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2022年11月27日 (日)

調査部門の縮小

今年に入ってから、マーケットで起きている株価下落の現象。

その主たる要因は米国、欧州などで金利が上がっているからで、リーマンショックの時とは状況が違う。金融システムは健全だ・・。

一般的な解釈はこういったものです。

ジェイミー・ダイモン氏(JPモルガンのCEO)も、

『米国の金融機関は幾つものストレステストに合格し、昔に比べ、はるかに健全だ』

とコメント。

それはそれとして、欧州に目をやると、名門クレディ・スイスの株価下落が止まりません(下図)。

先週金曜日(25日)の株価はチューリッヒ市場で5%下落、NYで6%下落。

手元にデータのある1995年以降では過去最低の水準に・・。

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 (上図はクレディ・スイスの株価推移;22年1月~11月)

クレディ・スイスの創業は1856年にまで遡ります。

日本では島津家養女篤姫が将軍徳川家定に嫁いだ年です。

166年もの歴史を持ち、スイス第2位の規模を誇る名門銀行なのですが、

すでに昨年の段階で、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの運用破綻で約50億ドルの損失を確定(21年4月)。

さらにグリーンシル・キャピタル関連のトラブルも発覚。

その後の主なニュースだけを拾ってみても・・・。

今年1月にはアントニオ・オルタオソリオ会長が辞任(新型コロナウイルス感染予防の隔離規制違反を巡り取締役会から内部調査を受けていた)。

2月、調査報道によって9200億円の不正預金問題が浮上(クレディ・スイス側は否定)。

6月には、スイス連邦刑事裁判所がクレディ・スイスに対して、ブルガリアの麻薬組織によるコカイン密輸に係るマネーロンダリングを容認したとして、200万フラン(約2億8千万円)の罰金を支払うよう命令。 

10月27日に発表された第3四半期決算では4,034百万スイスフラン(5900億円)の損失を計上。

クレディ・スイス債の5年間の保証コストを反映するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは約293ベーシスポイントを記録するに至っています。

Cds

顧客資産の流出も伝えられ、時価総額は1.3兆円にまで低下してしまいました。(参考までに、みずほの時価総額が4兆円、JPモルガンの時価総額は56兆円です)。

こういった状況に対応すべく、クレディ・スイスは(1)889百万株の新株を株価2.52フランで既存株主宛てに発行する(2)サウジ・ナショナル銀行などの新規の株主に対して新株を発行する(サウジの持ち株比率は上限9.9%)ーなどの資本増強策を発表。

日経新聞が10月27日に報じたように、事業構成の抜本的な見直しも発表。

Creditsuisse

   (上図は同日付の日経新聞より)

* * *

さて、そんな中で発表されたのが、クレディ・スイスの「日本における株式調査部門」の縮小。

自動車、総合電機、半導体、通信などの分野でのカバレッジを止めることにしたとの報道が伝わってきています(日経11/25)。

これを見た私などは、

『自動車、総合電機、半導体、通信などを止めて、いったい何が残るのか。縮小ではなくてもしかすると事実上の撤退?』

と勘ぐってしまいましたが、

いずれにせよ名門クレディ・スイスが日本の株式調査市場にいずれまた本格的に戻ってくることを期待したいと思います。 

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