ザイマージェン
ソフトバンク・ビジョンファンドが16年、18年、20年と数回にわたって投資をして(『こちら』及び『こちら』)、今年4月に鳴り物入りで米ナスダックに上場したザイマージェン。
遺伝子組換え微生物を活用した化合物製造の会社です。
これまでは人間が実験を繰り返すことによって遺伝子組換え微生物を作成してきましたが、それをAI搭載ロボットで行うことによって開発のコストと期間を一気に短縮するーこうした技術で注目されてきた会社です。
ところが今年8月ザイマージェンは、当初想定していた売り上げが見込めないとして、共同創業者兼CEOのJosh Hoffman氏の辞任を突如発表(『こちら』)。
発表後、株価は瞬時にして約7割下落しました。一時は5800億円近くあった時価総額は、880億円にまで低落。
しかし株価が急落した翌日、キャシー・ウッド率いるアーク・インベストメントが積極的に買いを入れて、株価は一日で85%上昇(『こちら』)。
この間の株価の動きを示すと:
4月29日 高値 52.00(上場後最高値)
8月3日 終値 34.83
8月4日 安値 7.85
8月5日 終値 14.45
9月17日(現在)終値 13.87
なおそもそも上場に際して会社によるSECへの提出書類が『materially false and misleading and omitted to state(以下略)』であったとして、ザイマージェンに対してクラスアクッション(集団訴訟の一形態)が起こされようとしています(『こちら』および『こちら』)。
ところで、住友化学がこのザイマージェンと共同で開発した「ヒアリン」というフィルム素材。
折り畳んでも性能が劣化しにくく、折り畳みできるスマホなど携帯端末に適すると言われています(『こちら』)。
共同創業者兼CEOのJosh Hoffman氏が突然辞任するという衝撃的なニュースで株価が急落する中で、積極的に買いをいれたアークのキャシー・ウッド氏。
彼女の決断が吉と出るか凶と出るか、少なくとも今後1~2年経ってみないとその結末は分からないような気がします。
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