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2023年3月29日 (水)

「大波が来たら船の真正面からぶつかっていけ」

三國清三さんの『三流シェフ』

ヒットした本なので読まれた方も多いと思います。

日経新聞に連載されている『私の履歴書』のようだとの感想を言う人もいますが、

私は、「この本は著者の若い頃の冒険を語った小説のようだ」(もちろん実話なのですが)

との読後感を持ちました。

フランス料理の歴史だとか、フランスの有名シェフたちの話とか、普通の人があまり知らない話も多く出てきます。

        Photo_20230225210902

何よりも、ふだん我々が目にすることのない厨房の中。

そこで、いったいどんな世界が繰り広げられているのか、これはチョット興味津々・・。

かつて日本が世界を席巻した半導体製造では今や台湾が強くなり、液晶は韓国、台湾。

そういった現代において、日本が誇れる分野の1つが料理です。

たとえそれがフランス料理やイタリアンであっても、

日本人シェフはかなりの国際競争力を持つように思います。

日本を訪れる外国人の多くは、

日本で食べる食事が「美味しくてしかも値段が異様に安い」と舌鼓を打ちつつ驚嘆します。

* * *

北海道の増毛という漁師町から世界に飛び出した著者の若い頃は、波乱万丈、

文字通り小説のように面白い話が次から次へと展開していきます。

ただ、なぜか、私にとっていちばん印象に残ったのは、

超一流のシェフになっていく著者の「冒険」の部分ではなく、

著者の父親の一言。

漁師だった父親は冬の大荒れの海で著者にこう教えたと言います。

「大波が来たら逃げるな。船の真正面からぶつかっていけ」

「逃げようとして、波を横腹に受ければ船は沈む。大波が来たら、舳先を真っ直ぐ波に向けて思い切り漕ぐしかない」

詳しいことは忘れてしまいましたが、私が子供の頃に読んだ漫画にもこれと同じシーンが出てきました。

ジャワ島かどこかで、津波に襲われる船の話だったのですが、

舳先を真っ直ぐ波に向けることで見事、津波を乗り切った話です。

高校時代、AFSで留学した先の米国の家族(とくに父親)はヨットが好きで、荒波の中、一緒に航海したことが何度かあります。

その時も同じことを言われました。

「大波が来たら逃げるな。船の真正面からぶつかっていけ」

三國さんは、その後の人生で(恐らくは困難に際してのことでしょう)何度もこの言葉を思い出したと著書の中で述べています。

逃げたらダメです。

正面からぶつかるしかない。

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2023年3月28日 (火)

Viability Event

3月23日付のFINMA(スイス金融市場監督機構)の発表文を読むと、

クレディ・スイスのAT1債は、

特別な政府支援を受ける場合には契約上(社債発行約款上)全損になると記されています(『こちら』)。

Finma

(下記が原文)
The AT1 instruments issued by Credit Suisse contractually provide that they will be completely written down in a “Viability Event”, in particular if extraordinary government support is granted.

* * *

つまり機関投資家がAT1債に投資するに際して、きちんと発行要綱(目論見書)を読み込んでおけば、投資家として今回のような問題(株主よりも先に全損を被ってしまう)を予見できた筈です。

投信の運用会社はその辺のところにどう答えるのでしょうか。

日経新聞にCaygan Capital Ltd.の中川成久氏の発言が掲載されていました(『こちら』)。

「スイスには全額減損もありえる特別なトリガーがあるのは機関投資家の常識だ」。

中川さんのところではスイスのAT1債を投資対象から外していた旨が、日経の記事では紹介されています。

機関投資家として、このようにきちんと調べておけば火傷せずに済んだということなのでしょう。

はたして今回傷ついた多くの機関投資家は、この『Viability Event条項』があるのを知っていて、それでもなおAT1債に投資したのか、

それとも知らずして投資してしまったのか・・・。

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2023年3月27日 (月)

クレディスイスAT1債無価値化

FINMA(スイス金融市場監督機構)の発表によると、クレディスイスAT1債は金額(額面)にして総額160億スイスフラン(日本円で2兆2000億円)。

投資家から訴訟が提起されていて、AT1債が最終的に無価値になるのか、ならないのか、まだ分かりません。

(スイス当局発表では無価値です)。

Credit-suissejpg

 Photo from Wikimedia Commons, the free media repository

問題はこれを保有している投資信託などが、日本にも結構あること。

野村アセットマネジメント、三菱UFJ国際投信、アセットマネジメントOne、日興アセットマネジメントなどが委託会社となって運用している複数のファンドが、

クレディスイスのAT1債を保有しています。

トータルで2兆円強ですので、日本のファンドに入り込んでいるものは、

1件あたりにするとさほど大きくはなく、恐らくは、余り心配することもなさそうですが・・。

なお運用会社(委託会社)によってディスクロージャーの程度が違います。

『こちら』はニッセイアセットマネジメント株式会社の告知ですが、

他社よりも詳しく好感が持てました。

もっとも「クレディスイスは大丈夫だろうか」と騒がれていたのは2年ほど前から(『こちら』)。

投信の運用会社としては少しでも運用利回りを稼ぐために、クレディスイスのAT1債に手を出したのでしょうが・・。

「止めておけば良かったのに」

と感じてしまいます。

しかし同時に、今になってそれを言うのは、酷な気もします。

株主がある程度資金回収出来るのに、

一方で、AT1債投資家は全損を被るとは、

殆どの市場関係者にとって予想できない決着だったからです。

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2023年3月26日 (日)

JTCの問題は、JTCの中にいると、自分たちがJTCであることに気がつかないこと(その4)

(その4まで続くシリーズの4回目です)

【4】内向きのカルチャーや企業風土からの脱皮

ネットで若い人たちの間で頻繁に取り上げられているJTCの問題は、多くの場合は内向きの企業風土やカルチャーといった問題に集約される。

実際のところ、JTCの中間管理職(部長、課長)たちは、どこに力を入れているか。

時として、外に出て顧客から仕事を取ってくるよりも、むしろ内向きの営業に力が注がれていたりすることがあるようだ。

この辺のところが若手にとっては気になるのだ。

たとえば、ある大企業の地方支社では社長が来るというので、支社をあげて事前リハーサルをするという。

それも1回だけでなく、何回も・・。

2018年までソニーの社長だった平井さんが本に書いていたが、

海外出張の時、平井さん(社長)が泊まるホテルの部屋のテレビがソニー製だった。

ところがテレビの裏を覗いてみると、ホコリ一つない。

ホテルの部屋に設置されたテレビの裏がホコリ一つないというのはオカシイ。

室内の他のものと比べて配線が明らかに新しい。

ホテルを手配してくれた現地のスタッフに聞くと

『東京から本社の役員が来るときは部屋のテレビをソニー製に取り換えているのだ』という。

「そんなところにエネルギーを使うな」というのが、平井さんの考え。

このように往々にしてJTCにおいてはエネルギーが社内に向けられてしまう。

本来は外にベクトルが向いて、外の顧客相手に営業して利益を上げていかなければならない。

こうした内向きのカルチャーは、社長が率先して変えていくしかない。

【追記】

今回、4回にわたってJTCについてブログを書く切っ掛けとなったのは、3/12付の日経ヴェリタス紙の巻頭特集記事です。

実は、日経ヴェリタスのこの号では、編集後記がいちばん読みでがありました。

『編集後記がいちばんなんて、そんな失礼な』というヴェリタス編集部の声が聞こえてきそうですが、

気配りせずに自由に書ける「編集後記」ならではの文章。

著作権の問題もあり、「編集後記」とは言え、全文掲載は難しそうですが、以下、一部(というか、かなりですが、すみません)勝手に掲載します。

全文ならびに今回のヴェリタス巻頭記事は『こちら』からお求めください。

   1_20230324214801

* * *

『今回の巻頭特集で世代間の断絶をリアルに感じました。14人の記者と取材チームを組んだのですが、50歳代は私だけ。

「JTCで何かを表現して」と頼んだら、邪魔する(J)、突然むちゃぶり(T)、ちゃんとしていない(C)との答えが返ってきて・・。』

* *

『いつの時代も世代間ギャップはあるものですが、

今の若者の怒りは、上の世代が想像するよりはるかに大きい模様。

年功序列といった仕事の話だけでなく、社会保障から気候変動まで「我々が損するのは上の世代のせいだ」』。

* *

『怒りは何も生まない、共感が大切といった安易な結論では済まない大問題』

です。

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2023年3月24日 (金)

JTCの問題は、JTCの中にいると、自分たちがJTCであることに気がつかないこと(その3)

(その4まで続くシリーズの3回目です)

【3】多様性と公平性

日本企業が、JTCと揶揄されることから脱皮する上で、いちばん重要なのは多様性と公平性だと思う。

別言すれば、差別がなく、フェアであるということだ。

この点は私自身、かつて外国人投資家ともよく議論したが、日本はまだまだ遅れている。

たとえば、日経ヴェリタス紙面(3/12付)でも取り上げられた日立製作所は、

日本の中では先進的な企業として評価されている。

日立は、2020年には早々と「入社式」を廃止している。

(別にだからと言って先進的という訳ではないのだが、その他にもヴェリタス紙3頁にあるように、日立はいろいろな取り組みをしている)。

なぜ入社式を廃止したのか。

経営陣によれば「新入社員には日立という会社に入るのではなく、日立という会社でキャリアを積むという考え方を持って欲しい」からだと言う。

そして入社式に代わって、キャリア・キック・オフ・セッションと呼ぶイベントを開催することにしたという。

斯様に先進的な考えの日立であっても、いちばん最近の英文の統合報告書(2022年integrated reports)を覗くと、

executive officers として11人が顔写真付きで登場するが、

全員が男性で、それも10人まで日本の男性。女性は1人もいない。

統合報告書の中を読み込んでみると、

「2030年度までにexecutive and corporate officersにおける女性や外国人の比率を30%にする、

2024年度までに、この比率を取りあえず15%にする」

と書いてある。

しかし外国人投資家の目からすると、このスピード感で平気かなと思ってしまう。

いずれにしても多様性と公平性がないと、グローバルなレベルで優秀な人は採用できない。

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しかもヨーロッパの投資家や顧客の目は厳しい。

何れかの時点で彼らから相手にされなくなってしまうリスクさえあり得る。

JTCはこのことを頭の片隅に置いておくべきだと思う。

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2023年3月23日 (木)

JTCの問題は、JTCの中にいると、自分たちがJTCであることに気がつかないこと(その2)

(その4まで続くシリーズの2回目です。第1回は3月13日に掲載しました)。

【2】JTCの中にいると気がつかない

JTCとは、Japanese Traditional Companies (日本の伝統的な企業)の略なのだが、

ネットの世界では、古い体質を引きずる企業の意味でつかわれる。

JTCの問題は、JTCの中にいると、自分たちがJTCであることに気がつかないことだ。

「自分の勤める会社はJTCではない」

こう思う人も多いだろう。

しかし・・

たとえば日本のような形で入社式をやっている会社は海外(欧米)にない。

海外の企業にも

New Hire Orientation とか、Onboarding というeventはあるし、

会社によっては、Senior Management による Welcome Breakfast や Welcome Lunch があったりするが、

これらは日本の入社式とは全然違う。

そもそも海外では新卒一括採用がない。

新入社員が軍隊のように同じようなリクルートスーツを着て、

会社の講堂やホテルの大広間で一堂に会して、

社長のスピーチを聞くというのは、異例だ。

数百人のリクルートスーツに身を固めた新入社員を前にして、

社長が

「これからの時代は多様性だ。イノベーションだ」

と訓示するのは、悪い冗談としか思えない。

「入社式くらいに目くじらを立てるな。どこの会社でもやっている」

こう言う人も多いだろう。

しかし例えば日立製作所は、

2020年に早々と「入社式」を廃止している。

* * *

ところで話はそれるが、

日本企業のJTC的な実態は、海外投資家にかなりの程度、知れ渡ってしまっている。

日本の企業経営者が海外IR(海外投資家説明会)の資料で、

「当社は多様性を重んじ、新しい人事制度をスタートさせました」

と謳ってみても、

投資家の方は「実のところはどうなのだ」とチェックを入れているケースがほとんどだ。

たとえば、今ではネット上で会社の評価が様々な局面で語られている。

3/12号の日経ヴェリタス紙の記事にも出ているOpenWorksの口コミサイトには、500万人を超えるユーザーが登録。

6万社を超える会社に関して、合計1,300万件もの口コミ(1社平均200件以上)が寄せられている。

下記の書にも詳しい(『こちら』)。

Openwork

OpenWorks の大澤陽樹社長によれば、

同社の口コミサイトは海外投資家にも読まれていて、

海外の名だたるヘッジファンドから

「OpenWork口コミデータを投資モデルに組み込めないか、検証させて欲しい」

といった話さえ来るという(『こちら』)。

もちろんレストランの口コミサイトの例で分かるように、

ネット上の口コミには限界がある。

だから注意が必要だ。

しかし数多く読むうちに(これもレストランの口コミサイトと同じなのだが)

どれが偽物でどれが本物なのか、分かる人には何となく分かるようになってくる。

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2023年3月19日 (日)

債券は満期まで持っていれば安全か

【質問】債券は満期まで持っていれば安全ではないのか。

【答え】違います。

100億円の債券(例えば金利0.25%)を10年間持っていて、10年後の満期に100億円返ってきたとします。

持っている間の10年間、毎年、2500万円もの金利が支払われ(単純化のために年1回の利払いを仮定)、

しかも満期にきっちりと100億円が返ってくるのであれば、損が無いのではないか?

こう思う人もいるかもしれません。

たしかに、市場での金利水準が10年間の間にまったく動かないのであれば、損も得もありません。

しかし市場金利が動いてくると話が違ってきます。

なおここでは債券の信用リスクは無いものと仮定して話を進めます。

「債券投資に係る金利変動リスク」

に的を絞って話を進めたいからです。

さて・・

債券投資をして、市場での金利が0.25%から4.75%になってしまったとしたらどうでしょう。

(注:実際には1年間かけてFRBは金利を0.25%から4.75%に引き上げたのですが、計算を単純化するために、直ぐに上げるものと仮定)

あなたが10年後に受けとる100億円の実質的価値はもっと下がってしまいます(単純化のために金利=インフレ率と想定します)。

毎年4.75%ずつでインフレが進むと、10年後のお金の価値は100億円が62.87億円に減価してしまいます。

これは計算式にして、実際に計算してみると分かります。

すなわち

100億円(現在価値)

=100億円×(1÷1.0475^10)

となります。

ここで「1.0475^10」は1.0475の10乗を意味します。

1.0475の10乗は計算すると1.5905です。

つまり 

100億円(現在価値)

=100億円×(1÷1.5905)

=100億円×0.6287

=62.87億円です。

10年後、全てのものの値段が上がっている為、

10年後にあなたが受け取る100億円は62.87億円の価値しかないのです。

債券の投資家は10年後の元本だけでなく、

毎年金利を受け取ります。

10年間に受け取る金利の現在価値も併せて計算します。

1年目に受け取る金利の現在価値

=100億円×0.25%×(1÷1.0475)

=2387万円

同じように

2年目に受け取る金利の現在価値

=100億円×0.25%×(1÷1.0475^2)

=2278万円

このようにして

10年間に受け取る金利の現在価値を計算して行って、

その総和を 求めると:

1.95億円になります。

先ほど求めた10年後にあなたが受け取る元本100億円の現在価値に、

毎年受け取る0.25%の利息の現在価値を足し合わせることで、

100億円(年1回で利息0.25%を支払う)の債券の現在価値を計算することが出来ます。

すなわち

 62.87億円+1.95億円=64.82億円

となります。

つまり金利が0.25%から4.75%に上がると、

100億円の債券は64.82億円に減価します。

このように債券への投資は金利リスクを伴います。

米国の国債など信用リスクを殆ど無視し得るものであっても、金利が上がると減価してしまうのです。

計算すれば分かることですが、とくに満期までの年限が長いものほど(長期のものほど)減価の割合が高くなります。

いま起きている米国のシリコンバレー銀行、First Republic Bank、あるいは日本の地方銀行などの問題の背景には

こういった債券投資に固有のリスクが絡んでいます。

なお債券価格を算出する簡単なプログラム(Bond Calculatorなどと呼ばれる)や簡易の金融電卓などがあります。

金融に従事する人たちはこういった簡易プログラムを使って

上記の計算を瞬時に行っています。

しかし時には原理原則に戻って手書き計算をした方が意味あるし、背景のロジックも分かると思って

上記のような形で計算式を明記してみることにしました。

個人投資家に対して、1年前にこう近づいてきた金融機関の人も多いと聞きます。

「これからは米国金利が上がります。だから株は下がるので債券、それも米国債も含めてリスク分散しましょう」

この言葉を信じてしまった人のなかには

悲劇的な結果になってしまったケースもあるかもしれません。

残酷なようですが、以下、教訓です。

金融機関の言葉を鵜呑みにしてはいけません。

最後に、変動金利の債券に投資すればこの問題はほとんど解決しますが、債券市場全体に占める変動金利ものの割合は僅かなものです(チャットGPTに聞いてみたところ、2021年9月の数字で米国債で変動金利物は米国債全体の0.5%)。

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2023年3月18日 (土)

チャットGPTは、GAFAMの力関係をどう変化させるか

2016年2月に出した拙著『不透明な10年後を見据えて、それでも投資する人が手に入れるもの 』

以下は、その88頁の記述です。

『「グーグルかアマゾンかアップルかフェイスブックに投資しておく」ことはそれなりに意味あるように思う。

極論してしまうと、4社の株式を買っておけば、そのうちのどれかがいずれ数倍の値を付けるという可能性はありうる』

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まだ7年しか経っていないのですが、この本が出版された当時と現在の株価を比較してみましょう。

(当時2月26日→現在3月15日)

グーグル 36.24 → 96.11 (2.7倍)

アマゾン 27.76 → 96.20 (3.5倍)

アップル 22.27 → 152.99(6.9倍)

フェイスブック 107.92→197.75(1.8倍)

そしてGAFAではないですが

マイクロソフト 46.21→265.44(5.7倍)

問題はこれから先です。

新しいテクノロジーの出現によって、GAFAMの力関係は大きく変化してしまうかもしれません。

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(写真は日経新聞電子版の下記記事より)

たとえば昨年11月に出てきたチャットGPT。

これはGAFAMの力関係をどう変化させるのでしょうか。

そういった観点から、日経ヴェリタス紙と日経新聞(電子版)に寄稿しました。

電子版の記事は『こちら』

日経ヴェリタス紙は今度の日曜日(3/19)発売の号に載ります。

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2023年3月15日 (水)

GPT-4

「ついに出た~」という感じですね。

GPT-4。

従来のGPT-3.5は、米国の司法試験の模擬試験を下位10%の成績で合格。

それがGPT-4になると上位10%程度の成績で合格。

と、分かりやすく解説されていますが、

この図の方が分かりやすいかも・・。

Gpt

従来のチャットGPTは日本語での賢さがイマイチでした。

そこで英語で質問する人も多かったと思いますが、

GPT-4の日本語は、GPT-3.5の英語版より賢くなる(もっともGPT-4の英語には負ける)。

以下のチャートはオープンAIのサイトから。

Gpt4 

CEOのサム・アルトマンがツイッターで報告していました。

カッコよくプレゼンしている画像でも出てくるのか

と思いきや・・。

こんな感じでの報告。

Altman

人類を変えるのはユニークな人が多い・・?

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2023年3月14日 (火)

日経ヴェリタストーク「JTCとは言わせない」

昨日は日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

『こちら』で動画をご覧いただけます。

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2023年3月13日 (月)

JTCの問題は、JTCの中にいると、自分たちがJTCであることに気がつかないこと(その1)

(その4まで続くシリーズの1回目です)

今週の日経ヴェリタス紙ではJTCが取り上げられている。

何よりも、この問題を取り上げた新聞社や編集の方に敬意を表したい。

というのは、広告主や取材先、法人購読契約者のことを考えると

「ひょっとしたら怒らせてしまうかも」

との思いが関係者の頭をよぎったとしても不思議ではないからだ。

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JTCとは、Japanese Traditional Companies (日本の伝統的な企業)の略なのだが、

ネットの世界では、古い体質を引きずる企業の意味でつかわれる。

世界株式時価総額トップ50で、日本企業は1989年版に32社がランクインした。

しかし2023年版ではトヨタ自動車も圏外に去りゼロになった(ヴェリタス紙4頁)。

日本が元気をなくしているのは、JTCが蔓延っているからと診断する人も多い。

【1】多くの企業は人事制度を改革してJTC脱皮を目指す

JTCも黙って手をこまねいている訳ではない。

人事制度を改革するという企業も多く出てきている。

実は人事制度の改革は「待ったなし」の状況にある。

今のままだと、苦労して採用した若い優秀な人材が辞めていってしまう。

従業員1000人以上の大企業の場合、

入社後3年以内に辞める人の割合は、10年前は20.5%(2009年卒)。

それが今では25.3%(2019年卒)にまで上がってきている。

優秀な人が辞めてGAFAなどの外資に行ってしまうと、GAFAとの差がますます開いてしまう。

一例をあげよう。

昨年11月、NTTのサービスイノベーション総合研究所で働くネットワークセキュリティの若手技術者が外資に移った。

彼女は「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」の受賞経験もある研究者だった。

こうした人材の流出を防ぐには、これまでの年功序列システムを変えなくてはならない。

斯様な問題意識が背後にあるのだろう。

NTTは新しい人事制度を立ち上げた。

すでに報じられている新人事制度のもとでは、

理論上は20代で課長級への抜擢が可能になるという。

しかし、である。

ここで私は疑問に思ってしまうのだ。

しかしそれでほんとうに十分なのだろうか。

アポロ計画(1961年~72年)を推進したNASA(米航空宇宙局)のエンジニアたちは当時ほとんどが20代、30代だった。

日本の大企業が

「理論上は20代で課長級への抜擢が可能になります」と胸を張る。

敢えて「理論上」と言うことは、実際にはそういったケースはゼロかもしれない。

こうした状況に違和感を感じてしまうのは私だけなのだろうか。

米国の投資銀行では若くても、どんどん上に行く。

昔の話で恐縮だが、39歳で投資銀行のナンバー2になった米国人が来日するというので、日本の取引先社長とアポを取ったことがある。

すると後で、企画担当の専務から電話があった。

「39歳がうちの社長と会うというのは、ちょっとどうかと思います」

しかし米国ではJFKは43歳で大統領になっている。

若くして上に行くというのは、それだけ優秀ということなのだ。

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米政府、シリコンバレー銀行の預金、FDIC保護の上限を超えて、全額保護

米国時間6:15 p.m. EDTのプレスリリース。

『連邦預金保険公社(FDIC)と連邦準備理事会のボードからの勧告を受け、大統領と協議した後、イエレン長官は次のアクションを承認しました。

FDICがシリコンバレーバンク(カリフォルニア州サンタクララ)の問題解決を完了するための措置を講じることを可能にします。

すべての預金者を完全に保護します。

預金者は、3月13日(月)から自分のお金にアクセスできます。シリコンバレーバンクの解決に関連する損失は、納税者が負担することはありません』

『なお預金者以外の債権者や株主は保護されません。

経営者や上級管理職はすでに解任されました。』

(原文はこちら)

『After receiving a recommendation from the boards of the FDIC and the Federal Reserve, and consulting with the President, Secretary Yellen approved actions enabling the FDIC to complete its resolution of Silicon Valley Bank, Santa Clara, California, in a manner that fully protects all depositors. Depositors will have access to all of their money starting Monday, March 13. No losses associated with the resolution of Silicon Valley Bank will be borne by the taxpayer.』

『Shareholders and certain unsecured debtholders will not be protected. Senior management has also been removed. Any losses to the Deposit Insurance Fund to support uninsured depositors will be recovered by a special assessment on banks, as required by law. 』

ソース(出典)は『こちら』

* * *

創業間もない多くの会社が救われることになります。

良かったです。

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2023年3月11日 (土)

シリコンバレー銀行の破綻

銀行の破綻というのは、起きるときにはスピードが速い。

あっという間に起きる。

Svb4

   (From New York Times, March 10, 2023)

「シリコンバレー銀行が危ない」

こう囁かれ始めたのが木曜日(米国時間。以下全て、米国時間)。

株価が水曜日の終値に比して、たった1日で60%以上も下落した(下図)。

Svb3

「これは危ない。預金を引き出そう」と、預金者は銀行に殺到。 

翌日の金曜日には、 あっという間にこの銀行の経営破綻が発表された。

米連邦預金保険公社(FDIC)がシリコンバレー銀行の事業を停止させ、同行の預金をFDICの管理下に置いたのである。

あまりに急速な展開で、預金を引き出せなかった人も多い。

シリコンバレー銀行の2022年末時点の総資産は2090億ドル(約28.2兆円)、預金残高は1754億ドル。

破綻した銀行の規模としては、全米の歴史上、2番目に大きい(下表)。

Svb2

1984年に破綻したコンチネンタル・イリノイ銀行の5倍の規模だ。 

銀行が破綻しても、日本では預金保険機構が元本1,000万円までの預金を保証してくれる。

米国ではこの保証金額は日本の3.4倍もあって、

連邦預金保険公社(FDIC)が25万ドル(約3400万円)まで保証してくれる。

しかしシリコンバレー銀行の場合、預金額の97.3%は25万ドルを超えていて、

保証の対象外となると報じられている(下表)。

Svb1

なぜ、急に破綻したのか。

債券投資の失敗である。

金利がまだ低かった時(1年前)に、長期固定で債券投資をした。

FRBによる急速な利上げで、

昨年3月1日には 0.00–0.25%だった Federal funds rateは、現在では 4.50–4.75 %。

つまり 過去12か月間でFRBは金利を4.5%も上げた。

今月22日には更にもっと上がる(というのが市場の予想)。

仮に(市場金利が0.25%の時に)年0.25%の固定利払を約束する「10年もの債券(満期は10年後)」を100億ドル(1兆3500億円)ほど買って、

一方、市場での金利が4.75%になったと想定する(すぐに金利が4.5%も上がるという非現実的な想定だが、計算を簡単にするため)。

この債券を時価評価すれば64.8億ドルに減価してしまう(年1回の金利支払いで計算)。

つまりあっという間に35.2億ドル(4,752億円)ほどの損失を計上してしまうことになる。

金利が上昇する局面での固定金利ものの債券投資は怖いのだ。

かくして経営破綻してしまったシリコンバレー銀行。

ほかの銀行は大丈夫か。 

米市場では似たような銀行もあるのではないかと囁かれ始めている。

さすがに大手銀行(JP Morgan や Bank of America など)は体力があるので問題ないだろう。 

しかし First Republic Bank はどうか、といった固有名詞も上がり、マーケットは疑心暗鬼になっている。

Svb6

ちなみにFirst Republic Bankの株価は水曜日の引値が115.00ドル。 

それが金曜日には一時、45ドルにまで下落(6割以上の下落)。

しかし最終的には81.76ドルまで戻している(上図)。

FRBによる急速な利上げで傷ついているのは米国の銀行だけではない。

日本の銀行も米国債に投資しているし、日本の年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も

47兆913 億円(総資産の24.59%)を外国債券で運用している。

この部分の運用収益(損失)は、GPIFの運用報告書によると、2022年度第3四半期で2兆6,651円のマイナス(損失)となっている(下表)。 

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金融機関で傷つく先が出てきても、それがシステミック・リスク、つまり金融危機に結びつかない限り、

FRBは金利引き上げを続けるだろう。

繰り返しになるが、

「固定金利ものの債券投資は金利上昇局面では怖い。金利が上昇する場合のシミュレーション分析が不可欠」

この辺は、金融に従事する人であれば、最初に学ぶ「レッスン1」のはずなのだが・・。

シリコンバレー銀行の運用担当者や責任者は何をしていたのだろう。

Svb8

ちなみにシリコンバレー銀行のCEOは10日ほど前に、自分の会社の株を約4.7億円ほど売却している(上表)。

* * *

(なお以上の表やグラフはクリックすれば大きくなります)。

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2023年3月 5日 (日)

Sane という言葉

Sane の反対語は insane。『正気でない』といった強いニュアンスの言葉のように(私には)思えます。

ジョブズのインタビューを聞いていて、sane と言った彼の言葉が印象に残りました。

『多くの人は起業しても途中で止めてしまう。』
『Because they are sane』

Sane(正気な)人は多くの場合、起業の厳しさに耐えられない。

長いインタビューのうち1分半のみを抜き出した動画は『こちら』

起業にまつわるエッセンスが語られています。

   Sj
 

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アパートか、コンドミニアムか

米国人が英語をしゃべる時、日本のマンションのことをよくアパートメントと言います。

賃借しているのではなく、専有している場合には、教科書的にはコンドミニアムなんでしょうが、私の経験上は専有の場合もアパートメントと言うのを耳にすることの方が多い(ニューヨークにある10~20億円くらいする高額マンションもアパートメントという人がいました)。

そこでチャットGPTに聞いてみました。

以下、【1】、【2】、【3】は私が出した質問と、それに対するチャットGPTの答えです。

なぜアパートメントと呼ぶ人が多いのかの答えは、以下の【2】にあります。

(以下すべて英語になってしまって、すみません。またヨコ道に逸れますが、チャットGPTは英語で質問した方が切れ味が鋭いように思います。)

【1】What is the difference between apartment and condo?

【答え】

An apartment and a condo both refer to a type of housing, but they differ in ownership and management.

An apartment is a unit within a building or complex that is owned by a landlord or property management company, and is rented out to tenants. In an apartment, the landlord is responsible for maintaining the building and its amenities, collecting rent, and ensuring that the property is up to code.

On the other hand, a condominium, or condo, is a unit within a building or complex that is owned by an individual or a group of individuals. In a condo, the individual owner is responsible for maintaining their own unit and paying for any necessary repairs or maintenance. The building or complex is managed by a condominium association, which is made up of all of the individual unit owners. The association is responsible for maintaining the common areas of the building, such as hallways, elevators, and recreational facilities.

In addition to ownership and management differences, there may also be differences in the amenities and services provided. Condos may offer more amenities, such as a pool or fitness center, while apartments may have more basic amenities.

Overall, the main difference between an apartment and a condo is the ownership structure and the responsibility for maintenance and management.

【2】Do people call "apartment" when it is actually condominium?

【答え】

Yes, people often use the term "apartment" to refer to a unit in a condominium complex, even though the two are technically different in terms of ownership and management.

This may be because the term "apartment" is more commonly used and better understood by the general public, while "condominium" may be seen as a more technical or legal term.

Additionally, some condominium complexes may be marketed or referred to as "condominium apartments" or simply "apartments" to appeal to renters or buyers who are more familiar with the term. In these cases, the individual units within the complex are still technically condominiums, but they may be marketed and referred to as apartments for marketing or branding purposes.

【3】In comparing the term "apartment" and "condominium", which sounds more expensive?

【答え】

The terms "apartment" and "condominium" do not necessarily imply a difference in price or cost, as both types of housing can be found at various price points depending on factors such as location, size, amenities, and condition.

However, in general, the term "condominium" may sound more expensive than "apartment" to some people, as condominiums are often associated with ownership rather than rental, and may be seen as a higher-end or more luxurious type of housing. Condominiums also often have amenities such as swimming pools, fitness centers, and 24-hour security, which can contribute to a higher cost.

That being said, there are many factors that can affect the cost of both apartments and condominiums, and it is possible to find both types of housing at a variety of price points. Therefore, it is important to research and compare specific properties in order to determine their relative cost and value.

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チャットGPTの使い勝手の良さは、実際にこうして使ってみると実感できます。

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