GARP
一昨日は日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。
番組の最後の方でGARPが出てきます。
実はこの時、残り時間がほとんどありませんでした。
カメラの後ろで番組スタッフの方が『あと1分』の紙を掲げていました。
番組でお話しできなかった部分をこのブログで補足説明させて頂きます。
GARPとは、Growth At Reasonable Price の略。
バークシャーが1972年に See's Candies を買収した時。
買収価額はPBRの3倍だったと言われています。
バリュー投資的な考えからすれば割高だったのかもしれないのですが、バフェットは次の言葉を残しています。
It's far better to buy a wonderful company at a fair price than a fair company at a wonderful price.
(素晴らしい会社を適正な価格で買う方が、並の会社を素晴らしく安く買うよりもずっと良い)。
GARPはこの考え方で投資を行うもの。
金利上昇時にはハイテク株は将来キャッシュフローを現在価値に割り戻す際の割引率上昇の影響を強く受けるため(注:そもそも将来キャッシュフローが株式価値に占める割合が大きい)、株価が受ける下方圧力は通常株式に比べて大きくなります。
一方、同じGrowth株でもバフェットの言う a wonderful company はハイテク株とは少し違います。
彼が好きなのは、ブランド価値がしっかりあって、将来キャッシュフローがぶれにくいものです。
だからハイテク株に比べて、金利上昇に対する抵抗力が比較的強いと考えられています。
1972年、バフェットが See's Candies を買収した時、私はちょうど米国にいました(AFSで留学していた高校生でした)。
See's Candies のショップは私のいたカリフォルニア州 Newport Beach にはすでにありましたが、米国全体で見ると、それほど多くはありませんでした。
それが今では全米に200店舗ほどあり、米国外(香港やシンガポールなど)にも進出。
製品がしっかりしていて、ブランドに価値があれば、こういった横への展開(地域拡大)による成長が可能になるのです。
バフェットが最初にコカ・コーラに着目した時(1988年)、
『これを世界の人が飲み始めたら、この会社の企業価値は凄いことになる』。
こうバフェットは考えたと言われていますが、こうした考えに基づく投資手法はすでに See's Candies で実践済みだった訳です。
もっとも問題はこの種の美味しい話はそんなには多くはないこと。
素晴らしい会社が適正な価格でウロウロしていることは余りなく、たいていは高くなってしまっています。
なお一昨日出演したテレビ番組の方は『こちら』でご覧になれます。
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