TOPPOINT (その2)
タイトルに(その2)と付記しましたが、実は今から13年前、2006年5月25日に(その1)を書いているからです(『こちら』)。
以下、簡単にその時の記事内容を要約しますと:
「TOPPOINT」(トップポイント)というのは、1987年創刊の月刊誌(『こちら』)。
この月刊誌は、毎月数多く出版される新刊書、新書の中から「一読の価値ある新刊書・新書」を厳選して読者に紹介するというもの。
雑誌の内容としては「本の紹介」だけです。
出版不況と言われる中で、本をただ紹介するだけの雑誌がなぜ30年以上にわたって読者に支持されてきたのでしょうか。
この情報誌を始めた橋本忠明さんは、もともとは外資系企業の営業担当者でした。
お客さんのところに行っては、ゴルフや野球の話をしてから、営業の話を切り出していたそうです。
ところが、ある時、趣向を変えて、自分が読んで面白かった本の話をお客さんにしたところ、すごく受けた。
そこで、それからは自分が読んで面白かった本の感想や内容を一枚の紙に書いて、お客さんのところに持っていくようにしたと言います。
そうこうする内に、橋本さんの書いた「本の内容・感想文」は、いろいろなお客さんに喜ばれるようになり、橋本さんは「これで食っていけるかもしれない」と考えたそうです。
そして今から32年前、意を決して、独立。
「本の内容」を紹介するビジネスで起業したのです。
仕組みはこうです。
橋本さんが毎月100冊以上にも及ぶ新刊書を読む
→
その中から、橋本さんの情報誌の読者が興味を持ちそうに思う本を10冊選び、その内容を1冊あたり4ページまとめる
→
これを会員宛てに配布する。
忙しくて書店に行く時間が無い経営者やビジネスマンは、会員となることで、まずは橋本さんが選んだ10冊のエッセンスを読み、それが面白そうであれば、情報誌の裏についている注文書で本を注文する。(もちろんこの段階ではアマゾンで買うとか本屋で買う人もいると思います。)
ところで、このビジネスモデルが成功するかどうかは、本を選ぶ「橋本さんの目が確かである」ということにかかっています(ある意味で忙しい読者に代わって橋本さんが一次スクリーニングをしているわけですから。)
毎日膨大な量の本が出版されていますが、橋本さんは、毎朝ジュンク堂という大型書店に行き、問屋さんから届いた本の荷物を自分で開けるがごとく、真っ先に新しい本の情報を入手するのだそうです。
そして「絶対の独立性、公正さ」を実現する為に、情報誌には「一切の広告を受け付けない」という一徹さ。
着眼点、発想、工夫、そして努力。これによって達成されるお客様からの「信頼」。
新しくビジネスを成功させる上での全ての要素が揃っていたからこそ、橋本さんの情報誌「Toppoint」は32年もの長い間、読者に支持され続けてきたのでした。
* * * *
以上、私が13年前に書いたブログ記事「TOPPOINT」(その1)を参考にしながら、現在バージョンに置き換えて(その2)を書いてみました。
ところで、私が「TOPPOINT」について、13年ぶりにブログに書くのには理由があります。
先日送られてきた「TOPPOINT」6月号で、拙著『人生100年時代の正しい資産づくり』が紹介されているからです。
私は、これまで18冊の本(新刊本・新書)を書いてきました。
その中で「TOPPOINT」で紹介されたのは、これが2冊目。
打率にすると1割1分。
なお1冊目は2006年に刊行された『投資銀行』という本。
13年ぶりの快挙を嬉しく思います。
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