mining をする人)たちは、NVIDIAのGPUを搭載した高性能コンピューターを大量に使っていました。

しかしビットコインの相場が大幅に低落。

これではマイニング業務はもはやペイしない(採算に合わない)とばかり、彼らはマイニングを諦め、使っていたNVIDIAのGPUを中古市場で売りに出しました。

もう一つの理由はソフトバンクグループ「ヴィジョンファンド」による売却でしょう。

ヴィジョンファンドがNVIDIA株を買い集めたのは、今から約2年前の2017年5月(『こちら』)。

それも半端ない株数で、総額40億ドル(約4500億円)を投入。

瞬く間に、第4位の大株主(保有比率4.9%)に浮上しました(『こちら』)。

それが一転、昨年後半には売りに転じ、オプション取引(キャップとフロアを組み合わせたcollar 取引)を駆使して、年末までに全株を売却してしまいました(『こちら』)。

当然のことながら、これはNVIDIAの株価にとって相当の下押し要因となりました。

このように孫さんに見限られた形のNVIDIAですが、私はまだ持ち続けています。

ヴィジョンファンドのようなファンドは、裏にファンドに出資してくれている投資家がいるので、一定期間内にリターンを上げなければなりません。

これに対して、個人投資家には時間的制約がありません(もちろん人によって違いはあるのでしょうが)。

購入単価も違います。

私がNVIDIA株を買ったのはこの株について最初にブログに書いたころ。

つまり2016年8月~9月なので、ソフトバンクグループのヴィジョンファンドよりも約8か月も前でした。

この結果、購入単価は60ドル前後と、ソフトバンクグループがNVIDIAを購入した単価105ドルよりもかなり低い値段で購入できています。

したがって、もう少し落ち着いた形で持っていられます。

と言っても、NVIDIAのいる業界は、食うか食われるかの熾烈な競争が支配する業界。

競争相手のインテルは153億ドル(約1兆7千億円)を投じ、画像認識用半導体のモービルアイ(イスラエル)を買収しています(17年10月)。

いったいぜんたい誰が自動運転の覇者になるのか、現時点ではなかなか予測がつきません。

ところで、話は変わりますが、孫さんによるNVIDIA株のcollar 取引のプレゼンテーション。

なかなか面白かったです。

ご関心ある方は、『こちら』の動画の14分~27分くらいのところ(計13分間)をご覧になってみてください。

一瞬、ファンドマネージャーによるプレゼンテーションを聞いているような錯覚に襲われますが、プロのファンドマネージャーによる説明よりも、ずっと分かりやすく説明してくれています。

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2019年2月20日 (水)

カリスマ経営者

昨晩出演した日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』ですが、『こちら』でその録画をご覧になれます。

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2019年2月19日 (火)

広報部 vs. 個人投資家

今晩は日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

トピックスはカリスマ経営者。

どういった経営者がカリスマ経営者なのか、難しい定義は抜きにしても、マスコミ受けする経営者とか世間的な評判の良い経営者といった人たちは確かにいます。

個人投資家としては「そういった経営者の会社の株を買えば成功するのか」というと、これがそうでもないらしい・・・。

たとえば、かつてマスコミによって「マック(アップル)からマック(マクドナルド日本)へ」とか「本格的プロ経営者の登場」といった具合に、持てはやされた経営者がいました。

「それならば」とばかり、このとき日本マクドナルドの株を買った個人投資家は、その後、あまり上がらない株価を見て、残念に思ったのかもしれません。

日本マクドナルドの株が大化け(と言っても株価が2倍近くになっただけですが)するのは、その後に経営者となったカサノバ現社長の時です(下図)。

Photo_3

実際のところ、カサノバ社長になってマックに入ると、メニューは見やすくなったし(以前はセットメニューに誘導されるような価格表示)、細かいところで違いを感じるようになりました(あくまでも私の個人的感想ですが・・・)。

いずれにせよ、広報部がしっかりしている会社は、マスコミに上手くアプローチして社長インタビューを実現させ、カリスマ経営者のイメージを作り出します。

しかし残念ながらイメージだけでは株価は上がっていきません。

実際の収益が伴うことが必要なのです。

個人投資家としてはマスコミや世間が作り出すイメージに惑わされず、しっかりと数字を見ていくことが大切。

それともう一つ。

今晩の番組でも話したのですが、その会社で働いている人に実際に会って話を聞いてみることが意外に役に立ちます。

学生時代のクラスメートとか、社会人勉強会で友達になった人とか、誰かその会社で働いている人を探して出して聞いてみる・・・。

すると、経営者の意外な一面が分かったりします。

マスコミには外面で接することができても、同じ会社で働いている従業員の目はごまかせません。彼らは見るべきところは見ているもの。

そういった生の情報が株式投資においては重要です。

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