2022年を振り返って
私たちの公的年金(厚生年金、国民年金)は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によって運用されています。
具体的に何で運用しているのかというと、(1)国内債券、(2)外国債券、(3)国内株式、(4)外国株式。
これらへの運用割合は(おおよその割合ですが)各々4分の1ずつです。
バランスを取ることによって、たとえば株がダメでも債券に期待(逆に債券がダメなときは株に期待)し、長期に亘って安定した運用益を確保したいという考え方が根底にあります。
もっとも国によって考え方は違い、たとえば米国連邦政府の場合は株式や外国債券での運用を認めていません。
つまり米国のソーシャル・セキュリティ「Social Security (Old-Age, Survivors, and Disability Insurance) Program」のもとでは、全てが米国債で運用されています。
さて11月4日にGPIFは今年度の第2四半期(7月~9月期)の運用成績(1兆7220億円の赤字)を発表。
ポイントは国内外の債券と株式、つまり上記4つのカテゴリーで何れも赤字だったことです。
具体的には、
(1)国内債券 ▲3982億円
(2)外国債券 ▲7644億円
(3)国内株式 ▲3679億円
(4)外国株式 ▲1916億円
でした。
(注)それでもGPIFが2001年度に市場運用開始した以降の収益率は年率3.47%で、累積収益は99兆9567億円に及びます。
2022年は斯様に運用する人にとっては難しい年でした。
11月末にFinancial Timesは、1871年以降、2022年(11月末)までの米国株と米国債券での運用成績をチャートにしてまとめました。
結果は下図の通り。
株(グラフの水平軸)だけでみると、1931年、37年(何れも大恐慌)、2008年(リーマンショック)など、今年より悪い年はありました。
しかし株と債券の両方(グラフの横軸と縦軸)で見ると、今年の米国は1871年以後で最悪の年でした。
151年に及ぶ歴史の中で、最悪とされる年を乗り切ったーこれは自信に繋がるのか、安堵に繋がるのか、分かりませんが・・・
来年が今年よりも良くなるという保証はどこにもありません。
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