ブランドの極致
街中や高速を走ると、レンタカーやカーシェアリング(いずれも「わ」ナンバー)を多く見かけるようになりました。
最近「わ」ナンバーが足りなくなり、北海道や沖縄では「れ」が使用され始めたのだとか・・。
週末にキャンピングに行く、あるいは実家に行くだけなら、クルマを持つ意味はなくなってきています。
維持にかかる税金、保険、車検、修理、そして都心の場合は車庫代。
こうしたことを考え合わせると、クルマを所有することは、経済合理性の点で疑問視され始めています。
トヨタにとっての最大の敵は、ホンダやメルセデスではなく、人々のこうした考え方の変化にあるのかもしれません。
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さて、クルマを所有することの喜び、運転することの楽しさを極限まで突き詰めた会社がフェラーリでしょう。
時価総額を比べてみると:
トヨタ 23.0兆円
ホンダ 5.0兆円
日産 1.8兆円
これに対して、
フェラーリ 5.2兆円
昨年1年間でトヨタは 1,073万台(レクサス、ダイハツ、日野を含む)のクルマを全世界で作りました。
ホンダは 517万台です。
一方、フェラーリが作ったのは、たったの1万台です。
たった1万台を作る会社の売上高は、
4,745億円(1台あたり47百万円!)
キャッシュフロー(EBITDA)は、
1,599億円(時価総額はEBITDAの32倍)。
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昨年発表されたSF90ストラダーレ(日本での納期は早くても今年後半)は、
フェラーリ初のPHEV(プラグイン・ハイブリッド電気自動車)。
4リッターV8ツインターボエンジンと、3基のモーター及び外部充電が可能なバッテリーを組み合わせ、システム合計出力1000psを発生させます。
最高速度は340km/h、0-100km/h加速は2.5秒。
日本での販売価格は、5,340万円。
見るだけでもワクワクさせる・・。
そんなクルマは滅多にありません。
ブランドの極致とでも言うべきもの。
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テスラの時価総額がトヨタを抜き、フェラーリの時価総額がホンダやGMを抜き去った今。
改めてブランドの持つ意味を考えさせられます。
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