LCA
LCAとは Life Cycle Assessment の略。
ある製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)における環境負荷を評価する手法。
たとえば電気自動車はほんとうに環境負荷がガソリン車やハイブリット車よりも小さいのでしょうか。
「走る」という点に限って言えば、電気自動車(EV)はCO2を出しません。
しかしゴールドマンサックスはすでに2年前に『CO2規制の新局面: EVは「走り方」だけでなく「作り方」も問われる時代に』と題するレポートを発表(『こちら』)。
さらにマツダの研究者などが関わった論文のデータによると、製造時のCO2排出量で比べれば、ガソリンエンジン車に対して「電池式のEVは2倍~2.5倍になる」といった試算もあります(『こちら』)。
走行時のCO2排出量はガソリンエンジン車のほうが倍近くなるのですが、生産時の排出量を加味するとトータルではさほど変わらないし、むしろ発電のエネルギーミックス(どんな方法で発電しているのか)次第では、電池式EVのほうがトータルでのCO2排出量が多くなってしまうこともあるのだとか・・。
同様の数字はフォルクスワーゲンも発表しています(上記出所先を参照)。
とくに大容量バッテリーは製造時に多くのCO2を出します。
さらに、リチウムなどの鉱物資源の産出に際してのCO2コストを考慮に入れると、トータルでのCO2排出量(すなわちLCA)は「ガソリン車もEV車も変わらない」とか「いちばん優位に立つのはPHV(プラグインハイブリット)だ」と言う人もいます。
2週間ほど前に発表された記事「EVの本当のカーボンコスト」(『こちら』)は、少々長いですが、この辺をかなり突っ込んで考察したものです。
米国(テスラ)および欧州、中国の主導で進められてきたEV化の流れ。
今となっては止められないのでしょうが、日本勢はもう少し上手に、そしてもう少し早い段階で、LCAの考え方を欧米に浸透させることができなかったのでしょうか。
少し悔やまれます(もちろんLCAの考え方によってもEVの方が環境的に優位に立つのかもしれませんし、実際のところは良く分かりません。ただやみくもにEVと決め打ちするのは、少し違うような気がします)。
ところで、私の会社(インフィニティ株式会社)のウェブサイトを変えました。『こちら』です。以前のキャッシュメモリーが残っている場合は更新ボタンを押してみてください。
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