永野裕之著『教養としての「数学 I・A」』(読後感想文)
「なんだ、数学 I・A か。高校時代には数IIIまでやったし・・」と、なめてかかると痛い目に遭います。
本書は、公園のベンチで春の日差しを浴びながら楽しむたぐいの本ではありません。
もちろん個人差はあるのでしょうが、少なくとも私の場合はそうでした。
きちんと机に向かって、ボールペンと紙を横に置きながら、
一つひとつ数式や図形を書いて確認しながら読み進む・・。
そんな感じの本です。
たとえば、冒頭(に近い方で)いきなり出てくるのが、
これ自体は大したことのない数式なのですが、さて、この証明ってどうやるのだったでしょうか。
単純に式を解きほぐすと左側から右へと結果が得られます。
それだけでは、how to に基づいて右側を算出しているだけ・・。
図刑を使って証明してみると、ちょっと難しい・・(本書に説明が出てきます)。
続いて出てくるのが因数分解、三角比などなど・・・。
本書の最後の方では、正多面体がこの世には5種類しか存在しないことの証明や、オイラーの多面体定理の話も出てきます。
私は標準偏差や正規分布の本は別途読んでいるので、
このあたりの説明(第5章)はスーッと頭に入ってきました。
著者の説明の仕方が上手いこともあって、「公園のベンチの読書」でも平気でした。
しかし社会人として日ごろ慣れ親しんでいない分野(つまり私の場合、本書全体の80%くらい)になると、話が違ってきます。
定理や公式の導き方や証明をまさに食らいつくように、一つひとつ征服していき、1頁、1頁を進んでいく・・。
やや大袈裟ですが、私にとっては知的格闘技といった感じでした。
余談ですが、iPhone の電卓アプリを呼び出して、本体を横にすると、sin、cos、tan などの計算がすぐに出来ます。
10年以上 iPhone を使っていて(iPhone 4S から)このことに気づかず、本書で初めて知りました。
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