バッテリー・デイ
イーロン・マスクが最初にバッテリー・デイについて言及したのは、昨年7月。
“Yes, I think for Battery Day, we’re going to do a comprehensive review of cell chemistry, module and pack, architecture, and manufacturing plan that has a clear roadmap to a terawatt-hour per year.”
マスクはこう述べて、バッテリー・デイは「2020年の2月か3月になる」とコメント。
その後、それが何回か延期されて、現在の見通しは9月22日開催の予定となっています。
はたして何が飛び出すのか。
実は株式市場ではバッテリー・デイを前にして、テスラ株の評価を巡って様々な動きが・・。
たとえばモルガンスタンレー。
6月12日にテスラ株の PT(price target; 目標株価)を680ドルから650ドルに引き下げ。
投資判断も「Equal-weight」(中立)から「Underweight」(アンダーウェイト)に引き下げました。
アンダーウェイトとは、「ポートフォリオ上で、この株の比率を落とせ」との意味で、つまり「売り」を推奨。
ちなみにこの時のテスラ株は970ドル近辺を行ったり来たりしていました。
それから1か月後。
7月10日にモルスタはテスラ株のPTを 650ドルから740ドルに引き上げ。
更に7月29日には、テスラ株の PTを740ドルから1050ドルへと再度引き上げました。
しかし2度にわたる PT 引き上げにもかかわらず、投資判断は「Underweight」(アンダーウェイト)を継続(ちなみに7月29日の段階でテスラ株は1500ドル近辺を行ったり来たりしていました)。
そもそもPTを2回続けて引き上げておきながら、投資判断については「Underweight」(アンダーウェイト)を継続するというのも、やや理解に苦しむところ。
そして、7月最後のPT引き上げから、たった2週間後のことです。
8月13日。
今度は、モルスタはテスラ株のPTを 1050ドルから1360ドルへと3度目の引き上げ(2ヶ月間にPTを4回も動かすのは異例です)。
併せて、投資判断も「Underweight」(アンダーウェイト)から「Equal-weight」(中立)に引き上げました。
それだけではありません。
この日、モルスタは、サムスンSDIなど韓国のEV Battery Producers の投資判断を軒並み「Underweight」(アンダーウェイト)に引き下げ。
サムスンSDIに至っては「Overweight」から一気に「Underweight」への引き下げ(つまり「Equal-weight」を飛び越しての2段階引き下げ)。
こうなってくるとモルスタは、
「バッテリー・デイで大きな動きがある。それは投資資金(投資家のお金)が韓国勢からテスラへと大きくシフトすることを意味する」
と考えているのではないかと思えてきます。
それにしてもテスラ株。
去年の今ごろは215ドルでした。
それが1年間で1650ドルへ。
7.7倍になったことになります。
時価総額も33兆円に・・(トヨタは23兆円)。
ここまで高くなると手を出しにくいという人も多いと思いますが、
はたしてバッテリー・デイでいったい何が飛び出すのでしょうか。
* * *
ところで、話はがらりと変わりますが、
一昨日ご紹介した日経電子版への寄稿記事。
日経ヴェリタス紙に連載しているシリーズの5回目にあたるものです。
本日発売の同紙第48頁でご覧頂けます。
上の写真は、従来同様、出版権などの権利関係に配慮し、敢えて読めないように縮小して掲載しています。
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