『母は子どもたちに英単語を覚えさせようと、毎日10の単語を辞書から適当に選び、その単語の意味と綴りを子どもたちに学ばせました』
破竹の勢いで進む米半導体大手のエヌビディア。
株価は1年前に比して約80%高(404.92ドル → 726.44ドル)。
もっとも最近時1週間に限って言うと株価は急落していて、1週間で11%下落(820.50 → 726.44)。
現在の時価総額は約50兆円。
トヨタの1.5倍ほどあります。
世界の時価総額ランキングで見ると第15位。
さて、この会社を率いるのは共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のジェンスン・ファンさん。
(Photo: From Wikimedia Commons)
台湾生まれの58歳の方です。
ウィキペディアやフォーブスなどによると個人の保有資産(恐らくはエヌビディアの株式なのでしょう)は、1兆6000億円。
エヌビディアが破竹の勢いを示しているのは、ジェンスン・ファンさんによるところが大きいのですが、
アップルのスティーブ・ジョブズやアマゾンのジェフ・べゾスに比べれば、日本ではあまり報じられることがなかったように思います。
ジェンスン・ファンさんの父親はキヤリア(Carrier Corporation)という名のエアコンの会社に勤めるエンジニアでした。
ジェンスン・ファンさんが5歳か6歳の頃、お父さんは会社の研修で米国ニューヨークを訪れ、衝撃を受けます。
1960年代後半のニューヨーク。
当時の台湾とは何もかも違って見えたのでしょう。
すぐに子どもたちには米国で教育を受けさせようと決心します。
ジェンスン・ファンさんのお母さんは英語がまったく分かりませんでしたが、子どもたちを米国にやるに際して、英語を学ばせねばと考えました。
『母は子どもたちに英単語を覚えさせようと、毎日10の単語を辞書から適当に選び、その単語の意味と綴りを子どもたちに学ばせました』
『英語が全く分からなかった母は子どもたちが正しく発音しているのかどうかも分からなかったのだと思います』
当時のことを振り返り、ジェンスン・ファンさんはこう語ります(『こちら』)。
その後、一家は台湾からタイに移り住むことになります。
そして1972年。
ジェンスン・ファンさんが9歳の時でした。
タイの政情も悪くなり、 ジェンスン・ファンさんの両親は取りあえず2人の子どもを米国に送り出すことを決心します(『こちら』)。
すでにジェンスン・ファンさんの伯父さんは米国に住んでいて、雑誌の広告に載っていたボーディング・スクール(全寮制の寄宿学校)を選びます。
ジェンスン・ファンさんが行くことになったのは、ケンタッキー州オネイダにあるOneida Baptist Institute。
実はここは抗争や暴力で問題を起こした児童や生徒を対象とした更生目的の施設でした。
まったく何という学校を伯父さんは選んでしまったのでしょう。
この学校にたった一人送り込まれた9歳のジェンスン・ファンさん。
ルームメートは何と刑務所から出所してきたばかりの17歳の男。
体中、刺し傷だらけでした。
(続きは次回書きます)
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