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2021年11月25日 (木)

映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』

以前マスコミなどで評判になっていた映画。

ある人がツイッターで「この映画を観て泣いた」と投稿していたのを知り、以来、気になっていました。

もしやと思って調べてみると、なんとネットフリックスで配信していました(アマゾン・プライムでも配信していますが、有料で407円かかります)。

映画は1人の政治家を17年間にわたり追いかけたドキュメンタリー。

そもそもの始まりは2003年。

この映画の大島監督の妻の何気ない一言に端を発します。

「私の同級生のお相手の小川君が出馬するらしいの」。

監督はこれを聞き、カメラを回させてほしいと「小川君」に依頼に行きます。

この小川君というのがたまたま当時の民主党の若い(32歳)議員候補だったというだけで、この映画は別に自民党の若手候補を取り上げても良かったのだと思います。

我々は選挙の候補者がどういう生活をしているのか、候補者の両親や配偶者、子供たちはどんな思いでいるのかなどについて、なかなか知ることが出来ません。

Photo_20211125184101

また選挙カーで名前を連呼するのを、候補者本人はどう考えているのか。

無意味だとか住民にとって迷惑だとか思わないのか。

こういった疑問についても映画は応えてくれます。

それと、どうでもいいことなのですが、テレビに良く出てくる田崎史郎さん。

大島監督がカメラを回しに小川議員の部屋に行くと田崎さんが居たりして(それも2度も!)、フットワークの軽さと守備範囲の広さに驚かされます。

また週刊誌などで話題になる議員宿舎の様子を知ることも出来たり、さらには議員宿舎だけでなく選挙区の小川議員の自分の家(それが高松市の家賃4万7千円のアパート!)にもカメラは入り込むといった具合で、いろいろな意味で知らないところを見せてくれる映画でした。

まぁ、そういった枝葉末節な話ばかりを書くと映画の製作者に対して失礼なので、この辺にしますが、いちばん重要なのは、自民党であれ立憲民主党であれ、「若い、志を持った政治家」が活躍できるようになってほしいということです。

小川議員にしてもすでに50歳。

オバマが大統領になったのは47歳。

フランスのマクロン大統領は現在43歳。大統領になった時は39歳でした。

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2021年11月14日 (日)

キャッシュが足りない

ベンチャー企業であれば、キャッシュが足りないという局面が訪れます。

2008年。

テスラは同社にとって最初のEV、ロードスターの生産を開始。

イーロン・マスクがCEOに就任します。

すぐにテスラは「キャッシュが足りない」という局面に。

インタビューに答えるマスクは当時37歳。

Musk

若かったですね。

ちなみに『こちら』でこの時のインタビューの模様を約1分間ご覧いただけます。

「自分はほとんど最低賃金(ミニマム・ウェイジ)で働いている。ボランティアのようなものだ。

新しいテクノロジーが実用化していくには時間がかかる。

現在は1千万円以上の価格帯のクルマを売っているが、これで得たキャッシュはすべて低価格帯のEVの開発にあてている」。

インタビューでこう力説していました。

ちなみに2年後の2010年6月、株式公開。

公募価格17ドル(分割調整後3.4ドル)。

現在は1,033.42ドルなので、300倍以上に。

「キャッシュが足りない」と苦しんでいたテスラが現在のようになるとは、ほとんどの人が想像できなかったに違いありません。

Tesla-mkt-cap

〔時価総額比較の出所は「企業分析ハック」さんのツイートから(『こちら』)〕。

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2021年11月12日 (金)

ハイテク株、なぜ金利上昇に弱い?

「経済の明確な進展を踏まえて、資産購入の縮小を決めた」。

3日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は量的緩和の縮小(テーパリング)開始についてこう説明しました。

いよいよ金融政策の正常化に向かって舵を切り始めた米国。

長期金利(例えば10年もの米国債利回り)もじわりじわりと上昇してきました(1年前は0.87~0.95%前後、現在は1.56%前後)。

ここ一年ほどの間に、我々は幾度となく

「アップルなどのハイテク株が長期金利が上昇したことによって売られた」とか

「ハイテク株の構成比率が高いナスダック総合株価指数が下落した」

といったニュースを耳にしてきました。

これはなぜなのでしょうか。

なぜハイテク株は、金利上昇の影響を「他の通常の株式よりも強く」受けるのでしょうか。

14日(日曜日)発売の日経ヴェリタス紙にこの点についてのコラム記事を書きました。

一足早く日経新聞電子版でもお読みいただけます。

『こちら』です。 

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2021年11月 9日 (火)

オークニー

AFSで私と同じ米国の高校に留学したジリアン。

彼女は英国からの留学生で、英国に帰国後、パートナーと一緒にスコットランドのオークニーに移り住みました。

「遊びにきて」と何度か彼女から誘いを受けていたのですが、今日はYouTubeのビデオが送られてきました。

22分と長いのですが、最初の5分間だけでも結構楽しめます。

『こちら』がYouTubeの動画です。

  Photo_20211109161201

都会の喧騒を離れたところだとは想像していましたが、なかなか魅力的。

70ある島のうち20に人が住んでいるのだとか。

そして全島合わせても約2万人の人しか住んでいないと言います。

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2021年11月 6日 (土)

開発競争

10月1日、メルクは、開発中の新型コロナウイルス経口治療薬「モルヌピラビル」について、重症化の恐れがある患者の入院や死亡のリスクを約50%減らす効果があるとの中間臨床試験結果を公表。

これを受け、メルクの株価は前日終値75.11ドルから当日始値81.56ドルへといきなり9%上昇。

さらにメルクの第3四半期決算が良かったこともあり、11月4日時点で株価は、90.54ドル(4日終値)を付けていました。

そこへ今度は競争相手ファイザーのニュース。

ファイザーは5日、開発中の新型コロナウイルス経口治療薬「パクスロビド」の中・後期臨床試験(治験)で、入院や死亡のリスクを89%低減させる効果が得られたとする中間結果を公表。

ファイザーの株価も5日、前日の終値43.85ドルに比し10%上昇して、48.09ドルの始値を付けました。

P

PF-07321332(From Wikimedia Commons)

嬉しいニュースなのですが、

しかし・・・。

競争相手(ファイザー)の成功は自分たち(メルク)にとってマイナスに働きました。

ファイザーのこのニュースが伝わるや否や、メルクの株価は急落。

5日、前日の終値90.54ドルに比し9%下落して、82.29ドルの始値となってしまいました。

株式市場がメルクの新薬よりも「ファイザーの新薬の方が強力そうだ」と解釈したことも影響しているようです。

いずれにせよ「ワクチンに加えて、飲み薬も出来た」ということで、人類にとって新型コロナがインフルエンザ程度の脅威に落ち着くまで、あと一歩。

それにしても研究開発費を潤沢に使って、ワクチンや新薬を開発していく欧米の製薬会社。

逞しいというか、ちょっと羨ましいです。

なお日本勢では、塩野義が北海道大学との共同研究で3CLプロテアーゼ阻害薬を開発。新型コロナウイルスの増殖を抑制することが期待されています。現在、第2/3相臨床試験を実施中(『こちら』)。

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2021年11月 3日 (水)

「陶酔の罠」の避け方

「陶酔の罠の避け方」とは、ちょっと大げさなのですが・・。

これは今週の日経ヴェリタス紙、巻頭特集ページの副題。

一昨日に出演した日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』もこの内容に沿って番組が進行しました。

Veritas-talk_20211103211301

そもそも「陶酔の罠」とはどういうことでしょう。

景気を表現する際に、ユーフォリア(陶酔的熱狂)という言葉が使われますが、

「陶酔の罠」とは、株高が続き、浮足立っていると、ある日、突然「ドスン」とやられる・・。

そんなイメージでしょうか。

実際のところ、米国株は先週金曜日から今週にかけて、

29日(金)、1日(月)、2日(火)と、

3日連続で、3指標(ダウ平均、S&P500、ナスダック)ともに史上最高値を更新してきています。

こうなってくると、個人投資家の中にも『これだけ儲かった』とか、浮足立って自慢したくなる人が出てくるかもしれません。

これは「陶酔の罠」の前兆なのでしょうか。

私は必ずしも現在の状況が「陶酔の罠」へ続いているとは考えていないのですが、

一歩、引いて、冷静に考えるスタンスは続けていきたいと思っています。

一昨日の『日経ヴェリタストーク』。

『こちら』でご覧いただけます。

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