企業の活性化
どうしたら日本企業を活性化させることが出来るだろうか。
そうした観点から書かれたのが『ダイナモ人を呼び起こせ』。
ダイナモ人とは筆者の造語。
もともとは発電機を意味するdynamoは、
He is a real dynamo. (彼は疲れを知らぬ精力家だ)といったような形で使われることもあります。
行動力があって、熱量が高く、自ら動く人物、変革をもたらす人物。
こうした人物を筆者はダイナモ人と呼び、こうした人材が日本企業に活力をもたらすことを期待します。
ここで少し話題がそれますが、もう20年以上も前に聞いた話(だからこそ、こうして今、書くことが出来るのですが)を2つほど・・。
一つは大蔵省(当時はこう呼ばれていました)の人事システムに関するもの。
キャリアと称する人たちは実は入省時の成績ですでにかなりの程度「ふるいわけ」されている(繰り返しますが20年以上も前の話で、今はどうか分かりません)。
通常キャリアの大蔵官僚は若くして税務署長になるのですが、優秀な人材は難しい地域(問題が起こりそうな地域)の税務署長には送られない。
将来の次官、局長候補のキャリアに傷がつくようなことがあっては不味いから、といった配慮なのだとか・・。
一方で、ロイヤルダッチシェルの人事システム(これも20年以上も前に聞いた話で、今はどうか分かりません)。
若いうちに世界の僻地に飛ばす(石油や天然ガスの開発の現場は過酷な地域が多く、シェルにとって僻地は事欠きません)。
そしてそこを生き延びた人材のみを本社の中枢に呼び戻す・・。
2つの正反対のシステムなのですが、『ダイナモ人』を読んでいて、ふと大昔に聞いたこんな話を思い出してしまいました。
話を元に戻しますと、日本企業の中には潜在的にはダイナモ人たる人材がたくさんいるのだと思います。
しかし、はたして彼らは覚醒し、日本企業を牽引していくのかどうか。
いま日本で元気な企業の多くは20年前にはベンチャーに近いような企業でした。
・・ソフトバンクグループ(1994年上場)
・・ユニクロ(1997年上場)
・・楽天(2000年上場)
こう考えると潜在的ダイナモ人が大企業内で覚醒するのを待つよりも、
20代、30代の起業家たち(彼らこそダイナモ人でしょう)に期待した方が早いようにも思えるのですが、さて・・。
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