始まりはダーパのプロジェクトだった (その2)
グーグルの自動運転プロジェクトは、現在グーグル(正式名称はアルファベット)の子会社「ウェイモ(Waymo)」で進められています。
ウェイモは全米6つの州、25の都市で自動運転プロジェクトを遂行。
そのうちの1つが、2017年以降、アリゾナ州フェニックス(Phoenix)の郊外で進められています。
現在、このプロジェクトが最も大規模な形で展開されていると言います。
フェニックスは、人口約170万人を擁するアリゾナ州最大の都市。
この郊外(東南)に位置するチャンドラー(Chandler)、テムピー(Tempe)、メサ(Mesa)といった市で、現在ウェイモの自動運転車が走行中(下図)。
数にして600台です。
チャンドラーの市長、ケヴィン・ハートキー(Kevin Hartke)氏によれば、
『ウェイモの車は市内の至る所で見受けられる。
街角に立っていれば必ずと言っていいほどウェイモが通り過ぎていくし、
2~3マイル走ればウェイモに出くわす』。
600台のウェイモ車はすべてクライスラーのミニバンを基本車体としています。
(ウェイモの自動運転車;
From https://www.cnbc.com/video/2019/08/17)
この地域で登録した約1,000人の住民はウェイモ車を24時間いつでも呼びだし、地域内のどこにでも連れて行ってもらうことが出来ます。
実際にタクシーと同じように利用でき、もちろん有料です。
さらにこの地域では配車アプリの Lyft(リフト)が10台のウェイモ車を擁していて、
地域の人は誰でもリフトでウェイモ車を呼ぶことが出来ます。
なおこの地域のウェイモ車は、自動運転のLevel 4に分類されています。
CNBCは今夏、アリゾナにおけるウェイモ車の状況を放映、現在でも13分間の動画としてこれを見ることが出来ます。
百聞は一見にしかず。
まずはこの動画をご覧になってみてください(『こちら』です)。
さて日本でも自動運転の試みは進められています。
例えば、今年の11月2日、大津市は公道を使ったバスの2度目の自動運転の実証実験を始めました。
バスは大津駅を出発し、湖岸沿いを通ってびわ湖大津プリンスホテルまでの約3.6キロのコースを、最高時速約40キロ、曲がり角も試しながら走行しました(『こちら』)。
アリゾナのウェイモ車と違って、決まったコースしか走ることが出来ませんが、今後が期待できます。
欧州ではどうでしょう。
メルセデス・ベンツのダイムラー社は、先月1日、
「来年公表予定の新しいSクラスは、規制当局によって認定される最初のレベル3車になるだろう」
と発表しました(『こちら』)。
すでにアウディは同様のレベル3車を開発済みですが、ダイムラーのカレニアス会長によれば、
「当局から認可を受けるのは当社の方が先だろう」
とのこと(『こちら』)。
ちなみにアウディ車についてはせっかくレベル3の機能を開発したものの、自動運転を受け入れるための法整備が遅れているとの記事が昨年配信されていました(『こちら』)。
自動運転車の開発を巡っては、本来競争関係にあるダイムラー社とBMWがコラボするといったことも起こってきており(『こちら』)、まさに「何でもあり得る」といった状況になってきています。
ところで、
話は変わりますが・・・。
前回の自動運転車の記事で登場したセバスチアン・スラン。
彼はいま何をしているでしょうか。
スランは、キティ・ホーク(Kitty Hawk)という会社を起業しました。
この会社は、空飛ぶタクシーとも言うべき自動操縦の無人小型飛行機を開発。
グーグルのラリー・ペイジのサポート(恐らくは出資)も得ています。
『こちら』でキティ・ホーク(Kitty Hawk)が開発した無人操縦の空飛ぶタクシー「コラ(Cora)」の動画を見ることが出来ます(2分45秒です)。
自動運転車から無人操縦の空飛ぶタクシーへ。
スランのような常に一歩先を行く人が次の時代を切り開いていくのだと思いました。
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