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2022年8月 6日 (土)

米国のインフレは終息へと向かうのか、それとも、まだまだなのか

【1】米国長期金利推移

米国の長期金利(10年もの国債利回り)は6月14日に3.483%をつけた後、下落に転じて、8月1日には2.606%をつけていました。

10-yr-t-yield

【2】為替レート推移

これに呼応するように、為替相場も7月14日、139.39円/$から、8月2日、130.39円/$へと円高に推移。

Fx

半月で9円も円高に振れたので、FXのトレードをされている方にとっては緊張する相場展開だったと思います。

こうした相場展開の背景には、FRBによる度重なる利上げで、米国は景気後退局面に入るのではないか(あるいはもうすでに入っているのではないか)との見方が台頭してきたことがあります。

【3】FRBによる利上げ推移

FRBによる利上げ推移を見ておきましょう。

Fed-fund-rate

(1)22年3月16日に0.25%利上げして、利上げ後:

0.25~0.50%(Fed Funds Rate target rate)

(2)22年5月4日に0.50%利上げして、利上げ後:

0.75~1.00%(Fed Funds Rate target rate)  

(3)22年6月15日に0.75%利上げして、利上げ後:

1.50~1.75%(Fed Funds Rate target rate)  

(4)22年7月27日に0.75%利上げして、利上げ後:

2.25~2.50%(Fed Funds Rate target rate) 

【4】原油価格推移

一時は120ドルを超えていた原油価格(WTI)も88ドルにまで落ち着いてきました。

Wti_20220806160201

【5】消費者物価(CPI)推移

それでは肝心の消費者物価はどうなのかというと、7月のCPIは8月10日(8:30AM)の発表を待たなくてはなりません。

今年2月以降の推移は:

2月 7.9%

3月 8.5%

4月 8.3%

5月 8.6%

6月 9.1%

以下は2012年以降のCPI推移のグラフと表です。

Cpi

Cpi_20220806161101

【6】雇用統計

こうした中で昨日発表された米国の7月雇用統計。

非農業部門の就業者数は前月比で528,000人増加(事前予想250,000人)。

失業率も3.5%に低下。

以下、2012年以降の失業率推移のグラフと表です。

Photo_20220806163301

Photo_20220806163501

新型コロナのパンデミックが始まる前、米国での就業者数は152.5百万人いました。

それがコロナの影響で22百万人減少しましたが、今や、コロナ禍前の水準に戻ったと解されています。

以下は昨日のNY Timesのグラフ。

Ny-times

【7】どう読むか

こうした雇用の強さはどう解すべきなのでしょうか。

米国経済はまだ景気後退には陥っていないのではないか。

だとすると、心配になってくるのはインフレ率の方です。

7月の平均時給は前月比0.5%増となり、事前予想の0.3%増を上回りました。

一昨日までの段階では、次回のFOMC(9/20~9/21)には、0.5%の利上げを予想する市場関係者が多かったのですが、上記雇用統計の発表を受けて、一転、0.75%の利上げを予想する人が増えてきました(大半が0.75%を予想)。

こうした結果を受けて、

昨日1日で、10年もの米国債利回りは2.84%に跳ね上がりました。前日は2.676%でしたので、0.164%の上昇、率にすると6.13%(=0.164÷2.676)になります。

S&P500は、0.16%下落し、為替は135円へと2円近くも円安に触れました。

さて、10日(米国時間)に発表される7月のCPI。

これはいったいどういったものになるのでしょうか。

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