些細なエピソードが面白い
ソニーの平井さん(前CEO)が書いた『ソニー再生』。
1年ほど前の本なのですが、些細なエピソードが面白く読めます。
彼が社長になった後で、海外に出張した時の話なのですが、以下、本書173~4頁より。
『ホテルの部屋に入るとソニーのテレビが置いてあった。
でも何かがおかしい。
テレビの裏側を見るとホコリがまったくない。
室内の他のものと比べて配線が明らかに新しいことも気になった。
「もしかして・・・」
ホテルを手配してくれた現地のスタッフに聞くと案の定だった。
東京から本社の役員が来るときは部屋のテレビをソニー製に取り換えているのだという。
「なんでそんなことをするかなぁ・・・」
とため息をつきながらテレビを眺めたのを覚えている。
これはなにも現地のスタッフが悪いわけではない。
今まではそれが当然だったのだろう。
だから、いちいちこちらの意図を説明して改善してもらった。』
ソニーの株価は2000年3月には16,950円をつけました(分割調整後)。
それが2012年11月には772円にまで下落。
▲95%もの下落です。
その後、右肩上がりになって、今年の1月には15,725円にまで回復。
約10年で20倍になりました。
現在11,425円ですが、この水準でも当時の15倍になります。
平井さんは如何にしてソニーを再生させたのか・・。
その秘密が本書に書かれています。
成功した経営者の本は往々にして日経新聞「私の履歴書」のように自画自賛ものが多いのですが、
不思議とそういったものを感じさせない本でした。
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