ドキュメンタリー映画『ウォーレン・バフェット氏になる』
2017年1月にHBOから配信されたドキュメンタリー映画、『ウォーレン・バフェット氏になる』。
アマゾン・プライムの『こちら』でご覧になれます(1時間28分)。
映画を観たからと言って、バフェットになれる訳でもなく、観た人の投資にそれほど役に立つわけでもありません(もちろん役に立つ金言は出てきますが・・)。
映画が撮影されたのは2016年。
ウォーレン・バフェットが86歳の時です(彼は今月末で92歳になります)。
毎朝、ネブラスカ州オマハ市の自宅から自分でクルマを運転してオフィスに出勤するバフェット。
彼は54年間、毎日、これをやり続けていると言います(注:新型コロナが猛威をふるっていた時は自宅で仕事をしていたそうです)。
映画が撮影された86歳の時、バフェットが保有する個人資産は673億ドル(1ドル130円換算で8兆7000億円)。
にもかかわらず彼が住む家は特段の豪邸でもなく、普通の家で、オフィスも普通(オフィスは人と人がすれ違えないほど廊下が狭い)。
運転するクルマもベンツやレクサスではなく、普通のアメ車(GM車、まぁ一応キャデラックでしたが・・)。
もちろん運転手が別にいる訳でもなく自分で運転。
オフィスに着いて、誰かが出迎えてくれる訳でもありません。
日本では年収1億円以上の報酬を得ている上場企業役員が652人いると言いますが、
恐らくは、その多くは毎朝運転手が自宅に迎えにきてくれて、
会社まで送っていってもらうという生活をしているかと思います。
さて、バフェットですが、
毎朝、自宅から会社へ向かう途中、地元のマクドナルドに寄ります。
そしてマックのドライブスルーで朝食を注文。
日によって選ぶメニューが違い、2ドル61セントだったり、2ドル95セントだったり、3ドル17セントだったりするのだとか。
これを袋に入れてもらって、オフィスに持ち込み、自分の席でマックの朝食を食べます。
現在、時価総額6,700億ドル(87兆円)、世界第7位のバークシャー・ハサウェイ社には、昔も今も25人のスタッフしかいない(オフィスで働いている人数)と言います。
広報部や人事部などなく、コミティ―(委員会)という名の組織も一切ない。
「形式的なものは肌に合わないんだ」とバッフェト。
映画は、地元の高校生のクラスに招かれ、そこでのバフェットによるスピーチを軸に進められていきますが、バフェットが住む家、働くオフィス、そして家族や会社の仲間を見ることが出来て、興味深いものでした。
13歳の時にすでに所得税の確定申告をしていたというウォーレン・バフェット。
やはり常人ではありません。
映画を観終わっての感想ですが、バフェットにとっては、投資こそが、もっともフェア(公平)な戦いの場であったのだと思います。
そして彼はその戦いを見事に勝ち抜いてきたのでした。
金額の多寡、プロアマを問わず、少しでも株式投資の世界に触れている人には一見に値する映画だと思いました。
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