« 2022年3月 | トップページ | 2022年5月 »

2022年4月24日 (日)

アメリカンTVシリーズ

「ネットフリックス」(以下ネトフリ)の契約者数が純減したことで、株価が下落しています。

たしかにネトフリについては「最近見ていないな」、「契約を止めてしまおうか」と思ったことも何度かありました。

しかし結局のところ、なんやかんやで今まで契約を続けてきています。

一方、ネトフリの競争相手「アマゾン・プライム」(以下アマプラ)。

これについてはストリーミング(動画配信サービス)だけでなく、アマゾンで買ったものが早く届くといった利点もあり(そもそもこれが理由でアマプラに入った)、番組を見なくなったからといって、「即、止める」といったことには繋がりにくい・・。

つまりネトフリとアマプラはある意味で異なった土俵で競争しているような気もします。

さて、私はネトフリなりアマプラなりで米国のTVシリーズを見るのが好きなのですが、以下これらのTVシリーズの寸評です。

星1つは(今イチ)、星5つは(最高評価)という意味ですが、全くの個人的感想に基づくもの。

以下、思いつくままに挙げていきます(つまり順不同)。

【LOST】星2

かなり昔に見ました。撮影はハワイの島で行われたのだとか。シーズン6まで続くのだそうですが、最後までたどり着けず(多分シーズン2くらいで止めた記憶)

【The O.C.】星3

これもかなり昔に見た作品。私は高校時代にAFSでニューポートビーチの高校に留学したのですが、この町が舞台だっただけに面白かったです。ただしMarissaが登場しなくなったシーズン4は全く面白くなくなり、途中で止めました。

【The Americans】星4.5

アメリカに潜入していたKGBのスパイの話。最終話の「我々はいったい何を成し遂げたんだろう」という言葉とそれに対する答えが秀逸。

【Chuck】星4

スタンフォードを中退したチャックがCIAの女性スパイと出会い・・。気楽に楽しめる作品です。

【24】星3

私が行きつけの理容院の理容師さんの数年前のコメントを思い出します。「アドレナリン、バクバクですね」。

【The Good Wife】星4

 夫がイリノイ州検事の専業主婦アリシアが13年ぶりに弁護士へと復帰。私はシカゴに5年ほど住んでいたので面白く見ました。

【Suits】星5

ドラマに出ていたメ―ガンさんがヘンリー王子と結婚するようになるとは、この時には夢にも思いませんでした。

【The Mentalist】星3

気楽に見れます。

 【Cold Case】星2

シーズン7まであるらしいのですが、シーズン1の途中で頓挫

【Rizzoli & Isles】星3

メンタリスト同様、気楽に見れます。 

 【Numbers】星3

天才数学者とFBI捜査官の兄の話。シーズン6まであるらしいのですが、途中までしか見ていません。

【ハワイアン・ファイブオー】星3.5

ハワイの景色を見るだけでも楽しめます。気楽に見れます。

【Designated Survivor】星3

ややリアリティに欠けるところが残念。

【Homeland 】星4.5

 双極性障害を持つ、極めて有能なCIAエージェントの話。

【Billions】星4

ヘッジファンドを運営する数千億円(ビリオンズ)の富豪と連邦検察官の戦い。

* * *

これは10数年以上にわたって見た番組のリストですが、こう列挙してみると、我ながらたくさんのテレビを見てきたことに驚かされます。

私が見るのはたいてい夜の11時から12時にかけて。

仕事で疲れた頭を切り替えて眠りにつくのに役立てています。

若い頃は、そんな切り替えは必要なく、布団に入ると直ぐに寝てしまったのですが・・

| | コメント (0)

2022年4月20日 (水)

「平和の配当」と「グローバリゼーション」の終焉

昨日(4月19日)のニューヨーク市場は3指標が全て上がり、ホッとした個人投資家も多いかもしれません。

しかし私は「今年の2月24日以降、世界は変わってしまった」との認識を持っています。

ひとつは、「平和の配当」の時代の終焉。

これはブッシュ大統領(父親)が好んで使った言葉ですが、

1989年にベルリンの壁がなくなり、

91年にはソ連が崩壊。

これにより、その後、世界は「平和の配当」を享受出来るようになったというもの。

米国の国防費(対GDP比)の推移を下記に載せます。

2560pxdefense_spending_as_a_percent_of_g

これを見ると(クリックすると大きくなります)、この言葉の意味が実感できます。

国防費がGDPの40%にも上った第二次世界大戦中のみならず、

朝鮮戦争の時も15%に迫り(統計によっては15%超えを示すものも)、

80年代は6%を超えていました。

それが94年以降08年まで5%を下回るようになったというもの。

この間、人々はグローバリゼーションの恩恵も受けてきました。

ユニクロ(ファーストリーティング)の服は人件費の安い国や地域で作られ、そのメリットを日本を初め世界の消費者が受けることが出来るようになってきたのです。

しかしトランプ政権以降、世界は「グローバリゼーション」から「非グローバリゼーション(deglobalization)」に行くのではないかと言われるようになりました。

それが今回の2.24で更に一層進んでしまった・・。

そんな認識を持っています。

もっともウクライナ避難民の人たちを助けようという輪が世界に広がっていることも事実。

そんな複雑な思いで、一昨日のテレビ(日経CNBC)に出演しました。

『こちら』で録画をご覧いただけます。

Veritas2_20220420081501

 

| | コメント (0)

2022年4月17日 (日)

ウクライナを横断するパイプライン

2021年、欧州諸国(EU)が使う天然ガスの45%がロシアから来たものでした(『こちら』および『こちら』)。

ドイツに至っては55%のガスがロシア産(『こちら』)。

これらのガスはパイプラインでロシアからEU諸国に運ばれていて、

主なルートは:

(1)バルト海を経由してドイツへ(ノルドストリーム1は稼働中、2は完成したものの認証作業停止)

(2)ベラルーシを経由してEUへ

(3)ウクライナを経由してEUへ

といったものになっています(下図参照。なお下図の出所は『こちら』)。

 Ukrain-pipeline

このうちウクライナを経由するものが、ロシアからEUに運ばれる天然ガス全体の3分の1(『こちら』)。

なお、話は少し脱線しますが、ウクライナ自身の天然ガスの産出と消費を見ると、以前は天然ガス輸出国でしたが、1975年をピークに生産量が減少、現在では輸入国になっています(『こちら』)。具体的にはロシアがEUに輸出したものを再輸入して自国生産では足りない分の天然ガスを調達しています(『こちら』)。

さて話をパイプラインに戻しましょう。

ロシアからウクライナを通ってパイプラインでEUに運ばれる天然ガス。

これは、タダでEUに運ばれるのではなく、通行料(transit fees)がロシアからウクライナに支払われています(以前、私が日本の商業銀行に勤務していた時、パイプラインのファイナンスをしたことがあり、その時のことを思い出しました)。

ロシアはウクライナ経由の輸送量を昨年から絞って他ルートにシフトさせてきていますが、昨年以前の段階ではウクライナ経由の輸送量は年間約800億m³。

ウクライナに支払われた通行料は年間30億ドル、ウクライナ政府の歳入の7%程度を賄っていました(『こちら』および『こちら』)。

さて、これは今、いったいどうなっているのでしょうか。

調べてみると、ロシアによるウクライナ侵略開始後の3月下旬の段階で、ロシアはウクライナに対して契約通り通行料を支払ってきているとのこと。

それもルーブルではなく、ユーロやドルのハードカレンシーで支払いがなされているとのことです(『こちら』)。

『ロシア軍はこれまでのところウクライナ国内を横断するパイプラインを損傷させるようなことはしておらず、ロシアはガスの輸送量を減らすようなこともしていない・・』

ウクライナ最大の国営石油ガス公社(NJSC Naftogaz Ukrainy)のCEOはこう語ります(『こちら』)。

もっとも、そう語るCEO自身は、ロシアからの砲撃が続く中、bunker(掩体壕)に身を隠しながら、ブルームバーグ記者とのインタビューに応じていたのだとか・・。

| | コメント (0)

2022年4月13日 (水)

PPAPをやめてみては?

今やどの企業もこぞってデジタル化推進を謳っていますが、掛け声とは裏腹になかなか進んでいないところも少なくありません。

日本政府が今後中央省庁での「PPAPを廃止する」と発表したのは、いまから1年半も前(20年11月)。

当時はデジタル庁がまだなく、これを発表したのはデジタル改革担当大臣(当時)の平井卓也氏でした。

政府の音頭取りにもかかわらず、実は多くの大企業は未だにPPAPを利用しています(私のところにも頻繁にPPAPでファイルが送られてきます)。

そもそもPPAPとは何?

一言で説明すると、メールでパスワード付きファイルを送り、パスワードを別送する方法です。

なんでこんな手の込んだことをするのか、送ってくる人に聞いたことがありますが、答えは「会社の決まりなので」。

メールに添付されているファイルを誰かが盗めるのであれば、同じ経路で送られてくるパスワードも当然盗める筈です。

したがって本当にセキュリティを厳格にしたいのであれば、もっと「意味のある」別の方法を考える必要があります。

さて、このPPAPですが、どういった英語を訳したものかと調べてみると、

・Passwordつきzip暗号化ファイルを送ります
・Passwordを送ります
・Aん号化(暗号化)
・Protocol

の略なのだとか・・。(従って外国人には通じません)。

政府もとっくに使うのを止めたことですし、日立など多くの IT 関連企業ももはや使っていません(『こちら』)。

未だにPPAPを使っていると、「IT リテラシーの低い会社」と思われてしまいます。

| | コメント (0)

2022年4月10日 (日)

永野裕之著『教養としての「数学 I・A」』(読後感想文)

  I-a

「なんだ、数学 I・A か。高校時代には数IIIまでやったし・・」と、なめてかかると痛い目に遭います。

本書は、公園のベンチで春の日差しを浴びながら楽しむたぐいの本ではありません。

もちろん個人差はあるのでしょうが、少なくとも私の場合はそうでした。

きちんと机に向かって、ボールペンと紙を横に置きながら、

一つひとつ数式や図形を書いて確認しながら読み進む・・。

そんな感じの本です。

たとえば、冒頭(に近い方で)いきなり出てくるのが、

Photo_20220409213601

これ自体は大したことのない数式なのですが、さて、この証明ってどうやるのだったでしょうか。

単純に式を解きほぐすと左側から右へと結果が得られます。

それだけでは、how to に基づいて右側を算出しているだけ・・。

図刑を使って証明してみると、ちょっと難しい・・(本書に説明が出てきます)。

続いて出てくるのが因数分解、三角比などなど・・・。

本書の最後の方では、正多面体がこの世には5種類しか存在しないことの証明や、オイラーの多面体定理の話も出てきます。

私は標準偏差や正規分布の本は別途読んでいるので、

このあたりの説明(第5章)はスーッと頭に入ってきました。

著者の説明の仕方が上手いこともあって、「公園のベンチの読書」でも平気でした。

しかし社会人として日ごろ慣れ親しんでいない分野(つまり私の場合、本書全体の80%くらい)になると、話が違ってきます。

定理や公式の導き方や証明をまさに食らいつくように、一つひとつ征服していき、1頁、1頁を進んでいく・・。

やや大袈裟ですが、私にとっては知的格闘技といった感じでした。

余談ですが、iPhone の電卓アプリを呼び出して、本体を横にすると、sin、cos、tan などの計算がすぐに出来ます。

10年以上 iPhone を使っていて(iPhone 4S から)このことに気づかず、本書で初めて知りました。

| | コメント (0)

2022年4月 1日 (金)

バフェットによる日本の商社株投資から分かること

バークシャー・ハザウェイのアニュアルレポート(『こちら』)を見ると、彼らは下記3社などの日本の商社株を有していることが分かります(アニュアルレポート7頁)。

三菱商事    2,102百万ドル(簿価ベース)

伊藤忠商事 2,099 百万ドル(簿価ベース)

三井物産  1,621百万ドル(簿価ベース)

一方で、円建て債を発行して円ベースの負債(残高 6,797百万ドル)も抱えています(アニュアルレポートK-99頁)。

バークシャーは上記以外にも日本の商社株を保有していると考えられますが、保有株として個別開示されるのはバークシャー全体の保有株のうち上位15社のみ。ちなみに最も多く持っているのはアップルの株式で31,089百万ドル。日本の上記商社勢は15社の中で、保有残高ベースで7~9番目に位置します。

いずれにせよバークシャーとしては円建ての資産(上記3社などの日本株)に見合う円建ての負債を敢えて抱えて、円ドルの為替のポジションをスクウェア(為替変動に中立的)に近いものにしていると思われます。

このように海外の投資家は、日本株の株価変動リスクが円ドルの為替リスクと混同されてしまうのを嫌います。

実例で見てましょう。

昨年末に日経平均を買った場合、28,791.71円(昨年末)が27,821.43円(3月末)となりましたので、▲3.4%のマイナスのリターンとなりました。

しかし例えば米国の投資家にとってみれば、バークシャーのような円建て負債を敢えて作らない場合には、

為替が115.02円(昨年末)から122.39円(3月末)に円安に進んでいますので(注:為替はTTM公示レート)、

ドルベースのリターンは、250.32ドル(=28,791.71円÷115.02円)から227.32ドル(=27,821.43円÷122.39円)へと、▲9.2%も下落してしまったことを意味します。

ちなみにこの間、ダウ平均株価は、36,338.30(昨年末)から34,678.35ドル(3月末)へと、▲4.6%の下落で済んでいます。

日本政府は海外にまで出かけて行って「Buy my Abenomics!」と外国人投資家に日本株への投資を呼び掛けてきました(『こちら』)。

しかし外国人投資家の立場からすると、たとえ日本株が値を上げても為替でやられてしまっては元の木阿弥。

つまり世界の投資家を呼び込むためには円安にならないことが重要なのです。

このことに四半世紀以上前に気がついたのは、1995年に米国財務長官に就任したロバート・ルービンでした。

彼はクリントン大統領(当時)に対して、こう助言したと言われています。

「大統領としていろいろとやりたいことがあるのでしょうが、歴史に名を残したいのなら、ドル高政策を進めることです」。

それまで米国では、安いドルが輸出を促進し、企業の競争力を高めると考えられていました。

しかし財務長官に就任する前の四半世紀をウォール街のゴールドマン・サックスで過ごしたルービンは、ドル高にすることで世界の資金を米国に集めることができると考えたのです。

輸出入といった「もの」の動きよりも、「お金」の動きに着目し、世界中から集まる資金をテコとして、米国の企業が積極果敢に投資を行い、経済を成長させていく・・。

ルービンはこうしたダイナミックな資本主義のモデルが成功すると信じていたのです。

* * *

この続きは日経新聞電子版でご覧ください(『こちら』)。

日曜日(4月3日)発売の日経ヴェリタス紙にも掲載されます。

| | コメント (0)

« 2022年3月 | トップページ | 2022年5月 »