「第七回 構想力の倫理」勉強会(エコシスラボ・サロン)
昨日は、紺野登多摩大学大学院教授主催の「第七回 構想力の倫理」勉強会(エコシスラボ・サロン)に参加しました(Zoomです)。
スピーカーは中国ビジネス研究所代表の沈才彬先生(多摩大学大学院フェロー)。
トッピクスは「中国の構想力について」。
沈先生は、1944年 中国江蘇省海門市の生まれ。1981年、中国社会科学院大学院修士課程(日本経済史)修了、同大学院講師 。1984年、東京大学客員研究員、早稲田大学客員研究員、1987年、中国社会科学院大学院助教授 。1989年以降、御茶ノ水女子大学客員研究員、一橋大学客員研究員、三井物産戦略研究所中国経済センター長 などを歴任し、2008年、多摩大学教授・・といった経歴の持ち主。
武田薬品工業など日本の大手企業の中国事業アドバイザーなどを務めた経験もあります。
昨日は(1)AIIB設立、(2)ファーウェイ(華為)、(3)阿里巴巴集団(アリババグループ)を例に講演が進められました。
私にとって印象に残ったのは、たとえばAIIB。
アジアのインフラ需要は年間8,000億㌦。
それに対して、世銀とADBによる融資はそれぞれ100億㌦程度。
日本や米国にしてみれば、『その隙を突かれた』ということでしょうか・・。
現在では、AIIBの参加国は102ヵ国・地域にも及びます。
もう一つの例のファーウェイ(華為)。
創業者、任正非CEOは、すでにかなり前から米国との衝突を意識。
米国と衝突するようなことになれば、ファーウェイは負けるだろうと考え、2003年、米モトローラに自社を売却することを決断。
売却額は100億㌦。
しかしモトローラCEOの突然の交代劇で、このM&Aは最後のところで頓挫。
自社の売却を諦めた任CEOは「10年後にアメリカと激しい衝突を迎えることになるので、準備する必要がある」とし、プランBを指示。
2004年より、秘かに数千人規模の社内チームを発足させ毎年巨額の資金を投入。コア技術の自主開発に励みました。
具体的には最先端の半導体チップと基本ソフト(OS)の自主開発を開始したのです。
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講演を聞き終わって、沈先生の最新刊『中国新興企業の正体』を読んでみようかと思いました。
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