日本モデル
25日の首相会見。
『日本ならではのやり方で、わずか1か月半で、今回の流行をほぼ収束させることができました。正に、日本モデルの力を示したと思います』(『こちら』)。
これが海外でどう報じられたかというと、例えばウォールストリート・ジャーナル紙は、
『‘We have showed the power of the Japanese model’ in slowing infections, Prime Minister Abe says』(『こちら』)。
(我々は感染の速度を遅くさせるということにおいて、日本モデルの力を(世界に)示したーこう安倍首相は述べています)。
これを読んで海外の知人からは早速問い合わせが・・。
『日本モデルっていったい何だ?』
* * *
AFP通信(フランス通信社)の Karyn Nishimura-Poupée 記者(『こちら』)は、
ツイッターで、
『過剰反応と言われるかもしれないけど、「日本のモデルの力を示した」と安倍総理が自慢発言した際に、私はショックを受けた。
こんな言い方だと母国であるフランスも含めて海外では死者が多くて失敗した原因は「日本のモデル」と違う対策だったから、という風に理解してしまう』
と発言(『こちら』)。
* * *
それに、そもそも日本モデルと自画自賛するほど優秀なのでしょうか。
たしかに欧米諸国に比べると人口100万人当たりの死者数は日本は桁違いに少ないのですが、
他のアジア諸国、オセアニア諸国と比べると、14ヵ国(地域)中、13位。
要は、ビリから2番目なのです(下図はクリックすると大きくなります)。
なおこの図のデータの出所は人口についてはWorldometerほかから。新型コロナウイルスの死者数は日本時間5月30日18時現在のJohns Hopkins 大学のデータ。香港の死者数は同大学では載せていませんので、Worldometer 並びに現地メディアで報じられている数字を使いました。
グラフの基になった具体的数字は以下のエクセルでご覧いただけます。
ダウンロード - e4babae58fa3100e4b887e4babae5bd93e3819fe3828ae381aee6adbbe880851.xlsx
もしも日本が台湾と同じように感染拡大をコントロール出来、人口100万人あたりの死者数を台湾並みに抑えることが出来たとしたならば、
日本の死者数は 887人ではなくて、たったの 37人のはずでした。
台湾並みに出来なくて850名もの人が死んでしまったと見ることも出来ます(志村けんさんや岡江久美子さんも、ひょっとしたら助かっていたかもしれません)。
我々は他のアジア・オセアニア諸国に比べると、むしろ劣等生であることを自覚し、より一層の感染対策、医療体制拡充に努めなくてはなりません。
もちろん、日本を含むアジア・オセアニア諸国が、欧米諸国よりも死者数が格段に少ないことも事実で、これに関する研究も新型コロナウイルスの正体を知る上で重要でしょう。
その要因を山中伸弥教授は「ファクターX」として、7つの候補をあげています(『こちら』)。
1ヶ月ほど前ですが、イェール大学のAkiko Iwasaki教授とNathan Grubaugh助教授が論文を発表。
5つの可能性を指摘しています(詳しくは英語になりますが『こちら』)。
なおフィリピンに住む日本人A氏は、アジア・オセアニア諸国の中で、フィリピンの死者数が多い理由の一つとして、
『フィリピン人にはスペイン人の遺伝子がかなり混じっている点も影響しているのではないか』
とコメントしていましたが、遺伝子説だけでは、ニュージーランド、オーストラリアの人口100万人当たりの死者数が英国の「170分の1」であることの理由が分からず、謎は深まるばかりです。
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