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2021年6月29日 (火)

テレワークとオフィスワーク

コロナ禍の現在は出来るだけテレワークが望ましいのですが、今後、たとえば1年後はどうでしょう。

何をテレワークにして、何をオフィスでの仕事にするのか。

各社でいろいろと議論がなされているところだと思います。

一般的に言って会議室で行われる会議は、ほとんど全てズーム形式(テレワーク)で行うことが可能かと思います。

つまり、あるアイデアをみんなで議論して、これを採択するかどうかを決める、こういった業務内容にはテレワークが機能します。

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(東京都運営のサテライトオフィス。無料で利用できる)

しかし『一つの具体的アイデアに辿りつく』には、テレワークよりも何人かが集まって自由に会話をする中で生まれるという側面も強いと言えます。

米国のアップルでは9月以降、テレワークに思いっきり制限をかけると報じられています(『こちら』)。

週2日しかテレワークを認めず、月、火、木は出社。しかも週2日のテレワークは年間で2週間のみ認めるだけ。

これに対して従業員は猛反発しているのだとか・・。

米国 JPモルガンのダイモンCEOも従業員にレターを送り、

『7月からオフィスに出社せよ、ただしローテーションベースでリモートも認める、具体的にはマネージャーと協議せよ』

と伝えたと言われています(『こちら』)。

ダイモンCEOによると、金融の世界ではapprenticeship model(見習い、OJT)で技能を身に着ける部分が多く、これはズームでは不可能だとのこと。

何をテレワークに残し、何に対して出社を求めるのか。

これによって企業の今後の競争力が左右されるような気がします。

昨日の日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』ではその辺のことも話しました。

13分少々です。

『こちら』でご覧になれます。

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2021年6月27日 (日)

働き方 ギグ・テレの先

本日発売の日経ヴェリタス紙(今週号)。

1~4面の特集記事は『働き方 ギグ・テレの先』。

ギグワークという言葉に馴染みがないという人もいるかもしれません。

もともとギグとはライブハウスなどで単発の契約で演奏を行うミュージシャンに使われていた言葉。

そこから、単発の仕事を個人で請け負う『ギグワーク』そしてこれを請け負って働く『ギグワーカー』なる言葉が生まれています。

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ウーバーやリフト、ウーバーイーツなどは今では誰でもが知る存在になっていますが、

米国などで最近注目されているのは、ファイバー(Fiverr)。

イスラエル生まれの会社でNYSEにも上場されていますが、株価は20年3月末の25.17ドルから

現在は9.7倍の243.42ドルにまで上昇。

なお日経ヴェリタスのこの号の48頁には私の記事(ほぼ月1回のペースで連載)も掲載されています。

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2021年6月25日 (金)

加速する世界の投資戦略

早いもので2021年もあと数日で半分を終えます。

「最近、時間が経つのが早く感じる」

「年を取るたびに以前よりも時間が経つのが早い」

こう思う人も多いのではないでしょうか。

株式投資も同じ(?)で、うかうかしていると10年があっという間に過ぎていきます。

その結果、上昇する株を手にしていれば良いのですが、あまり上がらない株に付き合っていると、

(1)(もし損失が生じたとすると)それはそれで悔しいのですが、

(2)それと同じくらいに(あるいはそれ以上に)機会費用も見逃せません。つまり冴えない株に資金を寝かせてしまったという機会費用です。

いずれにせよ技術革新によりますます加速する世界。

そもそもこういった加速する世界における勝ち組企業とはどういった会社なのでしょうか。

そんなことを思いながら、日経新聞への寄稿記事を書きました。

『こちら』です。(有料会員に登録しなくとも、月10本の記事が無料読者登録で読めます)。

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2021年6月22日 (火)

プリシラ・チャンさんの話

プリシラ・チャンさんというと、フェイスブック創業者マーク・ザッカーバーグ氏の配偶者くらいの認識しかなかったのですが、自分の両親や祖父母を語り始める彼女の目には涙が浮かんでいました。

(以下、インタビューに応えるプリシラさんの言葉)

* * *

『私の祖父母はベトナムでビジネスをしていました。

私の父の両親には9人の子どもがいました。

私の母の父親には2人の妻がいたのですが、私の母の母親は2番目の妻でした。

彼女は年季奉公人として子どもをもっと儲けるために一族に迎え入れられたのでした。

戦争が厳しい状況になってくると、祖父母は子どもたちを祖国から密出国させることを考えました。

難民ボートに乗せて米国に渡らせる計画でした。

しかし難民ボートは難破して沈んでしまうかもしれないし、船の上で死んでしまうかもしれない。

そこで祖父母は子どもたちを1つのボートに乗せないことにしました。

1隻が沈んでしまえば子どもたち全員が死んでしまうからです。

祖父母は子どもたちを2人、もしくは3人のグループに分けたのです。

そうすることで子どもたちは、長い航海において一人にはならずに兄弟姉妹の誰かと一緒にいられる、そして、もしも船が沈んでも、子どもたち全員が死ぬことにはならない。

祖父母はこう決断して、ある夜、子どもたちを何隻かの船に乗せ、暗い南シナ海の海に送り出したのです。

『またいつかみんなで会おう』と子どもたちに告げて。

もちろんこの時には私はまだ生まれていませんでした。

結局、子どもたち全員が最終的には米国に辿りつくことが出来ました。

祖国を抜け出してから10年ほど経って、ようやく全員が一堂に会することが出来るようになりました』

* * *

プリシラ・チャンさんの動画は『こちら』でどうぞ。

 

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2021年6月19日 (土)

雇用の促進を妨げるもの

日本銀行の目的は日本銀行法第一条に記されています。

『第一条 日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。
2 日本銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする』

ここで『雇用』について言及がないのは、日本では社会のシステムとして終身雇用が前提となっていたので、敢えて雇用を中央銀行の目的の一つに加える必要がなかった為なのかもしれません。

これに対して米国のFRBの場合、Federal Reserve Act で雇用の促進が目的のひとつに謳われています。

Section 2A. Monetary policy objectives

The Board of Governors of the Federal Reserve System and the Federal Open Market Committee shall maintain long run growth of the monetary and credit aggregates commensurate with the economy's long run potential to increase production, so as to promote effectively the goals of maximum employment, stable prices, and moderate long-term interest rates.

ということで、FRBは、一方で(1)インフレの懸念に目配せしながら、他方で(2)雇用の回復も図らなければならないという、難しいオペレーションを強いられます。

6月10日発表の5月の米CPIコア指数は前年同月比3.8%増でした(CPIは5.0%増)。FRBが目標としていた「2%よりやや上のインフレ」を、かなり上回る物価上昇でした。

これは中古車市場の過熱など一時的要因によるものだとの指摘もありますが、背景に人手不足があると解説するエコノミストも・・。

はたして(1)人手不足と指摘されるほど雇用は順調に改善しているのか、それとも(2)労働市場にはまだまだ「緩み」があって「インフレ期待を高めるような物価上昇が続くとは考えられない」(パウエル議長、6月15日、日経;ただし16日の会見では微妙に変化)のでしょうか。

ひとつ言えるのは、米政府による失業給付上乗せ金の存在が「雇用統計に影響を及ぼしている」ーその結果、雇用の実態が分かりにくくなっているということです。

もう少し説明を加えましょう。

今年3月、バイデン政権下で実施されたAmerican Rescue Plan Act of 2021によれば、9月6日まで、通常の一般的な失業給付金(モデルケースで週400ドル)に加えて週300ドルが失業者に上乗せ給付されます(The American Rescue Plan extended unemployment benefits until September 6 with a weekly supplemental benefit of $300 on top of the regular $400 benefit;『こちら』)。

つまり合計すると週700ドル、1ヶ月に換算すると3000ドル(33万円)を上回る金額が貰えることになるので、『職を積極的に探す気にならない』という人が増加してきています。

こうした状況をおかしいと指摘する人たちも共和党員を中心に増えてきていて、すでに連邦政府は「州レベルで上乗せ金給付を停止してもらって構わない、連邦政府としては介入しない」とコメント(『こちら』)。

結果、6月19日(本日)までに12州が上乗せ金給付を打ち切る予定となっています(9月6日まで続けるのは24州の見通し)。

それにしても上乗せ金を合わせると月33万円の失業給付金(一般的なモデルケースの場合)。

年収換算だと400万円近くにもなり、これだけもらえるならば、『当面働くのはよそう』とする人が出てくるのもなんとなく分かる気がします。

こうした人たちの存在が雇用の数字に影響を及ぼし、失業者が減らないにも係わらず、企業サイドでは人手不足が生じ、結果、インフレ傾向になりつつあるーFRBはこういった難しい状況下での金融政策のかじ取りを強いられています。

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2021年6月10日 (木)

JFK著『勇気ある人々』

JFK(ケネディ大統領)のこの著作は1956年に出版されたもの。

つまり大統領になる5年前で、このとき彼は上院議員。38歳でした。

JFKはこの著作でピュリッツァー賞を受賞。

日本では下島連氏の翻訳で1958年に出版されています。

それから50年。

2008年に宮本喜一氏の新訳で復刊されました。

そこには1963年にRFK(ロバート・ケネディ)が寄せた序文と、2003年にキャロライン・ケネディが刊行50周年に寄せて寄稿した文章とが訳出されています。

(以下、RFKによる序文から)

『ケネディ大統領は、もし生きていれば1964年5月に47歳になっていたはずだ。

ケネディがこの地球上で過ごした時間の少なくとも半分は、身体に非常な痛みを感じる日々だった。

幼いとき猩紅熱にかかり、大人になると今度は背中に深刻な障害を負っている。

その間も、ありとあらゆる疾病に苦しんだ。

われわれ兄弟の青年時代、「ジャックの血を吸おうとする蚊は命がけだな」と、

2人でよく笑い合ったものだ。

というのも、兄の血を吸えばほぼ確実に、その蚊は死んでしまうからだ。

兄は戦争が終わるとチェルシー海軍病院に入院し、1955年には背中に大手術を受けている。

1958年の選挙では松葉杖をつきながら遊説に臨んだ。

1951年には2人で世界旅行をしている最中に体調を崩し、沖縄にある海軍病院に飛んだとき、熱が41度もあった。

医者はもう助からないと考えていた。

ところがその当時、私は兄の泣き言を一言も聞いたことがない。

神が自分のことを不当に扱っているという意味の言葉を、一切耳にしたことがない。

兄をよく知る人たちは、顔色が少し青白くなり、目がやや落ちくぼみ、口調がちょっときつくなっている様子から、やっと、苦しんでいることをさとっていた。

兄のことをよく知らない人たちは、何も気がつかなかった。

兄が自分の問題でぐち一つ言わないのだから、私も自分自身の問題にぐちを言えるわけはない。

いつもお互いにそう思っていた 』

『ケネディ大統領がホワイトハウスで仕事をしたのは、本来の任期である三千日間には届かず、わずかに千日だった』

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(以下、キャロライン・ケネディの寄稿文から)

『ジョン・F・ケネディの公的な責務は、第二次世界大戦のとき、南太平洋で快速哨戒魚雷艇を率いたところから始まる。

1943年8月2日の夜、哨戒任務中に、そのPT109は日本の駆逐艦「天霧」に体当たりされ爆発炎上、乗務員は炎の海に投げ出された。

兵士2人が死亡、1人の兵士が大やけどを負い、なすすべもなく波間にただよっていた。

この兵士の救命胴衣のひもを口にくわえたまま、ケネディ中尉は3マイル先にある最寄りの島に泳ぎつく。

それから6日間、ほとんど飲まず食わずで、日本兵に捕らわれないよう身を潜めていた。

毎夜、ケネディは鮫が出没する海を泳いで近くの島に渡り、救助を求めようとした。

そこで2人のソロモン島の住人に出会う。

エローニ・クマナとビウク・ガサだった。

ケネディはこの2人がくれたココナッツの実に伝言を刻み込み、2人はそれをオーストラリア人の沿岸警備兵の隠れ家に持っていった。

これが全員の救出につながる』

『父は私たち家族にこう諭していた。

「いくら歳をとっていても、逆にどんなに若くても、私たちはみな、世の中の役に立てるはずだ」』

* * *

『勇気ある人々』、お勧めです。

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2021年6月 8日 (火)

アルツハイマー新薬

昨日(NY時間)午前。

米国メリーランド州とマサチューセッツ州ケンブリッジ及び日本の東京を発信地とするニュースが世界を駆け巡りました。

【メリーランド州のFDAから発信されたレポート】

Today, the U.S. Food and Drug Administration approved Aduhelm (aducanumab) for the treatment of Alzheimer’s, a debilitating disease affecting 6.2 million Americans.  (『こちら』

(米国食品医薬品局は本日アルツハイマーの治療を目的とするADUHELM™(一般名:アデュカヌマブ)を承認した。アルツハイマーは620万人の米国人を衰弱させている病気だ)

Biogem

【ケンブリッジから発信されたレポート】(上図)

CAMBRIDGE, Mass. and TOKYO, June 07, 2021 (GLOBE NEWSWIRE) --

Biogen (Nasdaq: BIIB) and Eisai, Co., Ltd. (Tokyo, Japan) today announced that the U.S. Food and Drug Administration (FDA) has granted accelerated approval for ADUHELM™ (aducanumab-avwa) as the first and only Alzheimer’s disease treatment to address a defining pathology of the disease by reducing amyloid beta plaques in the brain.(『こちら』

【東京から発信されたレポート】

2021年6月8日 – バイオジェン(Nasdaq: BIIB、CEO:ミシェル・ヴォナッソス、以下 バイオジェン)とエーザイ株式会社(代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)がADUHELM™(一般名:アデュカヌマブ)について、脳内のアミロイドβプラークを減少させることにより、アルツハイマー病(AD)の病理に作用する初めてかつ唯一のAD治療薬として、迅速承認したことをお知らせします。(『こちら』

* * *

迅速承認なので、市販後に、臨床上の有用性を示すことのできる評価項目を用いて検証試験を実施するということが条件とされるとか、この新薬は認知機能低下を長期的に抑えることが出来ることが期待されるが、一度損なわれた認知機能を元に戻すことは難しそう、などと言われています。

しかし画期的なニュースであることに変わりありません。

この薬の値段はまだ公表されていませんが、患者一人当たり年間3万ドル~5万ドル(330万円~550万円)と言われています(『こちら』)。

バイオジェンの株価は38%高(下記)。

Biib

エーザイの方は値幅制限に引っかかってストップ高で終わりそうです。

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