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2021年12月31日 (金)

IPO(新規株式公開)

このところ知人が役員を務めたり創業者だったりする会社が立て続けにIPO。

ひとつは22日に上場した網屋。

もうひとつは29日に上場したInstituition for a Global Society (IGS)。

IGS創業者の福原さんには、5年ほど前に『拙著』に収録した鼎談にご参加いただきました。

IGSの株主を見ると、UTEC3号投資事業有限責任組合など大学関係のファンドが名を連ねます。

ところで今年はコロナ禍にもかかわらず125社がIPOを果たしました。

100社を超えるのは14年ぶり(2007年、121社)とのことです(『こちら』)。

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なぜ長時間労働は意味をなさないか

多くの学術的研究によると、脳が続けてdeep workに耐えられるのは3〜4時間が限度。

best work をしていると「感じる」のと、実際に「している」のは違う。

忙しくしているように見えるのは、まったく意味がない。 

Stanford_20211231103901

長時間労働のもとでは、創造性(creativity)や、より良い判断(better decision)は生まれない。

たった10分間の動画(『こちら』)ですが、Jane Conroyさんのスピーチは示唆に富むものでした。

日本の官僚機構や硬直化した大企業から、 創造性(creativity)や、より良い判断(better decision)が生まれにくくなっているのも長時間労働が原因なのかもしれません。

我々は脳の働きに関する専門的な研究にもう少し留意し、これを経営や仕事のやり方に活かすべきなのでは・・。

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2021年12月18日 (土)

Dollar Averaging

若い時であれば、投資である程度失敗しても、本業の稼ぎで何とか挽回可能。

しかし定年退職した世代ではそうも行きません。

リスクは極力避けるようにしたいもの。

たとえば退職金の一部を株式投資にあてる場合、一気に投資して、その後、相場が急落すると悲惨な目に遭います。

そうしたリスクを回避する手段として、時間分散を考えては如何でしょう。

時間分散の一つの方法としてドルコスト平均法というものがあります。

英語で言うと、Dollar Cost Averaging あるいは Dollar Averaging。

たとえば退職金などで投資する金額が1000万円出来た場合、一気に投資するのではなく、毎月(あるいは隔月に)100万円ずつ定額に分けて投資していくという手法。

1回に投資する金額が定額なので、相場下落時には多くの株式数を購入でき(安くたくさん買えた!)、逆に上昇時には購入株数が減る(高い値段での購入は減らせた!)という特徴があります。

昨日日経新聞(電子版)にアップされた寄稿記事では、そんな方法も紹介しながら、これとは別にEB債など個人投資家が陥りやすい罠についても説明しました。

Eb

  (写真は12月17日付日経新聞電子版より)

『こちら』でご覧になれます。

なお同じ記事が明日発売になる日経ヴェリタス紙にも掲載されます。

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2021年12月 7日 (火)

捨てることが重要

「2倍、3倍になった株は、もしかすると、もうこれ以上は上がらないかもしれないし、いま売れば確実にこれだけ儲かる。だから売りやすい。

一方で、買った後で、なかなか上がらず、買った時よりもむしろ値下がりしまった株もある。

そういった株は売れば損が確定する。だから売らずにしばらく持っていて、少なくとも買った値段以上になるのを待とう」

こう考えて行動する人も多いかもしれません。

しかしピーターリンチは全く逆に考えました。

自分のポートフォリオを見て、これまでのパフォーマンスがあまり良くない株、たとえば、売ることで売却損を計上するような株はむしろ積極的に売りました。

逆に2倍、3倍になってきたようなパフォーマンスの良い株については、「もっと上がるのではないか」と考え、持ち続けることが多かったと言います。

ダメな株は早く捨てる、これは言うのは簡単ですが、「こんな株を買ってしまった」と自分の過去の過ちを認める行為でもあり、行うのはそんなに簡単ではありません。

しかしコンマリ(近藤麻理恵)さんが言うように、ときめかない株はサッサと売るのにかぎります。

   Nv-talk

昨日の日経ヴェリタストークではそんなこともお話しました。

『こちら』で録画をご覧になれます。

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2021年12月 5日 (日)

テンバガー

今週の日経ヴェリタスは「テンバガー」の特集。

テンバガーとは10倍になる株のこと。

もともとウォール街の業界用語で、10倍になる株のことを「Ten Bagger (テンバガー)」と呼んでいました。

これは満塁ホームランのことを「フォーバガー」という野球の言い方を真似たものです。

「バグ(Bag)」とは野球の塁、すなわち「ベース」を意味し、2塁打のことを「ダブルバガー」と言います。

(注)ハンバーガーのバーガー(Burger)とはスペルと発音が違います。

一部の業界人だけが使っていたこの言葉を全国区にしたのは、ピーター・リンチ。

全米で100万部を超える大ベストセラーとなった彼の著作「One up on Wall Street (邦題 『ピーター・リンチの株で勝つ』 ダイヤモンド社、2001年)」の中で、この言葉を紹介したのです。

ピーター・リンチは1977年から90年までの13年間、マゼランファンドを運用。

年率平均29.2%の成績を残しました。

この間、彼が投資した中で100銘柄以上もの株がテンバガー(もしくはそれ以上)になりました(『こちら』)。

彼にとっての、投資家人生の中で最大の失敗(the biggest mistake)とは?

『投資した株がゼロ(全損)になったこともある。しかしそれは大した失敗ではない。

最大の過ちは、じゅうぶんに上がったと思って、優良株を早く売り過ぎたこと。

3倍になった、4倍になったと思って、売ってしまった株が後に20倍以上になったこともある。

トイザらスとかホームデポといった株だ。

それが自分にとっての最大の過ちだ』

詳しくは『こちら』のインタビューをどうぞ。

なお彼の個人資産は、約500億円はあると報じられています(『こちら』)。

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2021年12月 4日 (土)

滴滴(DiDi)によるNY上場廃止

中国にあるウーバーのような会社。

一言でいうと『滴滴出行(DiDi)』は、そんな会社です。

つまり中国の配車アプリ大手。

Didi  

  (From Wikimedia Commons)

今年6月にNYに上場した時には約8兆円の時価総額をつけました。

これは日本企業に置き換えると時価総額ランキング上位8位くらいに位置します。

その後、中国政府による規制強化が何度か報道されて株価は下落。

ついには昨日NY市場上場廃止を決め、香港市場への上場を準備すると報じられました。

その結果、昨日一日だけで、同社の株価は前日比で22%以上も下落し、時価総額は3兆円に。

これは、日本企業の時価総額ランキングで見ると、一気に8位から46位くらいまで落ちたことになります。

滴滴出行(DiDi)にはソフトバンクグループが出資しています。

ソフトバンクグループの四半期報告書(第42期第2四半期;『こちら』)を見ると、SVF1(ソフトバンク・ビジョン・ファンド1)による滴滴出行(DiDi)への投資額は12 billion dollars。

それが9月末時点では 7.5 billion dollars。

すでに9月末時点で 4.5 billion dollars の含み損を抱えていたことが分かります。

9月末に比して滴滴出行(DiDi)の株価は更に7.79 → 6.07 と22%下落しています。

ちなみに昨日のNYは上場している中国企業が総崩れ。

DiDi ▲22%

Alibaba ▲8%

Baidu ▲8%

NIO ▲11%

Li Auto ▲16%

XPeng ▲9%

といった状況でした。

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