グーグルの1-3月期決算
グーグル(正式名称アルファベット)の1-3月期決算が日本時間29日の早朝に発表されました。
売上高(1-3月の3ヶ月間)412億ドル
(前年同期比+13%)
事前の市場予測(コンセンサス)は410億ドル。
Operating income 7,977百万ドル
(前年同期比+21%)
(ただし Non-GAAP ベースでは ▲4%)
グーグルの決算を見る上では、GAAPベースと、Non-GAAPベースの両方に目を配る必要があります。
GAAPベースとは、Generally Accepted Accounting Principles の略。
「一般に(公正妥当と)認められた会計原則」を意味します。
グーグルの場合、前期決算において1,697百万ドルもの制裁金が欧州委員会によって課せられました。
このため前期決算はかなり悪化。
この悪化された前期と比較する(GAAPベース)と、今期のOperating incomeは+21%になります。
しかしそれでは本当の意味での「会社が稼ぐ力」を比較したことにはなりません。
そこで投資家は「前期に仮に制裁金が課せられなかったとした場合のケース」と比べて、今期の収益力を判断します。
その方が会社としての、より的確な収益力比較が出来ると考えるからです。
つまりNon-GAAP ベースの数字をより一層重視するわけであり、
その観点からするとグーグルのOperating incomeは前年同期比▲4%ということになります。
もう少し、決算を見ていきましょう。
1株当たり利益(EPS)9.87ドル
(前年同期比+4%)
(ただし Non-GAAP ベースでは ▲17%)
事前の市場予測(コンセンサス)は10.73ドル。
* * *
つまりグーグルの決算を一言で要約すると、
売上は予想以上に伸びたけれども、利益は事前予想と比べても前年同期と比べても期待外れ。
しかし市場はこの決算を好感し、グーグルの株価は After Hours の trade で8%も上昇。
もともと広告収入に頼るグーグルの決算は
新型コロナウイルス危機でかなり落ち込むこともあり得る
と考えられていました(事実、利益で見ると落ち込み)。
しかし投資家が注目したのは売上の中身。
やはり、というか、Stay Home の影響で、YouTubeを見る人が増えました。
YouTube広告は
前期3,025百万ドル
今期4,038百万ドル
(前年同期比+33%)
もう一つ。
リモートワーク(つまり会社に通勤しない)が増えて、
クラウド・ビジネス全般に追い風になっています。
その結果、グーグルのクラウド収入は
前期1,825百万ドル
今期2,777百万ドル
(前年同期比+52%)
グーグルは四半期ごとのguidance(今後の見通し)を発表していませんが、CFOの Ruth Porat は
“Performance was strong during the first two months of the quarter, but then in March we experienced a significant slowdown in ad revenues.”
(1-3月期で、1-2月は良かったが、3月に入って広告収入がガクンと落ち込んだ)
と発言。
更に続けて、
“We are sharpening our focus on executing more efficiently, while continuing to invest in our long-term opportunities.”
(長期的な視野にたって投資を続けていくが、同時に更なる効率性を追求していく)
なおグーグルが発表した決算は『こちら』でご覧ください。
* * *
日本時間の明日、早朝には、マイクロソフトが1-3月期決算を発表。
アップルとアマゾンは、日本時間の明後日(金曜日)早朝に決算を発表します。
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